中国の一汽トヨタが2021年7月3日に予約を開始した新型「クラウンクルーガー」は、トヨタがグローバルに販売する「ハイランダー」の姉妹車に位置づけられるモデルです。また、ほかにも新型クラウンクルーガーと関係するトヨタのSUVがあるというのですが、いったいどんなモデルがあるのでしょうか。
■「RAV4」や「ハリアー」にも使われるGA-Kプラットフォームを採用
トヨタの中国における合弁会社の一汽トヨタは、2021年7月3日に中国で新型「クラウンクルーガー」の予約を開始しました。新型クラウンクルーガーは、トヨタがグローバルに販売するSUV「ハイランダー」をベースとしたモデルで、ハイランダーのほかにも、ベースが共通となるモデルや、プラットフォームが共通となるSUVがさまざまあります。
新型クラウンクルーガーと関係のあるSUVとして、いったいどんなモデルが存在するのでしょうか。
新型クラウンクルーガーは、一汽トヨタにおけるSUVラインナップのフラッグシップに位置づけられるモデルです。
クラウンは、日本ではセダンタイプが現在まで販売され続け、15代の歴史を持つ高級車として知られていますが、一汽トヨタは過去に中国仕様のクラウンを取り扱った経緯があり、今回の新型クラウンクルーガーの登場に至りました。
一汽トヨタは新型クラウンクルーガーについて、「7人乗り高級SUVの新たなベンチマークとなるモデルです」と説明します。
一方、前述の新型ハイランダーは、現行となる4代目モデルが2019年4月のニューヨークモーターショーで世界初公開されました。
3列シートを備えるSUVで、ボディサイズは全長4950mm×全幅1930mm×全高1730mm、ホイールベースは2850mm。プラットフォームはTNGA(Toyota New Global Architecture)プラットフォームのGA-Kを採用しています。
GA-Kプラットフォームを採用するSUVとしては、トヨタではハイランダーのほかに「RAV4」や「ハリアー」など、レクサスでは2021年6月に世界初公開された新型「NX」が存在。
またSUV以外ではセダンのトヨタ「カムリ」など、さまざまなモデルで採用される状況です。
新型ハイランダーはグローバルに販売されるモデルで、アメリカ市場ではガソリンモデルとハイブリッドモデルがそれぞれ設定されますが、ヨーロッパ市場ではハイブリッドモデルしか設定されないなど、仕向地による仕様の違いもあります。
トヨタは新型ハイランダーについて次のように説明しています。
「4代目となる新型ハイランダーにおいては、これまで好評を得てきた取り回しの良いボディサイズを維持しつつ、居住性や荷室空間を拡大。外観はよりSUVの力強さを表現し、内装はより上質感のある空間へと進化させました。
また、TNGAのプラットフォームやパワートレーンの採用により、快適性や安全性を含めた基本性能、燃費性能を一段と高めています」
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じつは、ハイランダーの初代モデルは日本とオーストラリアのみ「クルーガー」の車名で販売されていた経緯があり、2代目以降から海外専売車となったモデルです。
オーストラリアでは現在も「クルーガー」名で販売されており、4代目ハイランダーに相当する新型クルーガーが2021年6月2日に販売開始されています。
「SUV化したクラウン」といえる新型クラウンクルーガーに関して、日本では驚きの声も多く聞かれますが、じつはルーツをたどると、日本市場で馴染みのあるモデルでもあったことがわかります。