毎年2月頃から本格的な花粉シーズンが到来しますが、クルマへの影響はどのようなものが考えられるのでしょうか。
■花粉がクルマに与える影響とは
花粉は1年中飛散していますが、飛散する量がもっとも多くなるのは、毎年1月の下旬から5月の中頃といわれています。
花粉症の人が多くなる季節でもありますが、クルマにはどのような影響があるのでしょうか。
花粉自体は1年中飛散しているため注意が必要ですが、とくに飛散が多い季節は警戒をすることが大切です。
日本気象協会によると、2021年の東京近郊でのスギ花粉の飛散予測は、2月7日から徐々に増え始め、3月中旬にピークを迎えると発表しており、3月下旬のスギ花粉のピークの頃に、ヒノキ花粉の飛散量が増える時期に入るため、4月上旬から下旬にかけてヒノキ花粉のピークとなります。
スギ花粉から始まりヒノキ花粉が落ち着くまでの3か月間が、日本でもっとも花粉が多く飛散している期間となります。
花粉はクルマのボディに付着しやすく、ほかにもワイパーゴムとフロントガラスとの間やエンジンルームにまで花粉が入り込む可能性があります。
また、クルマのボディ面への影響について、オートバックス広報担当者は以下のように話します。
「花粉はクルマのボディに付着します。中国からくる黄砂と花粉は一緒に飛んでくるため、クルマの汚れに繋がります。
また、クルマの車内は花粉をかなり取り込みやすい環境といえます。花粉のピークは春となり、季節柄あたたかくて窓を開けながら走行する人もいると思います。そうするとダイレクトで花粉が車内へ入ってきます」
また、クルマに付着する花粉についてガラスコーディング専門店は次のように話します。
「花粉はペクチンというタンパク質が含まれており、クルマの塗装にもダメージをもたらします。
雨などの水分でペクチンの殻が割れ塗装面へ付着し、その後乾燥すると収縮時に塗装にダメージを与えてしまいます。
とくに、花粉飛散量が多い、塗装状態が悪い、気温が高いなどの条件の場合はクルマのボディに付着して放置しておくと塗装を痛めてしまいます」
■クルマの花粉対策には何が必要なのか?
クルマに対する花粉の影響は、どのような対策をおこなうと良いのでしょうか。
クルマの花粉対策について、前出のオートバックス広報担当者は以下のように話します。
「クルマのボディはワックスよりもコーディングしておくことをおすすめします。
ワックスは油分なので花粉が付着しやすく、結局ワックス自体を落とさなければなりません。一方でコーディングであれば水で流してあげるだけで花粉も一緒に落ちます。
また、車内の花粉対策はまずエアコンフィルターを定期的に、最低でも年に2回は変えるように心がけましょう。花粉のピーク前にフィルターを変えておけば、花粉が入ってきづらくなります。
ほかにも、クルマ用の空気清浄機を取り付けることがおすすめです。
今では、ドリンクホルダーに入るタイプやシート下に設置するものもあるので、そういったもので空気を循環させることで花粉対策に繋がります」
また、別のカー用品店の販売スタッフは、具体的な対応策について次のように説明しています。
「花粉対策で一番効果的な対策は、ずばり洗車です。洗車をするタイミングが重要で、雨上がりなど、クルマが濡れていて乾き切る前に洗うことがおすすめです。
花粉が乾燥しきって固まってしまう前に流してしまうことを意識してください。夜露で濡れている時も乾く前に洗い流した方がクルマのためには良いといえます。
洗い方にはいろいろありますが、ガソリンスタンドの自動洗車機の性能は高くクルマのボディを傷つけることなく花粉を落としてくれますし、何より自動なので手軽です。
自分で洗う時は、最初にたっぷりの水でクルマ全体をしっかり洗い流すことがポイントです。
花粉もそうですが風で舞った砂ぼこりなどが含まれているので、できる限り水で流して落としてしまうことが大切です。
あらかじめ汚れをしっかり落とすことができれば、それだけでクルマのボディを傷つけるリスクを下げられます。決して、乾いた状態で拭き取ることだけはしないでください。
洗車した後は、柔らかいモップなどで水気をしっかり拭き取ることを忘れずにおこなって。
せっかくクルマにキズを付けないように注意しながら洗い終えたとしても、濡れているところに花粉が飛んできて、ボディに付着してしまっては元も子もありません。
そのため花粉がつく前に素早く乾いた状態にしてしまいましょう。
毎日洗車をするのはなかなか難しいですが、この時期は洗車の頻度を上げることがクルマを長持ちさせるコツになります」
※ ※ ※
花粉はクルマにとって悪影響があり、事故が起こってしまう可能性さえあります。
花粉症がひどい人はとくに、花粉のピークを迎える前に点検や手入れをしておきましょう。