2021年4月5日にトヨタ新型「GR86」が世界初公開されました。新型モデルのデザインが公開されると、新型GR86と日産「フェアレディZ」が似ているとSNSで話題になりましたが、一体どのようなところが似ているといわれるのでしょうか。
■フロントフェイスがソックリな新型GR86&新型Z
トヨタのFRスポーツカー「86(ハチロク)」の新型モデルが、2021年4月5日に世界初公開されました。
86の兄弟車であるスバル新型「BRZ」は、2020年11月に北米で世界初公開されていましたが、新型86の情報はベールに包まれており、一刻も早いお披露目が待たれていたのです。
ようやく初公開された新型86は、トヨタのモータースポーツ部門「TOYOTA GAZOO Racing(TGR)」とスバルの共同開発により誕生。
2019年の「GRスープラ」、2020年の「GRヤリス」に続く、TGRが展開するスポーツカーシリーズ「GR」のグローバルモデル第3弾として、新たに「GR86」という車名になって2021年秋に発売されます。
新型GR86の世界初公開はSNSでも話題となり、「新型86」や「新型BRZ」「世界初公開」といったワードがトレンド入りするなど盛り上がりを見せました。
そんななか、SNSで気になったのが、新型GR86と日産のスポーツカー「フェアレディZ」が似ているという書き込みです。
新型GR86と新型フェアレディZは、どのようなところが似ているといわれているのでしょうか。
新型GR86のデザインは、GRブランド専用の「ファンクショナル マトリックスグリル」を採用。
この長方形の大開口ロアグリルは、GRブランドとしてフロントフェイスに統一感を持たせるという役割とともに、冷却性能向上という機能を果たしています。
さらに、初代86よりも膨らみのある形状へと変更されたヘッドライトは、「L字」のポジションランプにLEDライトを内蔵しました。
一方のフェアレディZは、新型モデルのプロトタイプが2020年9月に世界初公開されています。
新型フェアレディZ(プロトタイプ)は、50年に及ぶZの伝統と現代的な雰囲気を融合した新デザインを採用。
四角い大開口のロアグリルがワイド&ローなスタンスを強調するとともに、初代Zの「240ZG」のモチーフを取り入れた、「この字」のLEDヘッドランプを装備しました。
新型GR86と新型フェアレディZは、大開口のロアグリルとヘッドライトに両車の共通点があったようです。
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新型GR86の兄弟車である新型BRZは、グリルは六角形の「ヘキサゴングリル」を装着。
ヘッドライトは全体のデザインは新型GR86と共通であるものの、L字ではなく「コの字」のポジションランプを備えた“スバル顔”なので、新型GR86と新型フェアレディZのほうが似ているように見えます。
■スポーツカーとしての共通点も存在
フロントフェイスがそっくりな新型GR86と新型フェアレディZですが、ほかにも共通点はあるのでしょうか。
両者の共通点は、FRレイアウトということと6速MTが設定されることです(6速ATも設定)。スポーツカーとして重視されるコーナリング性能やドライバー自らが操って走る楽しみを味わうには、このふたつは外せないポイントです。
2ドアクーペというところも同じですが、乗車人数は新型GR86が前席2人・後席2人の4人乗りであるのに対して、フェアレディZは2人乗りで後席はありません。
また、両者で異なるところはエンジンがあげられます。
新型GR86は、スバルの2.4リッター水平対向4気筒エンジンとトヨタの直噴技術「D-4S」を組み合わせた新たなエンジンを搭載(最高出力235馬力/最大トルク259Nm)。
0-100km/h加速性能を初代モデルの7.4秒から6.3秒に高めるとともに、レスポンスを向上させ、高回転域までストレスなく伸びるフィーリングを実現しました。
新型フェアレディZではエンジンのスペックについては公表されていませんが、「スカイライン」の最強グレード「400R」にも搭載される405馬力の3リッターV型6気筒ツインスクロールターボエンジンを載せるといわれています。
従来モデルの3.7リッターよりも排気量が小さくなっていますが、3リッターという大排気量やV型のターボエンジン搭載といった点で新型GR86と違いがあります。
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クルマの電動化が求められる昨今、純ガソリン車やマニュアル車は徐々に減少していくものと思われます。
時代の流れに逆らうように登場する新型GR86/新型BRZや新型フェアレディZといったFRスポーツカーは、クルマ好きに大歓迎されるモデルだといえるのではないでしょうか。