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「GT3 RS」が2000万円!? ポルシェ新型「911 GT3」の登場で注目集まる歴代モデルの相場とは?

くるまのニュース 2021年3月13日 19時10分

最新型のポルシェ「911 GT3」の登場で、俄然注目が集まっているのが、歴代911 GT3だ。そこで、最新オークションに出品された996型と997型のGT3を比べてみよう。

■コレクターズアイテムでもある「911 GT3」はRSを狙え

 ポルシェ「911 GT3」が、最新の992型「911」をベースとしたモデルにフルモデルチェンジされたことは、VAGUEでもすでにお伝えしているとおりだ。

 初代GT3が誕生したのは、最初の水冷式水平対向6気筒エンジンを搭載した996型911の時代で、それから997型、991型と、いずれも途中でビッグマイナーチェンジを施しながら進化を続けてきた。

 そうしたマイナーチェンジも1世代とカウントするのならば、今回の新型GT3は第7世代に相当する。

●2004 ポルシェ「911 GT3 RS」(996型)

 第7世代GT3が登場したことで、にわかに注目を集め始めているのが、オークション・シーンにおける過去の世代のGT3たちだ。

 1999年に誕生した初代GT3が、3.6リッターの360ps版エンジンを搭載し、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェライフェですでに8分を切るタイムを記録していたことを考えると、いかに最新の991型が、4リッターの510psユニットのパワーで7分切りを達成したとはいえ、まだまだ歴代GT3のパフォーマンスは魅力的なものといえる。

 あるいはGT3のフルラインナップを収集しようというコレクターも、世界にはかなりの数がいるだろう。

 そのような動きを読んだのだろうか。イギリスのオークショネア、シルバーストーンは、2021年3月27日に開催する「レース・レトロ・ライブ・オンライン・オークション」に、2台のポルシェ911GT3を出品。

 1台はさらにハードコアな996世代の2004年式「GT3 RS」で、もう1台は997世代の2007年式GT3だ。いずれもコンディションは、オークショネアが目をつけるだけに素晴らしく、コレクションとしてガレージに収めるのみならず、本格的にサーキット走行を楽しめるだけのクオリティを保っている。

 そしてこの2台がとりわけ日本人のコレクターにとって気になる存在なのは、いずれも右ハンドル仕様であること。

 参考までに996型GT3 RSの右ハンドル仕様は、ポルシェの記録によれば140台しか生産されておらず、このモデルはイギリスに輸出された113台のうちの1台。

 一方の997型GT3は、正確な数は掴みきれていないが、いずれにしてもその比率は相当に小さいものであるだろう。

 ホワイトのボディカラーに、軽量なレッドもしくはブルーのホイール。そしてそれにマッチしたボディサイドのデカール。

 その姿を見ると思い出されるのは、1970年代にレースシーンで大活躍した「911 カレラ RS 2.7」だろう。

 このGT3 RSも開発の目的は徹底した軽量化と、わずかではあるものの水平対向6気筒エンジンのパワーアップを図り、モータースポーツへの道を切り開くためのホモロゲーションモデルであることだ。

 ポリカーボネイト製のリアウインドウやカーボンファイバーボンネットとリアウイングなど、軽量化のための策は実に幅広い。

 エンジンも詳細にその仕様を見れば、空冷エンジンに由来する高剛性クランクケースの採用や、インテークやエグゾーストのポートなどが再設計されていることが分かる。サスペンションももちろんGT3 RSのために改良を受けている。

 現在までの走行距離は3万1836マイル(約5万1000km)だ。この個体の予想落札価格は11万5000−13万ポンド(邦貨換算約1730万−1960万円)となっている。

■「RS」がつかない「GT3」はお買い得?

 一方の997型GT3も、実に魅力的な1台である。2007年式ということは、997世代の前期型に相当するモデルだが、走行距離は現在まで1万6400マイル(約2万6000km)を刻むのみ。

●2007 ポルシェ「911 GT3」(997型)

当時の資料によればエアロダイナミクスはゼロリフトと謳われていたポルシェ「911 GT3」(997型)(C)Silverstone Auctions Limited 2021

 付帯されるポルシェの完全なサービス履歴によれば、1万3989マイル時に最新のフルサービスを受けており、コンディションはまさに最高といったところだ。

 リアに搭載されるエンジンは、この997型では415psの最高出力を発揮する3.6リッター水平対向6気筒となり、2009年におこなわれたマイナーチェンジで排気量は3.8リッターへと拡大、さらに20psのエクストラを得ることになる。

 とはいえ415psのパワーでも、GT3は当時のスポーツカーのなかでは圧倒的に優位なポジションにあった。

 その大きな理由は997型へと進化したことによるエアロダイナミクスの向上。そして現在ではお馴染みのPASM(ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメント)の標準装備にあるだろうか。

 当時の資料によればエアロダイナミクスはゼロリフト。つまり997型GT3はダウンフォースのみを生み出し、一切のリフトを生まないモデルだった。

 シルバーストーンによれば、さらにこのモデルがオリジナルの例であることに一切の疑いはなく、インテリアもほとんど新車の状態を保っているという。

 予想落札価格は、6万5000−7万5000ポンド(邦貨換算約980万−1130万円)である。

 この素晴らしい997型GT3も、コレクターとしては目が離せない1台だ。

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