巷では、海外のナンバープレートの上に日本のナンバープレートを付けている人がいます。こうした取り付け方法は問題ないのでしょうか。
■海外のナンバープレートに日本のナンバープレートを重ね付け これって違法性あり?
日本を含むほとんどの国々では、公道を走行する際クルマにナンバープレートを設置することが義務づけられています。
一方で、日本では海外のナンバープレート(ダミーの場合もあり)のうえに日本のナンバープレートを重ねて付けている人も見られますが、このような表示方法は問題ないのでしょうか。
日本の場合、道路交通法第19条において国土交通省で定める「取付位置や方法」や「被覆しないこと」、「記載される番号などの識別に支障が生じないもの」というようなことが記されています。
日本のナンバープレートは、「地名」「ひらがな」とともに、3桁の「分類番号」と4桁の「一連指定番号」の4つで構成されています。
この4つの組み合わせはクルマ1台ごとにそれぞれ異なり、車体番号と合わせて照会することで、クルマが国に登録されたことを証明することができます。
一方で、日本のナンバープレートのデザインを好まないなどの理由で、海外のナンバープレートに日本のナンバープレートを重ねて設置している人も見られます。
例えば、欧州などの輸入車オーナーが、現地の横長のナンバープレートを装着し、その上に日本のナンバープレートを重ねている人が多いようです。
では、このように取り付け方法は問題ないのでしょうか。
国土交通省の自動車情報課の担当者は「海外のナンバープレートの上に、日本のナンバープレートを重ねること自体に違法性はありません」と話します。
一方で、装着しているナンバープレートの状況によっては、違法にあたる可能性もあるようです。
前出の国土交通省担当者は、次のように説明しています。
「2021年10月以降に登録などを受けるクルマに対して新基準が適用になったことで、以前に増して審査がより一層厳密なものになりました。
ナンバープレートの規定を遵守して、日本のナンバープレートを誤認する恐れがないものであれば、海外のナンバープレートをその下に装着していても問題はありませんが、そうでなければ違法となる可能性もあります」
ナンバープレートは、大前提として「自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして国土交通省令で定める方法により表示」する必要があります。
つまり、海外のナンバープレートはあくまでもデザインの一部として認識し、日本のナンバープレートはその上からしっかりと視認性を保てるように装着していれば問題ないといえますが、そうでない場合は違法行為となる可能性があるようです。
■10月から新車適用されるナンバープレートの基準とは
ナンバープレートの表示や取り付けについては、「カバーなどで被覆すること」「シール等を貼り付けること」「汚れた状態とすること」「回転させて表示すること」「折り返すこと」などが明確に禁止されています。
例えば、ナンバープレートの周りにフレームを装着すること自体は可能ですが、フレームが番号に干渉し、少しでも数字が隠れてしまうと基準を満たしていないことになります。
また、カバーなどは、無色透明であっても角度によって視認性が確保できない可能性があるため禁止とされています。
このように規定はさまざまありますが、一番重要なポイントとなるのはナンバープレートの番号が識別できるように見えやすく設置することです。
新基準は2021年10月1日以降に初めて登録・検査・使用の届出などを受けるクルマに対しては、設置の角度やフレームの幅なども数値的に規定が設けられており、ナンバープレートの視認性がより重視されるようになっています。
ただし、それ以前に登録・検査・使用の届出をおこなったクルマには、新基準は適用されません。
具体的な部分で以前のフレームに関するもので「番号を被覆せず、自動車の運行中番号の判読ができるもの」とされていましたが、今回の新基準によって「左右幅18.5mm以下、厚みも30mm以下」とより厳密に決められました。
さらに設置の角度についても、「自動車の運行中番号の判読できる見やすい角度」となっていましたが、「上向きに10度から下向きに10度」など、一定の角度基準が設けられています。
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海外のナンバープレートの上に、日本のナンバープレートを重ねて装着すること自体は違法ではありませんが、視認性には十分に配慮する必要があるようです。