2021年4月、ホンダの三部敏宏社長は「脱エンジン」と受け止れる発表をおこないました。そうしたなかで、EVでも「タイプR」のようなホンダならではのワクワクするクルマを開発中と明らかにしました。
■三部社長が語る今後のホンダとは
トヨタは、「トヨタイムズ」というオウンドメディアに注力しているのは御存知だと思う。
けっこうな予算を投じており、普通のメディアが取り上げないような情報を発信してます。
トヨタに続け、ということなんだろう。ホンダも「ホンダストーリー」というオウンドメディアを立ち上げている。
そうしたなかで、2021年10月15日に公開されたのは三部社長のインタビューです。
最初に内容を読んだ印象を書くと、やはり内部の人が聞く質問とあって、自民党議員の首相に対する筆問と同じ雰囲気。
突っ込まないし、質問に対する明確な回答も無し。正直なところ、読んでいてすぐ飽きちゃいます。
ただガマンして読むと、ホンダがどう考えているのか、何となく解ってくる。以下、記事の引用しながら推測してみました。
まず インタビュアーは、「EVでも『タイプR』のようなホンダならではのワクワクするクルマを期待している。どうか?」と聞いている。
それに対し三部社長は「もちろんです。次の時代にも“クルマを買う”ではなく“ホンダを買う”と思ってもらえるように着実に研究開発中です」。
う~ん。大ざっぱすぎて具体的なイメージが沸いてきません。
続けて、「最近でいうと、『レジェンド』や『オデッセイ』、『NSX』など “やめてしまうこと”が先行してしまった。
今のラインアップから繋げてお伝えできればよかったのですが、新しいクルマについてはもう少しお待ちいただければと。
必ずそう遠くないうちにホンダらしいクルマを出します。スポーツカーも手の届きやすい価格帯含めて複数の選択肢を考えている」
最近のホンダを見ていると英国工場やF1に代表される「撤退」とか、ホンダにとって主力となるモデルの生産中止に代表される後ろ向きのニュースしかない。
それを三部社長はネガティブなイメージだと認識しており、問題意識を持っているということだと思う。
ただ残念ながら、具体的な方向性やスケジュール感はまったく出ておらず。残念です。
■フラッグシップはセダンでなくても良い?
さらに三部社長はこう続けている。
「新しい技術というのは、最初はどうしてもコストが高くなってしまうので、それを投入できるフラッグシップを持っていなければ、普及・拡大という夢の実現が難しくなってしまう。
レジェンドのようなセダンかどうかは別として、次世代のホンダのフラッグシップは必要だと思っています。必ずやりますよ」
せっかく開発した自動運転レベル3搭載のレジェンドを、わずか100台で止めてしまうことに対する回答なんだろう。
実際、安価なクルマにレベル3を搭載しても買う人がいない。
商品として成り立たないことを意味します。当面の車種ラインナップを想定しても、レジェンドの後継モデルは無いようだ。アメリカか中国で作る電気自動車がそれに該当するのか。
以上、具体的な内容一切無い。かろうじて2022年には「シビックタイプR」は導入されるがどうなるか。
もしそれ以外の手頃な価格帯のスポーツモデルが存在するのなら、今からどのクラス&価格感を紹介してもいいと思う。
また、現時点でホンダにそういった車種が存在しないため、買い控えされる心配ないですから。
むしろ現在販売しているライバル車に流れてしまうユーザー達を引き留める効果だってあります。
ということを考えると、三部社長の構想にあるだけで具体的な開発は進んでいないということなんだろう。
今回出ている内容の大半が同じ流れだと思う。「三部社長は考えているけれど具体的な開発着手はしていない」です。
新車の開発には時間掛かる。3年くらいは現在進められているモデルラインナップのままということかもしれません。