2021年6月12日に、レクサスのミドルクラスSUVである新型「NX」が発表されました。数多くのトピックスがありますが、外観デザインもより精悍に生まれ変わりました。そこで、新型NXとともに最新のスタイリッシュSUVを、5車種ピックアップして紹介します。
■新型「NX」とスタイリッシュなデザインの最新SUVを紹介!
レクサスは2021年6月12日に初代のデビュー以来7年ぶりとなる2代目新型「NX」を発表しました。
NXはレクサスのSUVラインナップで中核となるクロスオーバータイプの1台で、初代は2014年に登場。大きすぎないボディは日本の道路事情でも扱いやすく、それでいてプレミアムな佇まいから人気となりました。
今回、事前に新型の登場が予告されていましたが、満を持して発表され、日本での発売は2021年秋ごろを予定しています。
新型NXには数多くの新技術が投入され、パワートレインも大きく進化するなどトピックス満載で、さらに内外装のデザインも一新されてよりスタイリッシュに生まれ変わりました。
そこで、新型NXとともに最新のスタイリッシュSUVを、5車種ピックアップして紹介します。
●レクサス「NX」
新型NXのボディサイズは全長4660mm×全幅1865mm×全高1640mm、ホイールベースは2690mmと初代よりも全体的にわずかに大きくなりましたが、依然として「RX」よりもコンパクトで扱いやすいサイズといえます。
また、レクサスのデザイン・アイデンティティであるスピンドルグリルも、次世代に向けた立体表現が採用されるなど印象が大きく変わりました。
全体のフォルムは流行のクーペスタイルで、複雑な曲面とプレスラインを組み合わせていますが従来よりもスッキリした印象で、それでいて面の張りを強調することでボリューム感がアップ。さらに小ぶりなキャビンと相まって、スピーディさが強調されています。
リアまわりでは左右のテールランプをつなぐように一文字のランプを新たに配置して、ワイド感を演出。リアのブランドマークは従来の「L」字ロゴから新たなレクサスロゴに変更しています。
グレード構成はパワーユニットで大きく分けられ、2.5リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッド車「NX350h」、2.4リッター直列4気筒ターボに新開発の高トルク対応型ダイレクトシフト8速ATを組み合わせた「NX350」、2.5リッター自然吸気エンジンにダイレクトシフト8速ATのガソリン車「NX250」。
そして今回レクサス車としては初の2.5リッター直列4気筒エンジン+モーターのPHEV「NX450h+」が設定されました。駆動方式もパワーユニット別に2WDと4WDを用意しており、さまざまなニーズに対応しています。
さらに、スポーティな「Fスポーツ」のラインナップも決定しており、内外装に専用パーツが装着され、よりスポーティに仕立てられています。
前述のとおり新型NXは日本で2021年秋ごろの発売を予定しており、今回は未発表な詳細なスペックなども同時期に明らかになります。
●ホンダ「ヴェゼル」
2013年に登場したホンダ初代「ヴェゼル」は、都会的なデザインとコンパクトなボディ、経済的かつ優れた走りによって、4度のSUV年間販売台数ナンバー1を獲得するヒット車でした。
そのコンセプトを受け継ぎながらも大きく進化を果たした2代目が、2021年4月に発売されました。
2代目ヴェゼルの外観は大きく傾斜させたリアハッチによってクーペスタイルをより強め、よりスポーティさと上質感を高めたデザインに一新。
ボディサイズは全長4330mm×全幅1790mm×全高1580-1590mmと前出の新型NXよりもひと回りコンパクトで、市街地の扱いやすさは文句ないでしょう。
また、ヘッドライトは薄くシャープな形状で、大型グリルにかわってボディ同色のルーバーグリルを装着したことから、斬新なフロントフェイスを形成しています。
パワーユニットは「フィット」のユニットをベースとした2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」と、新開発の1.5リッターガソリンの2種類を設定。なかでもe:HEVはバッテリーのセル数を増やし、モーター出力を上げることで、SUVにふさわしい力強い走りを実現しています。
グレード構成は、ガソリン車が1グレード、ハイブリッド車が3グレードをラインナップ。駆動方式は2WDと4WDが設定されます(e:HEV PLaYは2WDのみ)。
なおホンダによれば、2代目ヴェゼルは2021年3月15日の先行受注から約1か月で1万7000台を受注し、好調なセールスを記録しているといいます。
●トヨタ「ハリアー」
2020年6月にトヨタ4代目「ハリアー」が発売されました。歴代ハリアーはすべてセダンなどの乗用車系プラットフォームを使用したクロスオーバーSUVで、快適な乗り心地や高い走行性能、優れたスタイリングと相まって人気車種として代を重ねてきました。
これまでのコンセプトを受け継いだ4代目ハリアーは、薄くウイング状に広がるフロントグリルとヘッドライトの造形、サイドビューはリアハッチの寝かしたクーペスタイル、ワイド感を強調する横一文字のテールランプが融合して、歴代に共通するスタイリッシュSUVという面がさらにブラッシュアップされています。
4代目のボディサイズは全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mmと、グローバルなミドルクラスSUVでは標準的なサイズで、3代目からわずかに大きくなるに留まっており、乗り換えても違和感はないでしょう。
パワートレインは、2リッター直列4気筒ガソリンエンジンと、2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジン+2モーターシステムを組み合わせたハイブリッドモデルを設定。
なお、ガソリン車とハイブリッド車ともに2WDと4WDが設定され、4WDシステムはガソリン車が「ダイナミックトルクコントロール4WD」、ハイブリッド車が「E-Four」と機構が異なります。
また、先進安全技術も充実しており、歩行者(昼夜)や自転車運転者(昼間)を検知対象に加えたプリクラッシュセーフティ採用の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を装備。さらに、走行中の前後方向映像を録画可能な「デジタルインナーミラー」をトヨタとして初採用しました。
■最新の電動SUVと日本未発売のワイルド系モデルとは?
