トヨタ「カローラクロス」はカローラシリーズ初のSUVとして登場しました。果たして人気グレードを購入するにどれくらいの年収があれば理想的なのでしょうか。
■トヨタの新星「カローラクロス」 購入時にかかる費用は?
2021年9月14日に日本で発売されたトヨタ「カローラクロス」。セダンやクーペに加え、ワゴンなど、あらゆるモデルをラインナップしてきたカローラシリーズ初のSUVとして登場しました。
そんなカローラクロスを購入するのにはどれほどの金額が掛かるのでしょうか。
今回は、トヨタのホームページにおいて、1番人気とされている「HYBRID Z(E-Four)」グレード(319万9000円)をベースに初期費用を算出していきます。
ボディカラーには1番人気の「アティチュードブラックマイカ」、インテリアカラーには「本革+ファブリック/ブラック」を選択します。どちらも追加料金はかかりません。
続いて、販売店オプションとして、「フロアマット(デラックスタイプ)(2万900円)」と、「エントリーナビキット(7万400円)」「ETC2.0ユニット(ビルトイン) ボイスタイプ(3万800円)」を追加します。
ここまでの車両本体価格319万9000円と、オプションの12万2100円を合計すると、金額は332万1100円です。
12月の購入を想定すると、2021年5月1日から2023年4月30までに新車登録がおこなわれた排出ガスおよび燃費の基準値をクリアしているモデルは、自動車税環境性能割と車両重量税が100%軽減されます。
そのため、税金としては自動車税種別割9000円と自賠責保険料2万7770円のふたつを加算。
さらに、購入時の諸費用として6万2440円が必要です(保証がつくしプランやメンテナンスパックは未加入)。
前述の価格332万1100円に税金・諸費用の9万6210円を合計すると、HYBRID Zグレード(E-Four)の購入には、最低でも341万7310円が必要ということになります。
■341万円のカローラクロス、購入には年収700万円以上は必須?
では、およそ341万円のカローラクロスですが、年収としてはいくらが求められるのでしょうか。
一般的にいわれることの多い「クルマの価格は年収の50%」と基準とすれば、680万円以上は必要です。
しかし、国税庁が公表する2021年の「民間給与実態統計調査」によると、平均給与がもっとも高い、勤続年数30年から34年の層での男女平均年収は662万円となっています。
この層では、男性の平均年収が743万円となっているため、年収680万円は現実的に達せないものではなく、カローラクロスを購入できる人は少なくないことがうかがえます。
一方で、平均年収は年齢とともに増加傾向にあるため、若い世代にはカローラクロスの購入が難しいとも捉えられます。
では、ローンを利用して購入した場合ではどうでしょうか。
実質年率7.8%の頭金なしで計算すると、36回払いでは10万3700円、60回払いでは6万7000円を月々支払うことになります。
例えば、月収の手取り20%をクルマの費用に充てられると考えると、36回払いでは月収およそ52万円、60回払いでは月収およそ35万円が求められます。
これを年収に置き換えると、36回払いの人は約640万円、60回払いの人は約435万円の年収がボーダーラインとなるでしょう。
さらに、新車購入の方法としては残価設定型ローンも選択肢として考えられます。
実質年率5.8%の頭金なしを想定すると、月々の支払いは36回払いで5万9000円、60回払いで4万7500円です。
前述のローン同様に、最低限の月収を算出すると、36回払いでは約30万円、60回払いでは約25万円となります。
また、それにともなって年収は36回払いで約380万円、60回払いで約320万円が必要です。
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前出の国税庁の調査では、勤続年数1年から4年の人の平均年収は315万円となっており、60回払いの残価設定ローンを利用すれば、購入も不可能ではありません。
例えば新卒の社会人など、まだ年収がさほど高くない場合では、ガソリン代や駐車場代などを考慮すると、残価設定ローンを利用してクルマを購入するのが良いかもしれません。