さまざまな業界でオトクだとされる「年度末セール」。新車市場では、どのようなモデルが狙い目なのでしょうか。そして、なぜ年度末にはセールがおこなわれるのでしょうか。
■期末決算で狙い目なのは登場から数年が経過したモデル中期の車種
例年、2月から3月はさまざまな業種で「決算セール」の時期となります。
新車市場でも例外ではなく、クルマをお得に購入できるにタイミングともいえますが、最近ではどのようなモデルが狙い目なのでしょうか。
各メーカーの決算セール対象車を見ると、発売開始から少し時間が経過し、バックオーダーを抱えていない3月末までに登録ができるモデルがいずれも共通して対象車となっているようです。
人気車種であっても発売開始からある程度経過している車種は、決算期でお得に購入できるといえます。
とあるトヨタ販売店の決算セール情報を見てみると、高級セダン「クラウン」、コンパクトSUV「C-HR」、コンパクトカー「アクア」といったモデルが決算セール対象車となっています。
具体例を挙げると「クラウンHV RS “Limited”」のボディカラープレシャスシルバーのモデルが、オプションの「ETC2.0」が搭載され、通常546万500円のところ476万500円と70万円引き。
ミドルサイズミニバンの「ノア Si “W×BII”(7人乗り)」のボディカラーホワイトパールクリスタルシャインのモデルが、オプションにスペアタイヤが付いて、通常298万4300円ところ253万4300円で45万円引きとなっています。
これらの共通点は、さまざまなオプション付きでも大幅な値引率となっていることで、車種によってはナビキットが10万円近く値引きされる対象車もあるようです。
また、とあるホンダの販売店では人気No.1の軽自動車「N-BOX Custom L」のナビパックが付いたモデルの価格が241万8403円のところ226万8403円と15万円引きとなっています。
ほかにも、人気コンパクトカー「フィット」は15万円引き、コンパクトミニバンの「フリード」も最大25万円引きなど、軽自動車や5ナンバーのコンパクトモデルが決算セール対象モデルとなっており、店舗によっては限定台数を設けて販売されているようです。
都内のホンダ販売店スタッフは、次のように説明しています。
「1年間のなかでもっとも値引きなどが頑張れる時期なので、お得なクルマを多く揃えています。
例えば、人気のN-BOX、フィット、フリードであれば、3月末までの登録に間に合うクルマをご用意しています。
ただ、ミニバンのステップワゴンは、3月末までの登録に間に合うクルマが少ないので、難しいかもしれません」
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値引き以外にも決算期に購入することでオリジナル特典を設けている店舗もあり、例えばホンダカーズ岐阜中央では、純正ナビ、ドライブレコーダー、撥水ワイパーブレードなど計6つの特典を付属しています。
■ポイントは「3月末までに登録(ナンバー取得)」が可能かどうかで決まる?
決算期セールについて、神奈川県のトヨタ販売店スタッフは以下のように話します。
「決算セールでは、車両本体価格から割り引きをするというよりも、付属品(オプション)値引きが大きいです。
また販売店の実績は、クルマが登録されたタイミングでカウントされるため、決算セールで購入する場合には、早めに購入の決断をして頂いたほうが良いです。
ただし、2020年発売された『ヤリスクロス』や『ハリアー』のような納期に時間がかかるクルマは、3月末までの登録が間に合わないため、決算セールの対象になりませんのでご注意下さい」
販売店スタッフが説明する「3月末までの登録」とはどのような意味なのでしょうか。
一般的に、新車購入後に公道を走行するには登録作業(ナンバープレート交付)の手続きが必要です。
これは、道路運送車両法に基づく手続きとなり、車庫証明書の提出、各種税金の納付などをおこない、検査登録をすることでナンバープレートの交付を受けます。
とくにメーカー系の販売店では登録したことで1台を販売したことになるため、あくまでも登録時期を基準にしてセール展開などがおこなわれるのです。
そのため、年度末だからと3月中頃以降に販売店に出向いても登録が月内に間に合わないことが多く、セール対象から外れることがあるといい、事前の確認が必要といえます。
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決算時期は通常時よりも値引きに加えお得な特典も付属するため、クルマを購入するには最適な時期といえるかもしれません。