Infoseek 楽天

瞬間ではなく巡航最高速度290キロ! アルピナ「XB7」の秘めた魅力とは

くるまのニュース 2021年4月14日 11時10分

アルピナのフラッグシップ「XB7」が、2021年3月25日にジャパンプレミアされた。XB7を実際に見たモータージャーナリスト山崎元裕氏が、XB7の魅力について解説する。

■BMWとは違う「アルピナ」というメーカー

 アルピナから、フルサイズSAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)の「XB7」が誕生し、日本市場でのセールスも開始されることになった。

 XB7のベースは、そのスタイルからも想像できるようにBMW「X7」だが、それはあくまでもXB7というモデルを作り上げるための素材であり、一般的なチューニングカーとは成り立ちは異なる。

 アルピナ車は独自のマニファクチャラーズナンバーを持つ、BMWとは異なる製品として認められているのだ。

 XB7のエクステリアデザインは、特にフロントセクションでは独特の力強さを感じさせるものだ。

 大型のエアインテークと立体的な「ALPINA」のロゴで構成されるフロントのエプロンは、エアロダイナミクスをBMW X7からさらに最適化し、高速走行時の安定性を最大限に高める効果を発揮している。

 そしてこの大型のエアインテークからは、同時にフレッシュなエアが効率的にアルピナのクーリングシステムに採り込まれる仕組みとなっているのだ。

 一方リアセクションに目を向ければ、そこにはこちらも運動性能の高さを期待させるアルピナ製のリアエプロンや、スポーツ・エグゾーストシステムの存在が目に入る。リアエプロンの中央にはディフューザーも装備され、これもまたエアロダイナミクスの向上には大きく貢献することが容易に想像できる。

■XB7でもこだわった巡航最高速度

 前後のタイヤとホイールは、ついに23インチ径にまで拡大するにいたった。全長5151mm×全幅2000mm×全高1797mm、ホイールベース3105mmというボディサイズを考慮すると、見た目のバランスは悪くない。

4.4リッターV型8気筒ビ・ターボの最高出力と最大トルクは各々621ps、800Nm

 前後サスペンションはエアサスペンションを採用し、高速走行時に車高をさらに40mm低く調節することができるアルピナ仕様のダンパーとキネマティクスの組み合わせとなっている。これが、アルピナ独自のドライビングの楽しさと同時に快適な乗り心地を演出していることは、これまでのアルピナ車の例を知る者には常識であろう。BMW Mモデルにはないしなやかな乗り心地がアルピナの特徴なのである。

 フロントに搭載されるエンジンは、4.4リッターV型8気筒ビ・ターボ(ツインターボ)。最高出力と最大トルクは各々621ps、800Nmという魅力的な数値で、最大トルクはわずかに2000rpmから発揮される。

 ちなみに621psという最高出力はアルピナ史上最高の数字であり、わずか4.2秒で0−100km/h加速を達成する。

 巡航最高速度は290km/h。瞬間的な最高速度ではなく、常に巡航最高速度をスペックシートに記すのも、アルピナ流の性能表記である。

 トランスミッションは、ZF社との共同開発による新世代のアルピナ・スイッチ・トロニック付き8速スポーツオートマチック・トランスミッションが採用された。

 高トルクに対応するために専用設計されているほか、わずか0.1秒でシフトチェンジを実行できるのも大きな特徴だ。駆動方式はフルタイム4WD。まさにシーンを選ばない走りが可能になる。

 アルピナ自身がファーストクラス・キャビンと呼ぶXB7の室内は、確かに快適でクラフトマンシップを感じるスペースだ。乗車定員は6名もしくは7名であるので、3列シートを備えることになる。

 アルピナ独自の上質なラヴァリナ・レザーもオプション設定されるほか、カスタマーの好みに応じたインディビジュアル・プログラムにも、アルピナはほとんど制限を設けてはいない。つまり、いかようにも自分の好みに仕上げることが可能なのである。

 XB7の誕生で、アルピナのSAVシリーズはさらにその選択肢が多彩で魅力的なものになった。BMWを超えるブランドは、やはりこのアルピナ以外にはないというのが正直な印象である。

 ちなみに、XB7の日本仕様は右ハンドルのみとなり、車両価格(消費税込)は2498万円。現在予約注文受付中だ。

この記事の関連ニュース