昨今、セダン市場が縮小傾向にあるといわれていますが、年配層などからは依然として支持されています。中古セダンを購入する際に見極めるポイントを、新車・中古車の販売経験をもつ筆者が解説します。
■実は運転がしやすいセダン!中古セダンを選ぶときのポイントとは
近年、ミニバンやSUVが注目されることが多いですが、フォーマルにもカジュアルにもスポーティにも使えるセダンを選んでみるのも良いかもしれません。
今回は、新車・中古車の販売経験をもつ筆者が中古セダンを選ぶときの注意点を解説します。
セダンは、クルマのボディタイプのひとつで、「サルーン」と呼ばれることもあります。
また、エンジンルーム、キャビン(乗員)スペース、トランクスペースが独立していることから、「3ボックス」と表現されることがあります。
このエンジン・キャビン・トランクが独立したスペースであることから遮音性に優れている点も、セダンのメリットのひとつとして挙げられます。
タイヤから発せられるロードノイズがキャビンスペースに響きにくく、長時間の運転でも疲労しにくいといえるでしょう。
また、ミニバンやSUVなどと違って全高を低くおさえたセダンは、運転時の走行安定性が高く、高速道路の切通しなど風が強く吹く場所でもふらつきにくいことが挙げられます。
一方、デメリットとしては全高が低いために頭上空間がミニバンやSUVに比べると狭くなってしまう点です。
トランクスペースの高さが限られているため、大きな荷物を積載しにくいといった部分もデメリットと感じるかもしれません。
こういったメリット、デメリットを踏まえて中古車のセダンを選ぶときにはどういったポイントに気をつけると良いのでしょうか。
セダンのなかには、上質な装備を備える高級車、運動性能を高めているスポーツセダン、手軽に使えるコンパクトセダンなど、セダンというジャンルひとつとってもさまざまな種類があります。
例えば、高級セダンではほかのセダンに比べて室内での快適性を重視しており、レザーシートや快適装備が多く装着されています。そのため、インテリア装備の劣化が進行していないかなどの確認は大切です。
とくにレザーシートは、擦れたり、切れたりすることがあり、乗り降りの頻度が高い運転席を見ると、手入れしていたかどうかの判断がしやすいといえます。
定期的に手入れをしていた個体であれば、レザーシートの劣化具合が最低限に抑えられているため、シートの状態に注目しましょう。
また高級セダンでは、車外からの音が入りにくいという「静粛性」も重要な要素です。ドア開閉の重厚感や密閉性は高級感や静粛性に直結するため、ドアを閉めたときに重たい「ドスッ」という音、ドアまわりのゴム部品であるシールの厚さはしっかりと確認が必要です。
■スポーツセダンやコンパクトセダンは何を見るべき?
次に運動性能が高いスポーツセダンでは、エンジンがスムーズに始動するかどうか、アイドリングが不安定ではないかという点をチェックしておくのが良いです。どれほどエンジン性能が良くても、パワーを支える足まわりがへたっていると本来の性能を発揮できません。
よって、年式や走行距離、記録簿を見て定期的なメンテナンスをしてきたかどうか、使用年数や走行距離に応じて適切な手入れをしてきたかどうかを確かめましょう。
また、スポーツセダンの走行を楽しむために、サーキットや走行会などに参加することを考えている場合、タイヤ4本と工具セットを積載できるスペースの確保ができるかも確認するポイントです。
タイヤとホイールセットに工具を積載する場合、トランクだけでは容量が足りないため、リアシートを倒してトランクスルーができるかどうかを確かめ、スルーできるようであれば、タイヤや工具だけでなく、長さがある荷物の積載も容易です。
コンパクトセダンの場合、フロントシートの居住性や着座したときの座り心地が良いかどうかが重要となります。
運転姿勢をとったときにリラックスして着座できるか、助手席に着座したときに足元の広さにゆとりがあるかという点は、長距離移動でも大切なポイントとなります。
リアシートは、いざというときに短時間のみ乗車するスペースとして割りきって考えておくほうが良いでしょう。
取り回しがしやすいコンパクトセダンは、日常の買い物にも利用することが多いため、トランクスルーができるかどうか確認しておきましょう。
加えて、トランクのアンダーボックスがあると小さな荷物や傘などを収納できるため、トランクのフロアボード下も忘れずにチェックするのがポイントです。
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セダンは、フォーマル、カジュアル、スポーティ、ラグジュアリーなど、さまざまな表情を持ちます。
自身が望むセダンのタイプをしっかりと決め、注目すべきポイントを細かくチェックし、実際に座ったり運転姿勢をとってみたりしたうえで、良い中古セダンを選ぶようにしましょう。