スバルのフラッグシップSUV「レガシィアウトバック」の新型モデルが2021年10月7日に発表されました。6代目となる新型アウトバックは、どのように進化したのでしょうか。
■タフな外観に上質な内装を備えた新型アウトバック
スバルのフラッグシップSUV「レガシィ アウトバック」(以下、アウトバック)が7年ぶりにフルモデルチェンジし、2021年10月7日に新型モデルが国内発表されました。
アウトバックの元祖は、2代目「レガシィツーリングワゴン」に設定された「グランドワゴン」として登場(1995年)。2代目は「ランカスター」、3代目からは「アウトバック」として設定され、新型モデルは6代目になります。
アウトバックは新しいジャンルを切り開き、その後多くのメーカーが次々とSUVやクロスオーバーを誕生させるなど、同ジャンルの先駆けとなりました。
新型アウトバックは、ユーザーの人生に寄り添うクルマでありたいという思いを込め、高機能なアウトドアツールと上質なくつろぎ空間を融合。乗る人が出かけたくなる、新しいことを始めたくなるようなクルマを目指して開発されたといいます。
新型アウトバックは、新しいエンジン、新しいボディ、新しいアイサイトシステムなどを採用。新世代のアウトバックとして唯一無二の価値を高めています。
外観は、スバル共通のデザインフィロソフィー「DYNAMIC × SOLID」を新型アウトバックのキャラクターに適応させ、「アクティブ&タフ」というデザインコンセプトのもとに、スバルのフラッグシップSUVとして存在感を主張するたくましいスタイルとしました。
よりアクティブに使える「X-BREAK EX」と上級志向の「リミテッド EX」というふたつのグレードを設定。
X-BREAK EXはラスターブラックのフロントグリルやダークメタリックの18インチアルミホイール、ルーフレールなどでアクティブさを強調、リミテッド EXはメッキ加飾のフロントグリルや切削光輝の18インチアルミホイールなど、高級感のある仕立てが特徴となります。
内装は、これまでのスバル車のクオリティを超えた高品質な室内空間を実現しました。
アクティブに使えるX-BREAK EXには撥水シートをアウトバック初採用するなど、タフな仕様に耐えるアイテムを装備。リミテッド EXには柔らかなナッパレザーをオプション設定し(アウトバック初)、スバル最高の上質感を表現しています。
さらに、11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイや12.3インチのフル液晶メーターなど、SUBARUデジタルコクピットを標準装備。また、ハーマンカードン製のプレミアムスピーカーをオプション設定するなど、高級感にこだわっています。
新型アウトバックは室内の前後長を伸ばし、より快適な室内、より広い後席の前のスペースを実現。荷室も奥行きと幅を広げてスバル最大級の広さを確保し、ゆとりある空間としました。
また、荷室スペースを有効に活用するための装備も追加。スバルエンブレムに手をかざすことでリアゲートを開けることができる「ハンズフリーオープンパワーリヤゲート」や、ワンタッチでポップアップするトノカバーを採用し、手がふさがっていても使いやすい荷室を提供します。
なお、最小回転半径(5.5m)やミラーtoミラーの寸法は従来モデルから変えず、取り回しの良さはキープしているのも新型アウトバックの特徴です。
■中低速で高トルクを発揮する1.8リッターターボ搭載
新型アウトバックのパワーユニットとして、2020年にフルモデルチェンジした「レヴォーグ」で定評のある、1.8リッター直噴ターボエンジン(177馬力)を搭載しました。
日常での使いやすさを重視し、1600回転という低回転から300Nmという高いトルクを発生。気持ちの良い加速感と走りの愉しさ、環境性能を高次元で両立しています。
燃費性能もこのクラスとしてはトップレベルのWLTCモード13.0km/Lを達成しました。
プラットフォームも全面刷新され、「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」とフルインナーフレーム構造を採用することで高いボディ剛性を実現。乗り心地が良く、走り始めた瞬間からスムーズに動き出すことを体感できるといいます。
