2021年のGWは、コロナ前の2019年、最初の緊急事態宣言下の2020年と比べ、どのようになると予想されているのでしょうか。
■2021年のGWはどうなるのか?
新型コロナウイルスの感染が拡大し、最初の緊急事態宣言が発令されてから1年が経過しました。
そして現在、3度目の緊急事態宣言が東京都、京都府、大阪府、兵庫県に発令されています。2021年のGW(ゴールデンウィーク)はどのような状況となるのでしょうか。
例年、GWというと日本全国の高速道路が大渋滞となり、各所で40km前後の渋滞が発生していました。
新型コロナウイルスが流行する1年前の2019年のGWでは、過去最大の10連休がありました。
2018年末に、特別法案「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀のおこなわれる日を休日とする法律案」が衆議院で可決したことが関係しています。
その影響もあり、2019年のGWは、各地の高速道路で渋滞が多数発生。NEXCO中日本の発表によると、GW期間の交通量は、2018年と比べ12%増加したほか、10km以上の渋滞回数は、194回と比べ82回も増加しました。
このときは、GWの渋滞は、多くのドライバーにとってもはや恒例行事ともいえるものでした。
しかし、2020年は大きく状況が変化しました。新型コロナウイルスの感染が国内で拡大し、2020年4月7日から5月6日まで、国内で初めて緊急事態宣言を発令。政府が外出自粛を呼びかけたことで、連休中の交通状況は大きく減少します。
国土交通省の発表によると、2020年のGW期間(4月25日から5月6日)で、全国の高速道路の主な区間の交通量は、前年比で70%減となりました。
また、全国の鉄道主要駅を対象におこなった調査では、2019年と比較し2020年は、全国のほぼすべての場所でGWの人出が大きく減ったことがわかっています。
例えば、東京都の渋谷駅周辺では、2019年と比べて2020年は、80%から90%のマイナスを記録したほか、大阪駅や京都駅といった西日本の主要都市でも最大で89%も人の数が減っていました。
このように、2020年は2019年の交通増加から一変し、全国の道路だけでなく主要駅で人の出が減ることとなりました。
では、2021年のGW期間、交通状況はどうなると予想されているのでしょうか。NEXCO東日本の担当者は次のように話します。
「新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況などを踏まえると、今後の渋滞予測が困難な状況であり、お客さまに不確かな情報を提供することはできないと考えています」
また、NEXCO中日本の担当者は、次のように話します。
「新型コロナウイルス感染症の感染拡大などの情勢を踏まえると、今後の渋滞予測が困難な状況であることから、渋滞予測記者発表は休止しており、GW期間の予測発表はおこないません。
また、曜日の並びの違いや事故の有無などで渋滞状況が変わることに加え、交通動向に影響を与える現下の情勢が短期間で大きく変化し続けていることから2021年の渋滞の傾向を予測することは難しいです」
■2019年、2020年と激変するなか、2021年のGWは三度目の緊急事態宣言を発出
新型コロナウイルスは未だ収束の目処がたたず、政府は2021年4月25日から東京や大阪などの4都府県に、3度目の緊急事態宣言を発令することを発表しました。
これを踏まえ、国土交通省はGW中の高速道路の割引休止を発表しました。
通常、ETC割引は一部を除いて通行料金の30%の割引が適用とされていました。
こうした高速道路の割引休止に加え、商業施設や飲食店は臨時休業を余儀なくされています。
2020年の1回目の緊急事態宣言では、都内をみてもほとんど人通りがない場所も見受けられました。
しかしあれから1年が経過し、外出自粛をあのときと同じように継続するというのはなかなか難しいというのが現状です。
一方で、政府からの発令により大幅な移動はしにくいというのも事実です。そのため、2020年の数値にいかないまでも、GW中には大きな渋滞はみられないといえます。
実際に、3度目の緊急事態宣言初日となった4月25日の首都圏では、東名高速道路、中央自動車道、関越自動車道、東北自動車道、常磐自動車道などでは、目立った渋滞は発生していないようです。
しかし、神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ東京湾アクアラインにおいて、渋滞情報では渋滞を示す赤色が全体に表示されるなど渋滞が発生している様子が分かりました。
単純に緊急事態宣言の対象外となる神奈川県と千葉県の県民が行き来しただけなのか、それとも東京都民が千葉県へ移動したのかは定かではありません。
3度目の緊急事態宣言は、4月26日時点で5月11日までを予定していますが、今後期間延長や対象地域拡大とならないことを祈るばかりです。