クルマのナンバープレートで通称「Yナンバー」と呼ばれるものがあります。主に在日米軍の車両に付いているようですが、「よ」や「T」というナンバーとはどのようなものなのでしょうか。
クルマのナンバープレートは、一般的に地名を表す「漢字」、車両の振り分けを表す「ひらがな」、3、4桁で表される「数字」で構成されています。
そんななか、車両の振り分け部分がアルファベットになっているクルマを見かけることがあります。あれにはどんな意味合いがあるのでしょうか。
公道を走るクルマのすべてに取り付けが義務化されているナンバープレートは、一般的に漢字やひらがな、数字などで構成されています。
それぞれ分類番号や地名の表示など意味合いがありますが、ナンバープレートの左下に記載のあるのは車両の振り分けとして一般的にひらがなが振られています。
そんななか、クルマによってアルファベットが用いられている場合があります。
見かけるのは「Y」のアルファベットが多い場合もありますが、これにはどういった意味合いがあるのでしょうか。
このYナンバーは、「駐留軍人軍属私有車両用等」が用いると定められており、駐日アメリカ軍の関係車両が主に用いているナンバーを指します。
Yのほかにも、「E」「H」「K」「M」「T」「よ」 があり、軽自動車の場合には、「A」「B」が用いられており、これらのアルファベットナンバーは、米軍基地のある地域で見られることが多いです。
では、Yナンバー以外にもさまざまなアルファベットがあるのにはどういった意味があるのでしょうか。
これについて、国土交通省の担当者は以下のように話しています。
「Yナンバーは米軍が使う私有車で、E/H/K/Mナンバーに関しては輸入された私有車、なかでもEナンバーについては免税のクルマになります。
これらは基本的に私有車に振り分けされており、公用車に関しては国交省の管轄外になりますが、日本のものではないナンバープレートが取り付けられています。
よナンバーは、米軍をやめて軍人の身分がなくなった人に取り付けがされます。
Tナンバーはめったにないのですが、道路交通条約の締約国ではないドイツなどのクルマが一時的に輸入されて、向こうの国へ返されるクルマにつけられます」
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ほとんどの場合、Yナンバー以外はあまり多く見かけないとされています。
それぞれの台数については、Yは6万台弱、軽自動車のABは9000台、E/H/K/Mは190台、よは19台、Tは0台となっています。(※2021年9月時点)
また、Yナンバーの由来について、「横浜に由来している」「横須賀に基地があることが関係している」など諸説のいわれがありますが、前述の担当者に聞いたところ「意味合いの把握はしておらず、条例で決められたものと聞いています」と話しています。
■ナンバープレートの数字や文字にはどういった意味合いがある?
一方で通常の一般車両に取り付けられるナンバープレートには、それぞれどういった意味合いがあるのでしょうか。
米軍関係車両のほかに使用されているひらがなでは、以下のような用途となっています。
●普通車
・自家用:さすせそ、たちつてと、なにぬねの、はひふほ、まみぬめも、やゆ、らりるろ
・レンタカー用:われ
・事業用:あいうえ、かきくけこ、を
●軽自動車
・自家用:あいうえ、かきくけこ、さすせそ、たちつてと、なにぬねの、はひふほ、まもむめも、やゆよ、わるろ、を
・事業用:りれ
・レンタカー用:わ
なお、「お、し、へ、ん」の4字は使用されておらず、「お」は「あ」と誤認されやすい、「し」は死が連想される、「へ」は屁が連想される、「ん」も発音しにくいといった理由があるようです。
また、品川や杉並など、漢字で書かれている部分は、運輸支局又はその自動車検査登録事務所を表示する文字で、地域によって異なります。
その横に書かれている数字は、自動車の種別による分類番号で以下のような番号が振られています。
●普通車
・貨物自動車:1、10-19、100-199
・乗合自動車:2、20-29、200-299
・乗用自動車:3、30-39、300-399
●小型車
・貨物自動車:4、6、40-49、60-69、400-499、600-699
・乗用自動車及び乗合自動車:57、50-59、70-79、500-599、700-799
・特殊用途自動車:8 8089 800899
・大型特殊自動車(建設機械を除く):9、90?99、900?999
・大型特殊自動車のうち建設機械に該当するもの:0、00-09、000-099
これに加え、2018年1月からはアルファベット入りの分類番号が導入されています。
大きく数字で書かれている一連指定番号は、1から99-99まで定められており、最近では希望ナンバー制度もあり自身で好きな数字を選ぶことも可能となっています。