●日産「アリア」
日産の電動SUV「アリア」は2020年7月に世界初公開されましたが、2021年6月4日に限定車「アリアリミテッド」の発表に加え、同日に開設した予約サイトを通じてアリアの日本国内での予約注文が開始されました。
ボディはクーペスタイルを採用していますが、Aピラーからリアハッチまで緩やかにカーブするワンモーションフォルムが流麗かつ斬新です。
さらに、日産車に共通するフロントフェイスであるVモーションもこれまでにないほどシャープで、ピュアEVらしくグリルに開口部が無いフロントフェイスが特徴となっています。
グレード構成は66kWhバッテリー搭載車の「B6」に2WDとe-4ORCE(4WD)、91kWhバッテリー搭載車の「B9」に2WDとe-4ORCEの4グレードを展開。
もっともパワフルなバッテリー容量91kWh/4WDモデルでは、最高出力290kW(約394馬力)/最大トルク600Nmを発揮するなど、その走りには大いに期待できそうです。
なお航続可能距離は、バッテリー容量91kWh/2WDモデルで最大610km(WLTCモードを前提とした社内測定値)を達成しています。
また、アリアリミテッドでは、先進運転支援技術「プロパイロット 2.0」や「プロパイロット リモート パーキング」など、最新バージョンを標準装備。
ボディカラーは、アリアリミテッドでしか選択できない2色の限定2トーンを含む、全5色がラインナップされます。
アリアリミテッドは、2WD仕様が2021年冬に発売され、その他の仕様も順次販売を開始。日本以外の市場でも今後予約注文が開始される予定です。
●スバル「アウトバック ウィルダネス」
現在、国内市場ではスバルのクロスオーバーSUV「レガシィ アウトバック」の生産は終了していますが、北米では「アウトバック」の名で継続して新型が販売されており、さらに2021年3月には特別な仕様の「アウトバック ウィルダネス」が登場しました。
アウトバック ウィルダネスの外観は従来モデルをベースに、最低地上高が標準モデルの8.7インチ(約220mm)から9.5インチ(約240mm)まで高められており、前後バンパー、フロントグリル、大型化されたホイールアーチのプロテクター、フロントスキッドプレート、六角形のLEDフォグランプなど、専用のアイテムが装着され、SUVとしての実用性をアップさせつつワイルドさを演出。
内装ではブラックとグレーのダークトーンで全体をコーディネートしつつ、随所にイエローの差し色をあしらうことでアウトドアギアのイメージを強調しています。
エンジンは263馬力(米規格から仏馬力に換算)を発揮する2.4リッター水平対向4気筒直噴ターボを搭載し、トランスミッションはCVTの「リニアトロニック」のみとされ、駆動方式は当然ながらAWDですが標準モデルに対し極低速時のトラクション性能が強化されました。
オフロードでの走行性能を考慮して専用セッティングのサスペンションに加え、オールテレーンのオフロードタイヤを標準装備するなど、本格的なクロカン車に近い仕様といえます。
アウトバック ウィルダネスは、アメリカではすでに発売されていますが、残念ながら今のところ日本で販売される予定は無いようで、ぜひ、レガシィ アウトバックの復活と同時にアウトバック ウィルダネスの発売を期待したいところです。
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世界中で人気沸騰中のSUVですが、そのデザインは二極化が進んでいる印象があります。
ひとつは新型NXでも採用されるクーペフォルムで、もうひとつは直近で明らかになったトヨタ新型「ランドクルーザー」などのスクエアなフォルムです。
前者はスポーティな印象を強調し、後者はクロカン車であることを強調しており、今後もこのスタイルが主流となると予想され、ある意味キャラクターがわかりやすくなったといえるでしょう。