フロントガラスが汚れてしまったときなどに、さっと使えるウォッシャー液。このウォッシャー液は、カー用品店ですぐに購入できるものですが、水道水などで代用することはできないのでしょうか。
■ウォッシャー液にはさまざまな成分が! 水が推奨できない理由とは
フロントガラスに鳥のフンや虫といった汚れがべったりと付いてしまったとき、ワイパーとあわせてウォッシャー液を活用する人が多いでしょう。
ウォッシャー液は、カー用品店などで販売しており、誰でも簡単に購入できますが、それ以上に簡単に調達できる水道水などで代用することはできないのでしょうか。
オートバックスの広報担当者は、ウォッシャー液の代用について、以下のように説明します。
「物理的に考えると、一時的に応急処置として水道水などを利用することは可能です。
ただし、ウォッシャー液は単にフロントガラスをきれいにするだけではなく、洗浄のほか凍結防止の成分などが含まれているものもあるため、ほかのものでの代用は推奨できません」
ウォッシャー液には、ガラスの汚れを落とす洗浄成分のほかに、凍結防止・撥水・油膜取り・解氷など有効な、さまざまな成分が含まれています。
例えば北海道や東北といった冬の冷え込みが厳しい地域では、水道管の凍結などがよく見られます。
ウォッシャー液のタンクに水道水を入れた場合も、冬場は凍結する可能性があり、利用しようとした際に目詰まりやウォッシャー機能の故障を誘発する恐れがあります。
さらに、販売されているもののなかには解氷成分が含まれているものもあり、前述のような厳冬地などでは、フロントガラスの凍結の解氷にも活用できます。
また、撥水や油膜取りなど、ウォッシャー液は洗浄成分以外にも、ガラスをコーティングする役割を持っており、担当者が話すとおり、その機能は多岐にわたるといえます。
また、水道水などは時間が経つにつれて腐敗する恐れもありますが、ウォッシャー液はそもそもがアルコール(メタノール)と界面活性剤に防腐剤が含まれているため、タンク内にカビが発生する可能性も極めて低くなっています。
ウォッシャー液は、カー用品店だけでなく、通販サイトでも購入でき、一般的には2リットルでも1000円以下となっています。
このように、水道水などを入れるリスクやウォッシャー液の働きを考えると、自身の求める機能を持つウォッシャー液を買って適切に使用するのがベストでしょう。
■ウォッシャー液は自車に必要な効果のものを! 交換時の注意
前述したように、ウォッシャー液にはさまざまな効果がありますが、液の詰め替えや継ぎ足しの際には、どのようなことに注意するべきでしょうか。
神奈川県内のガソリンスタンド店員は、ウォッシャー液の継ぎ足しなどについて、「違う種類を入れるときは、タンク内を一度空にするのが最適です」と話します。
同じウォッシャー液を継ぎ足す際には、入れすぎてタンクから漏れてしまわないように気を付ければとくに問題はありません。
一方で、いままで使っていたものと違う種類の液剤を入れる際には、違う成分同士が混ざり合うことで、液が凝固してしまう可能性があります。そのため、ウォッシャー液を一度抜いてタンクを空にしてしまうのが良いでしょう。
タンクが取り外せる仕様のものであれば、タンクごと取り外して水で洗い、ある程度水分を拭き取ってから新しいウォッシャー液を入れるようにしましょう。
タンクが取り外せないものについては、残量が少なければそのままウォッシャーの機能を使って、使い切ってしまっても良いかもしれません。
もし、まだ残量がある場合は、灯油用のポンプなどを活用して中身を吸い上げてしまう方法があります。
このとき、タンクに水道水を入れて、吸い出してを繰り返すことで、タンク内を一度洗浄することもできます。
ウォッシャー機能を正常に利用するためにも、液剤を違うものに変える場合は、一度このような手順を踏むことが重要になります。
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ちなみに、ガソリンスタンドのなかには、ウォッシャー液を継ぎ足してくれる販売店もあります。
前出のガソリンスタンドスタッフは「当店では無料でお入れできますが、種類を選んだり、タンク内の洗浄をしたりということは承っていません」といいます。
なお、料金の有無は販売店により異なりますが、ウォッシャー液の入れ方が分からない場合や交換が不安な場合は、ガソリンスタンドやカー用品店に相談してみるのも良いかもしれません。