トヨタは、2021年11月9日に新型「bZ4X(プロトタイプ)」の実車を日本でお披露目しました。新たなEVブランドの第一弾となる新型bZ4Xにはどのような特徴があるのでしょうか。
■トヨタ新型「bZ4X(プロトタイプ)」の実車を日本でお披露目!
トヨタは、新たなEVブランドとなる「bZシリーズ」の第1弾となる新型SUV「bZ4X(プロトタイプ)」を日本でお披露目しました。
トヨタとスバルが共同開発した新型bZ4Xにはどのような特徴があるのでしょうか。
新型bZ4Xは、2021年4月に中国の「上海モーターショー2021」で世界初公開されたモデルです。
スバルと共同開発したEV専用プラットフォーム「e-TNGA」(スバルではe-SUBARU Global Platform)を採用しています。
e-TNGAを採用することで、ショートオーバーハング・ロングホイールベース化となり特徴的なスタイリングと、トヨタ「RAV4」並の室内空間を実現しました。
ボディサイズは、全長4690mm×全幅1860mm×全高1650mm(アンテナ含む)×ホイールベース2850mm、最小回転半径5.7m。
デザインは、従来のクルマに採用されるラジエータを象徴したセンター強調のテーマと異なる空力アイテムをフロントコーナー部分に採用したほか、上下に薄いバンパー形状を設けることでよりEVの独自性を表現しています。
リアでは、コンビネーションランプ、バックドア、バンパーをタイヤへ向かう台形のテーマとし、低重心で力強いスタンスを実現。
さらに、ルーフ後端にはうさぎの耳のような2本のスポイラーやトランクスポイラーを採用することで、空力性能を大きく向上させています。
インテリアは、従来のクルマと異なるハンドル上方にメーターを配置する「トップマウントメーター」を採用したことで、開放感や視認性が向上。
一方でインパネ中央に位置するディスプレイオーディオは従来のクルマよりも手前側に配置され、ドライビングポジションを変えること無く操作が可能です。
また、新型bZ4Xでは2種類のハンドル形状をラインナップ。斬新な形状のハンドルともいえるトヨタ初となる「ワンモーショングリップ」は、ハンドルとタイヤの間にメカニカルな結合のない構造の「ステアバイワイヤシステム」と組み合わせて採用されました。
今回、お披露目された新型bZ4Xのハンドルは従来の丸形ではあったものの、前述のメーター配置などの影響もあり、従来のクルマとは異なる印象を受けます。
2種類のハンドル形状をラインナップする意図について、新型bZ4Xの担当エンジニアは次のように説明しています。
「ステアバイワイヤシステムとの組み合わせ以外で異形ハンドルを採用しない理由として、トヨタでは使用性や操縦性などを考慮すると、現状ではこのセットが望ましいという考えがあるためです。
また、丸形ハンドルに慣れている人もいますので、それぞれの仕様を導入します。
ステアバイワイヤシステムは、まず中国市場向けとして導入し、その後はその他市場向けに展開していきます。2022年の発売以降に順次装着車を設定し、基本的には同じ市場にふたつのステアリングを設定します」
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このように、異なる形状やシステムのハンドルをラインナップする新型bZ4Xですが、日本仕様ではどのような形で導入されるのでしょうか。
前出とは別のエンジニアは「それぞれの導入タイミングは現時点ではお伝え出来ませんが、グレード別での設定となり、上級グレードではステアバイワイヤ方式が採用されます」と説明していました。
■新型bZ4Xのソーラーパネルはオプション設定?
新型bZ4Xでは、低重心化、高剛性化を推進するため、薄型大容量電池パックを床下・平置きで配置しています。
モーター、トランスアクスル、インバーターを一体化した「e-Axle」や、充電機能と電力分配機能を集約した「Electricity Supply Unit(ESU)」をトヨタとして初めて採用しました。
また、新型bZ4Xは、走行時の省エネ性能向上と実用上の航続距離を確保するため、ヒートポンプ式エアコンをはじめシートヒーター、ステアリングヒーター、前席乗員足元の輻射ヒーターを採用して、消費電力の軽減を図っています。
そのほか、ルーフ上に「ルーフソーラーパネル」を設定したことで、1年間で走行距離1800km(社内試算値)に相当する発電量を生成し、優れた航続可能距離に貢献するといい、前出のエンジニアは次のように説明しています。
「新型bZ4Xでは、プリウスPHVでも採用していたようにソーラーパネルを設定しています。
年間で1800kmと1日あたりではあまり実感は出来ませんが、災害時など緊急時でも太陽光による充電が可能です。
また、ソーラーパネルはオプションで設定の有無を選べるように検討しています」
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今回、お披露目されたものはあくまでもプロトタイプですが、2022年年央の販売までに、今後どのような続報が出てくるのかにも期待が高まります。