クルマにガソリンを満タンに入れた状態は、少なく入れた状態よりも重量が増えるため燃費が落ちるという説がありますが、実際にはどうでしょうか。
■ガソリン満タンにすると燃費は落ちる?
クルマにガソリンを満タンに入れた状態は、少なく入れた状態よりも重量が増えるため燃費が落ちるという説がありますが、実際にはどうなのでしょうか。
石油連盟の換算係数一覧によると、ガソリンの重さは0.72/cm3から0.76g/cm3となっており、その場合10リットルあたりの重さは7.2kgから7.6kgという計算になります。
そのため、ガソリンタンクの容量60リットルのクルマに満タンに給油した場合では、約44.4kgがガソリンの重量です。
満タンに入れずに半分の30リットルに抑えたとするとその重さは約22.2kgとなり、残り半分の約22.2kg分軽くできる計算となります。
ガソリンを満タンにせず半分の給油にすることで、燃費にはどのような影響があるのでしょうか。
環境省のエコドライブ普及委員会では、「エコドライブ10のすすめ」として、不要な荷物はおろそうと呼びかけており、そのなかでクルマの燃費は荷物の重さに大きく影響され、100kgの荷物を載せて走る場合は約3%程度燃費が悪化すると説明しています。
このデータを基に数値化してみると、燃費を15km/Lとした場合3%悪化すると約14.6km/Lと、その差は0.4km/Lです。
数値を見ても、給油を半分の22kg程度にガソリンの量を減らしたからといって、燃費に影響するとは考えづらいといえるでしょう。
ガソリンの満タンは、ガソリンを少なく入れた場合に比べて燃費にわずかながら悪影響を与えることは事実といえますが、その数値は微々たるもので、燃費が悪くなるといえるほどではないようです。
ガソリン満タンにした際の燃費への影響について、自動車整備士は以下のように話します。
「満タンに入れた場合と、満タンにせずに走行した場合の燃費の変化はごくわずかであり、道路の込み具合やエアコンを起動しているかどうかなど燃費に与える大きな要素に比べれば誤差の範囲といった下がり幅です。
むしろ満タンに入れない場合は満タンにしたときに比べて、何度も給油をしなければならないことによる時間的なロスのほうがもったいないです。
ガソリンを少なめに入れて走行するということは、ガス欠になるリスクを自らあげているようなものです。
エンプティランプが点灯してから急な坂道に差し掛かってガス欠のような症状になることがまれにありますが、そうなるとクルマ自体に大きな負担がかかるので、リスクの減らせる満タン給油をおすすめしています」
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ガソリン満タンにして走るのは、ガソリンを満タンにせずに走るのよりも燃費が落ちることはありますが、その落ち幅は気にする数値ではないようです。
むしろガソリンを満タンにせずに走るということはガス欠などのリスクとなり得るので、気にせずにガソリン満タンにしたほうがよさそうです。