さらに、ステアリングを切った瞬間にクルマが動き始めるリニアな回頭性を実現。高速域での直進性や静粛性能が大幅に向上しました。
駆動方式は全車AWD、悪路走破性を高める「X-MODE」も備わり、路面状況に応じた走行モードはX-BREAK EXが2モード、リミテッド EXが1モードを備えています。
また、安全性能では、「新世代アイサイト」および3D高精度地図データを採用した高度運転支援システム「アイサイトX」を全車標準装備。
なかでもアイサイトXは、一定の条件を満たした自動車専用道路において、安心で快適な運転を支援する仕組みです。
渋滞時(0km/hから約50km/h)に手放し運転を可能とする「渋滞時ハンズオフアシスト」や、停止状態からスイッチ操作をすることなく発進する「渋滞時発進アシスト」、進入するカーブに合わせて適切な速度に制御する「カーブ前速度制御」、料金所の手前で、ETCゲートを安全に通過できる速度まで減速し、通過後はセット車速まで加速する「料金所前速度制御」などを備えました。
さらに、自動車専用道路での高速走行時(約70km/hから約120km/h)に、ドライバーが方向指示器を操作するとステアリングを制御して車線変更のアシストをおこなう「アクティブレーンチェンジアシスト」や、ドライバーに異常が発生したと判断されたときに減速・停止し、ハザードランプやホーンで周囲に知らせる「ドライバー異常時対応システム」も搭載されます。
加えて、アウトバック初なる「ドライバーモニタリングシステム」を搭載。センターインフォメーションディスプレイのバイザー部に設置した専用カメラで、ドライバーを常に見守り、わき見や居眠りを推定した場合に、警告表示とブザーでドライバーに注意喚起をおこない、安全運転をサポートします。
この機能によって、アイサイトXを使ったドライブ中も目線を外した状態(アイズオフ運転)を防ぎ、ドライバーが主体となる運転を促します。
また、全方位から安全性能を磨き上げてきたスバルの総合安全性能に、コネクティッド技術によるつながる安全を加えました。
万が一の事故の被害を最小限に抑える衝突安全性能も進化。自車だけでなく、相手車両の被害軽減も考慮した衝突安全ボディの採用や、衝突を検知してブレーキを制御し一定速度まで減速および自車が対向車線にはみ出さないようにサポーすることで多重事故などの2次被害の抑制を図る「ポストコリジョンブレーキコントロール」を装備しています。
さらに、乗員を守る8つのエアバックに加え、歩行者への衝撃を緩和する歩行者保護エアバックを搭載しました。
新型アウトバックの開発を担当した村田誠氏は、新型アウトバックについて次のようにコメントしています。
「レガシィアウトバックは、スバルの哲学と技術の集大成としてレガシィの血統を引き継いだモデルで、世界中のお客さまから愛される存在へと成長しました。
また、米国を中心に販売台数を年々伸長させ、スバルを支える主力商品となります。
今回発表する日本向けの新型レガシィアウトバックは、日本のお客さまの意向を踏まえ、革新的な進化を遂げたアイサイトXや、走りの愉しさと環境性能を兼ね備えた1.8リッター直噴ターボエンジンなどスバルの技術を採用し、新しいアウトバックの唯一無二の価値を高めています」
新型アウトバックの価格(消費税込)は、X-BREAK EXが414万7000円、リミテッド EXが429万円です。
なお、初年度計画台数は月間1200台を目標としています。
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●スバル 新型レガシィアウトバック(カッコ内は従来モデル比)
・全長:4870mm(+50mm)
・全幅:1875mm(+25mm)
・全高:1670mm(+10mm)
・ホイールベース:2745mm
・最低地上高:213mm(+13mm)
・エンジン:1.8リッター水平対向4気筒直噴ターボ
・変速機:リニアトロニックCVT
・最高出力:177馬力/5200rpm-5600rpm
・最大トルク:300Nm/1600rpm-3600rpm
・グレード:「X-BREAK EX」「リミテッド EX」の2グレード展開