トヨタ「ランドクルーザー」といえば長い歴史があります。そのなかでも人気の高いランクル40系が1500万円で販売されているといいますが、どのようなワケがあるのでしょうか。
■イマでも根強い人気を誇る「ランクル40」とは
新型モデルの話題が絶えないトヨタ「ランドクルーザー」ですが、アメリカの販売店では、極上コンディションの40系が約1500万円というプレミア価格で販売されています。
2021年8月に新型モデルが発売されて以降、グレードによっては2年を超えるという納期や、購入時に輸出防止などを目的とした「誓約書」の提出が求められるなど、異例づくめの事態となっているランドクルーザー。
これほどまでに人気が出る背景には、過去70年以上にわたって築き上げてきた、ランドクルーザーの歴史があることはいうまでもないでしょう。
初代ランドクルーザーが登場したのは1951年。現在までもっとも長く同じ名前を継続している車種のひとつであり、トヨタはもちろん日本を代表するクルマです。
すべての世代のランドクルーザーに共通しているのは、「陸の巡洋艦」の名が表すとおりの、どんな道でも走り抜けてしまうほどの悪路走破性能と、世界トップクラスの信頼性です。
現在では乗用車としてのニーズも想定されていることから、高級感や日常における機能性も重視されるようになっていますが、それでもランドクルーザーの本質は、「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」というトヨタの言葉に集約されているといえるでしょう。
そんなランドクルーザーの名を世界に広めたのは、1960年に発売された40系です。
それまでのランドクルーザーがおもに軍用用途に特化していたのに対し、40系では乗用車としての機能性をとりいれたことで、北米市場などで爆発的にヒットすることになります。
1974年にはディーゼルエンジン仕様が追加されるなど、24年にもおよぶ販売期間のなかで、さまざまなバリエーションがあるのも40系の魅力です。
さらに、2006年に北米で発売される「FJクルーザー」にもそのスタイリングがオマージュされており、そのアイコニックなデザインも特徴のひとつとなっています。
■ランクル40系が約1500万円で販売されるワケ
現在のランドクルーザー人気の基礎を築いたといえる40系ですが、現在でも国内外に多くのファンを抱えており、きれいにレストアされた個体は1000万円を超える価格で取引される例もあるようです。
そんな40系ですが、ついに1500万円近い価格で販売されている個体が登場しています。
その40系が販売されているのは、アメリカのノースカロライナ州最大の都市であるシャーロットの中古車販売店「RK Motors」です。
販売店によると、2021年11月27日現在では12万9900ドル(約1470万円)のプライスタグが付けられている40系は、1983年式にもかかわらず、走行距離はわずか3821kmという極上の個体です。
アメリカ国内でも有数のランドクルーザー愛好家によって仕上げられた1台で、「ポルシェベネチアンブルー」のエクステリアカラーとベージュのキャンバスルーフの組み合わせや、ブラウンのインテリアが往年のイメージをほうふつとさせます。
一方、快適装備や安全装備は現代的なものに補強されており、エアコンやパワーステアリング、アップグレードされたシートベルトが備わるほか、Bluetooth対応オーディオも装備されています。
この40系は、2019年にコロンビアからアメリカへと輸入されたものとのことですが、それ以前のヒストリーも明確で、1983年に日本から輸出されて以来、2019年までコロンビアにあったようです。
販売店が「地球上で最も素晴らしいランドクルーザーの1つ」とアピールするように、この40系は現存するものの中でもトップクラスのコンディションを誇っているといえそうです。
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このように、愛好家の多い40系ですが、実際に所有するとなるとメンテンナンスなどが課題となるのが悩ましいところです。
そんななか。新型ランドクルーザーの発売と同じタイミングで、2022年をめどに40系の部品の再販をすることがトヨタから発表しました。
クラシックランドクルーザーの愛好家にとっては、これ以上ないほどの朗報といえるでしょう。