トヨタが2021年6月10日に世界初公開した新型「ランドクルーザー」は、日産の海外専売車「パトロール」と比較して、それぞれどんな特徴があるのでしょうか。いまわかる情報を元に見ていきます。
■ふたつの顔つきで登場する新型「ランドクルーザー」
トヨタは2021年6月10日に新型「ランドクルーザー」をワールドプレミアしました。14年ぶりとなるフルモデルチェンジにより、内外装のデザインやシャシ、パワートレインなどすべてが刷新されており、世界的に注目が高まっています。
一方、日産にも中東市場など海外で販売する大型SUVとして「パトロール」が存在。両車はどのような違いがあるのでしょうか。
トヨタの中東公式YouTubeチャンネルは、新型ランドクルーザー発表の1週間以上前からティザー映像を公開。こうしたことからも、中東が新型ランドクルーザーにとって重要な市場のひとつであることがわかります。
一方、パトロールの現行モデルはアラブ首長国連邦のアブダビで2010年2月14日(日本時間)にお披露目されました。
パトロールはオーストラリアをはじめ中東市場以外でも販売されているほか、北米の「アルマーダ」などの兄弟車も存在するものの、やはり中東市場がパトロールにとって重要であることは変わりません。
そこで、今回は新型ランドクルーザーの海外仕様についていま分かる情報を元に、中東向けパトロールと比較して、特徴や違いを見ていきます。
新型ランドクルーザーのボディサイズは全長/全幅などのボディサイズとディパーチャーアングル/アプローチアングルは200系を踏襲しているといいます。参考までに200系のボディサイズは全長4950mm×全幅1980mm×全高1870-1880mmです。
外観を見ると、2021年6月時点で2種類の顔つきがあることが明らかになっています。
ひとつは、大型メッキフロントグリルが装着されたラグジュアリー感のあるモデル、もうひとつはトヨタのモータースポーツブランド「GR」のバッジが装着されたモデルです。
GRバッジが装着された新型ランドクルーザーは、メッキ加飾が控えられてかつ「TOYOTA」の文字が印象的なフロントグリルが装着され、従来のランドクルーザー(200系)にはない新たな個性を演出。
外観以外の変更点は不明で、通常モデルとどのような違いがあるのか今後の発表が注目されます。
一方、パトロールのボディサイズは全長5315mm×全幅2035mm×全高1940mm。通常モデルのほかにスポーティな「パトロールNISMO」が存在します。NISMOバッジが与えられているだけでなく、専用デザインのフロントグリルやバンパー、ボディ下端の赤い差し色がスポーティ感を強調しています。
■日産「パトロールNISMO」に搭載される特別なエンジンとは?
両車の内装を見ると、新型ランドクルーザーはインパネ中央にひとつのディスプレイを配置していますが、パトロールはインパネ中央に上下2画面のデュアルディスプレイを採用しています。
パトロールNISMOでは通常モデルに対して内装色やシート色が独自の仕様となっており、新型ランドクルーザーでも設定が予想される“GR仕様”でどのような差別化がなされるのか注目されます。
新型ランドクルーザーに搭載されるエンジンは新開発のV型6気筒ツインターボで、3.5リッターガソリン(最高出力415馬力・最大トルク650Nm)と3.3リッターディーゼル(最高出力309馬力・最大トルク700Nm)を設定。
なお、トヨタは一部地域でV型6気筒自然吸気ガソリンの新型ランドクルーザーを販売する計画があると予告しているほか、アラブ首長国連邦でのトヨタ公式サイトではディーゼル仕様の紹介がないことから、仕向地によって設定されるエンジンに違いがある可能性もあります。
一方、パトロール(中東仕様)の標準モデルに搭載されるエンジンは5.6リッターV型8気筒自然吸気ガソリン(最高出力406馬力・最大トルク560Nm)と4リッターV型6気筒自然吸気ガソリン(最高出力279馬力・最大トルク394Nm)です。
なお、パトロールNISMOでは日産のスーパースポーツモデル「GT-R」に携わることを許されたマスターエンジンビルダーがチューニングをおこなうことで最高出力がアップ。
パトロールNISMOに搭載される5.6リッター仕様のエンジンは最高出力434馬力を発揮します(最大トルクは同じ560Nm)。
今後、新型ランドクルーザーにもし“GR仕様”が登場した場合、エンジンスペックに変更が加えられるのか、注目です。
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新型ランドクルーザーは、2021年夏以降世界各地で発売されます。各市場で発表される詳細情報について、今後も目が離せません。