一般的に信号機といえば「青・黄・赤」や「緑色の矢印」が点灯するイメージを持つ人が多いかもしれません。そんななか、一部の地域では「黄色の矢印」や「赤いバツ印」が存在します。どういった意味があるのでしょうか。
■馴染みのないドライバーも意外と多い「黄色矢印」の信号機
街中で見かける「信号機」といえば「青・黄・赤」や、右折や左折を促す緑色の「矢印信号」が一般的です。
しかし、一部の地域では、「黄色の矢印」や「赤いバツ印」が存在するといいますが、どのような意味があるのでしょうか。
信号機は、円滑な交通を図るために設けられており、クルマやバイク、歩行者、自転車などほとんどのユーザーに関係したものです。
そうしたなかで、一部の地域で見かける「黄色矢印」の信号機は、クルマではなく路面電車専用のものです。
路面電車に対して矢印の方向に進行できることを表しており、それ以外の車両や歩行者は、この黄色矢印に従って通行することはできません。
黄色矢印信号は、東京都北区や広島県広島市の、鹿児島県鹿児島市などの交差点など路面電車が走っている地域で見られます。
かつては、神奈川県横浜市の「横浜市電」や京都府京都市の「京都市電」など、大きな都市でも発達し、多くの人の交通手段となっていました。
しかし、全盛期とされる1930年代に比べると現在では数が減っており、それにともなって黄色矢印信号も少なくなっています。
黄色矢印信号機の意味については教習所でも習うですが、SNSでは「意味を聞かれたけどわからなかった…」「教習所で習ったけど忘れてしまった」といった声も見受けられます。
黄色矢印の信号機は、現在でも路面電車が運行されている地域に在住している人は当たり前に目にするものですが、一方で、そうではない地域では一度も目にしたことがないという人も少なくありません。
実際に黄色矢印信号が設置される、広島県広島市を管轄する広島県警担当者は次のように話しています。
「広島市では中区・西区・南区の市街地に設置されており、基本的に市民の皆様は意味を理解しています。
一方で、馴染みのない地域から来た人は意味がわかっていない場合もあり、過去に問い合わせがあったという事例も見られます」
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黄色矢印の信号機は、路面電車専用であることをしっかりと理解し、旅行などで黄色矢印信号に遭遇した際も、適切な対応をできるようにしておいたほうが良いかもしれません。
■黄色矢印信号の近くには「赤いバツ印」も?
黄色矢印信号機の付近では、「赤いバツ印」の信号機も設置されていることがあります。
この赤いバツ印信号機は単体で設置されていることもあれば、「青・黄・赤」信号機の下に設置されている場合も見られます。
黄色矢印信号機同様に、赤いバツ印信号機は路面電車専用のものとなっており、路面電車に対して「停止」を意味しています。
もし、この信号機が「青・黄・赤」信号機の下に設置されていた場合でも、路面電車以外は赤いバツ印に従う必要はありません。
一方で、この赤いバツ印信号機は黄色矢印信号機よりも設置が少なく、認知度も低いようです。
実際に赤いバツ印信号機が設置されている地域では、レンタカーなどがクルマの停止を意味していると履き違えて、渋滞をおこしてしまうという事例も見られます。
SNSを見ても、「旅行先で初めて見た!」「初めて見た信号機…どういう意味?」という人が多く、馴染みのない人にとってはなかなか意味がわかりにくいものであることがうかがえます。
赤いバツ印信号機は、教習所で習うものですが、何年も目にしていないと意味が頭から抜け落ちてしまうのかもしれません。
運転者の必須知識であることはもちろん、自身が運転時に困らず、安全かつ円滑な交通を実現するためにも、意味を正しく理解しておくようにしましょう。