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アウトドアブームで三菱「デリカD:5」に熱視線!? SUV全盛期にあえてオフロードミニバンを選ぶ理由とは

くるまのニュース 2022年1月9日 7時30分

2007年にデビューした三菱「デリカD:5」は、14年も販売され続ける超ロングセラーモデルです。SUV全盛の現在、あえてデリカD:5を選ぶ人が増えているといいますが、どのようなところが魅力なのでしょうか。

■世界で唯一の存在!? 本格的な悪路も走れるミニバン「デリカD:5」

 2022年はトヨタ「ノア/ヴォクシー」やホンダ「ステップワゴン」といった人気モデルが軒並みフルモデルチェンジを予定しており、ミニバンに再びスポットライトが当たりそうです。

 そんなミニバンのなかで、根強い人気を誇る1台があります。それが三菱「デリカD:5」です。

 じつは今、トレンドに敏感な人たちがデリカD:5を選んでいるというのですが、2007年から販売されているデリカD:5がSUV全盛の現在に人気を集めているのはなぜなのでしょうか。

 1990年代、三菱は「キング・オブ・クロカン」と呼ばれた「パジェロ」を筆頭に4WDを前面に打ち出したRV(レジャービークル)戦略が当たり、人気モデルを数多く輩出。

 そして、それまで比較的地味な存在だったキャブオーバー(1BOX)の「デリカ」の後継モデルとして、2代目パジェロをベースに開発されたのが「デリカスペースギア」でした。

 デリカスペースギアはクロスカントリー(クロカン)で採用される頑丈なラダーフレームと現在の主流であるモノコックを融合させ、「本格的なオフロード性能を併せ持つオールラウンダーミニバン」という独自の世界観を構築。

 そしてこの「オールラウンダーミニバン」というコンセプトを引き継ぎ、2007年に誕生したのがデリカD:5です。

 デリカD:5は何度かのマイナーチェンジを経て、2019年にはフロントフェイスなどを中心にビッグマイナーチェンジを実施。

 現在の三菱らしい「ダイナミックシールド」と呼ばれるデザインを採用したフロントマスクに一新され、良い意味で「アクの強さ」を手に入れました。

 もちろん、動力性能や走行安定性にかかわるアップグレードなどもおこなわれ、インテリアも高級感がプラスされています。

 ボディサイズは全長4800mm×全幅1795mm×全高1875mm、ホイールベース2850mmと、ミドルサイズミニバンの平均値ではあるのですが、最低地上高がSUV並みの185mmも確保されていることや、ミニバンでは珍しい2.2リッターのクリーンディーゼルターボエンジンを搭載していることが特徴的です。

 エンジンは145馬力とパワーは控えめながら380Nmもの太いトルクを発揮し、約2トンもの重量を気にせず、グイグイ走ってくれます。

 ちなみに、WLTCモード燃費は12.6km/Lとハイブリッド車には及びませんが、本格的な4WD機能を持ちつつこの数値なのですから、燃料代の安い軽油ということも考慮すると経済的といえそうです。

■アウトドアブームで脚光を浴びるデリカD:5

 実際にSUVからデリカD:5に乗り換えたMさん(30代・男性)に、なぜ選んだのか理由を聞いてみました。

「もともと山登りが趣味だったのですが、新型コロナ禍で楽しめるレジャーとしてさらにアウトドア志向が強まっていました。

 そこで家族とキャンプに出かけるようになり、子供も大きくなって荷物も増えたし、SUVではキャパオーバー気味になってきていたことから、本格的な4WD性能を持つクルマとしてデリカD:5を選びました」

三菱「デリカD:5」

 やはりデリカD:5の人気には、現在のアウトドアブームが影響しているようです。

 SUVは機動性に優れるものの、2列シートで乗車定員は5名。一方、デリカD:5は3列シートで乗車定員7名/8名を確保しています。

 さらに、電子制御4WD機構「AWC」を搭載し、シャシには「リブボーンフレーム」と名付けられた肋骨のような環状型構造を採用して堅牢なボディを形成。本格的な悪路走破性と快適性を両立しています。

「デリカD:5はミニバンというより、3列シートのクロカンを購入した感覚に近いです。

 街中でも高いヒップポイントで視界も良好で、小回りこそ利きませんが取り回しに苦労するほどのサイズでもありません。

 新しい顔(ダイナミックシールド)のお陰でファミリー臭も薄れているので、1人で乗っていても違和感はないです」(Mさん)

 また現在のモデルでは、「衝突被害軽減ブレーキ」や「車線逸脱警報システム」、「誤発進抑制機能」や「レーダークルーズコントロール」といった、先進安全装備も標準搭載。見た目だけでなく中身もきちんと現代用にアップグレードされています。

「インテリアはそれなりに高級感もありますし、ディーゼル特有のガラガラ音もあまり気にならないです。ただ2.2リッターで乗り出し500万円前後はちょっと高いですけどね」(Mさん)

 それでも、都市型クロスオーバーSUVよりはるかに「RV感」があってかなり満足度は高いとMさんはいいます。

 また、デリカD:5は中古車市場でも人気が高く、下取りも期待できる優良モデルでもあるのです。

 そんなデリカD:5は、カスタムのベース車両としても人気を集めています。

 デリカD:5はどんなカスタムが人気なのでしょうか。四駆事情に詳しい業界関係者Y氏に聞いてみました。

「最新モデルはさらに高級感と快適性が向上していますが、やはりオフローダーとしての資質は隠せないですよ。

 ユーザーのカスタム傾向も、スキッドバー+ルーフラック+リアラダーといった定番スタイルは根強い人気です」

 また、クロスオーバーSUVはエアロパーツやローダウンなど低く見せるカスタムが人気ですが、デリカD:5はその真逆。標準装備の18インチタイヤをあえて16インチにインチダウンし、ハイトの高いオフロードタイヤを履かせるのが人気のようです。

※ ※ ※

 デリカD:5のミニバンとしての実用性とオフローダーとしての悪路走破性は、現在のアウトドアブームに求められる要素。1周回ってデリカD:5のコンセプトが再びウケているのも納得です。

 しかもオーナーはデリカD:5への愛着心が強いことも実感しました。それだけ魅力的なモデルであることが、超ロングセラーの理由なのかもしれません。

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