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スバル「XV」は都会派だけど悪路もイケる!? 誕生10周年を迎えたクロスオーバーSUVの魅力とは

くるまのニュース 2021年12月24日 18時10分

2021年12月にスバル「XV」の一部改良がおこなわれるとともに、10周年記念の特別仕様車が設定されます。そこで、現行モデルの魅力を改めてチェックしてみました。

■生誕10年を迎えた「スバル XV」

 スバルのクロスオーバーSUV3兄弟の末っ子となる「XV」の一部改良モデル(F型)が2021年12月16日に発表されました。

 その内容は「ファブリックシート&シートヒーター」の組み合わせが選択可能になったことと、1.6リッターエンジン搭載車に「サファイアブルーパール」が新規設定されたこと、そして、(スバルXVとして)発売10周年を記念した特別仕様車「アドバンス スタイルエディション」の追加です。

 ちなみにXVの遠いご先祖さまといえば、1995年に初代「インプレッサ スポーツワゴンWRX」をベースにした「グラベルEX」です。

 コンセプトは悪くなかったものの時期尚早で、生産台数は僅か1313台という結果に終わったのですが、時を超えてXVがスバルのビジネスに大きく貢献する強力な武器となるとは、当時の企画担当者も驚きでしょう。

 そこで今回は改めてXVの魅力について紹介していきます。

 先代モデルはインプレッサの販売が伸び悩む欧州や中国からリクエストを受けて開発されたといいますが、蓋を開けるとクロスオーバーSUVブームも相まって世界的にヒット。

 XVはベースとなった「インプレッサ」を超える販売台数を記録して、ニッチモデルから基幹モデルへと一気に昇格し、現行モデルは「インプレッサありきのXV」ではなく「XVありきのインプレッサ」として開発されました。

 200mmの最低地上高を確保しつつ、外観はボディの下回りをカバーするクラッディング処理、さらには専用のグリル/バンパーなどにより、XVはSUVらしい力強さと安定感を演出しています。

 よくいえばプレーン、悪くいえば無機質なインプレッサに対して、XVは“華”があるデザインです。

 もともと、スバルは時代に左右されない「ロングライフデザイン」が特徴としており、XVはモデルライフ後半のモデルですが、最新のライバルと比べても負けていないと思います。

 内装は、外観ほどインプレッサとの違いはありませんが、ステッチやワンポイントなどで差別化。

 機能的な操作系にカジュアルだけど子共っぽさを感じさせないさり気ない“らしさ”は、華より実を取るスバルらしい部分かもしれません。

 10周年記念車のダーク系のインテリアカラーにイエローステッチのワンポイントは、スバルらしからぬセンスの良さ。

 ただ、ステアリングスイッチの多さ(ブラインドタッチしにくい)や情報過多な表示系(とくにセンターモニター)などは時代を感じるところもあります。

■XVの悪路走破性は下手なクロカンSUVよりも上!?

 XVは2種類のパワーユニットを用意。1.6リッターはコスパの良さが魅力的ですが、マルチに使うならば2リッターNA+モーターの「e-BOXER」が本命でしょう。

 エンジンが主体でモーターがアシストをおこなう「パラレル方式」を採用し、「Iモード」は実用域で背中を押してくれるような自然なアシスト、「Sモード」は実用域で電動ターボのような力強さを感じます。

XV生誕10年を記念した特別仕様車「アドバンス スタイルエディション」

 水平対向エンジンの弱点のひとつである、アクセルを踏んだときの応答性の悪さを上手にカバーしてくれるので、ドライバビリティ向上は評価できるものの、肝心な燃費性能は“電動車”という意味ではあと一歩というのも事実です。

 フットワークは最低地上高が200mmあるクルマに乗っている感覚は皆無で、ハンドリング関しては「目線の高いインプレッサ」といってもいいと思います。

 最新モデルはフロントクロスメンバー/リアサブフレームの剛性バランスのビルドアップ(2019年に改良)とサスペンションの最適化(2020年に改良)により、バッテリー搭載の重量アップを感じさせない軽快なクルマの動きと、重量アップを活かしたシットリした足の動きから来る、芯があるのに優しい乗り心地が見事にバランスされています。

 ただ、そこで終わらないのがXVの凄さです。それは最低地上高200mmとX-MODEを活用した悪路走破性能は、下手なクロカンSUV顔負けの実力を持っていることです。

 ライバル比較では「都市型クロスオーバー」に括られるケースが多いXVですが、それらとは一線を画するレベルであることは間違いありません。

 悪路走破性といえば、XVにはこれからの雪のシーズンに活躍する性能・機能があります。

 そのひとつは“直接”の視界性能です。スバル車は前後左右どの窓からも1m程度の高さの物が視認できるように設計視界を妨げない位置にピラーを配置するだけでなく、内側から見たときに実際よりも細く見えるように設計されています。

 さらに装備面もワイパー払拭面積の多さやワイパーデアイザー(寒冷地でのワイパーの張り付きとワイパー下に雪が溜まるのを防ぐ)を備えるなど、装備もシッカリと用意しています。

「周りの状況が解りやすい」、「クルマの四隅が把握しやすい」もクルマの性能のひとつ。最近は視界をサポートするデバイスも多いですが、やはり“直接視界”に勝るものはありません。

 ただ、カメラを使うサポート機能はもう少し充実してほしい気もします(とくにパノラミックビューモニターは欲しい装備のひとつ)。

 さらに空調関係も足元を均等に素早く暖める吹き出し口のレイアウトやシート&ステアリングヒーターは面積拡大&即時に温かくする工夫なども施されました。

 これらの装備は“付いている”という意味ではライバル車も同じですが、ひとつひとつのアイテムへのこだわりの積み重ねも、スバルの「安心・安全」に繋がっていることを忘れてはいけないでしょう。

※ ※ ※

 現行モデルの登場は2017年ということもあり、そろそろ次期モデルのウワサも聞こえてきそうなタイミングです。

 個人的には新型XVが気になる一方、熟成を重ねて完成された現行モデルを気取らずにサラッと乗りこなすという選択肢もアリだと思っています。

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