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改造だけで500万円! キラ仕様のボディ彫刻「ハーレー」お披露目! 芸術GT-Rも手掛けるカスタムの最新作とは

くるまのニュース 2022年1月26日 11時10分

東京オートサロンでは毎回さまざまなカスタムカーが登場します。2022年にはキラキラ仕様のカスタムハーレーがお披露目されました。

■キラキラ仕様のインパラ&GT-R! 最新作はハーレーだ!

 日本最大級のカスタムカーの祭典として知られる「東京オートサロン」。
 
 出展車のほとんどが4輪車というなかで、非常に珍しいカスタムが施されたハーレーが出展されていました。
 
 そのカスタムはかつてアメリカでも大反響を呼んだボディ彫刻の仕様だったのです。

 ボディ彫刻仕様のカスタムハーレーを出展したのは奈良県橿原市に本社を構える職人集団「ROHAN IZAWA ART DESIGN(以下、ROHAN)」です。

 製作を担当したのは独創性と芸術性に満ちたクルマづくりで世界に名を馳せるカスタムペインター井澤孝彦氏。

 井澤氏は、2009年から東京オートサロンへの出展を開始し、世界でも例がない斬新なカスタム技術と抜群のセンスで東京オートサロンにおいては2015年に日産「GT-R(R35)」と2019年にシボレー「インパラ」で総合グランプリ。

 大阪オートメッセでも2015年にシルバーのGT-R(R35)と2016年にゴールドのGT-R(R35)で2年連続グランプリを獲得しています。

 オートサロンでは、ほかにもミニバンワゴン部門ではトヨタ「アルファード」での最優秀賞を受賞するなど、ほぼ毎年何かしらのトップアワードを受賞しています。

 今回の東京オートサロン2022において、銀色に光り輝くハーレーはラッピングではなくすべて「エングレイビング」(彫刻)という高度な技巧で作られており、その上に独自開発の特殊なメタル塗料が塗られています。

 なお、このメタル塗料「IZ METAL(アイズメタル)」は井澤氏が塗料メーカーと10年以上にわたって共同開発して完成させたもので、輝度が高く、金属を磨いたような質感に仕上げられるのが特徴です。

 メタル塗料といえばこれまでは「銀」を主成分とする塗料が一般的でしたが、銀ベースの塗料は化学変化が起きやすく紫外線による退色や白化、黒ずみが発生するというデメリットがありました。

 このアイズメタルでは輝度はもちろん、耐久性と紫外線による劣化や変色のなさを完璧に実現。

 メタルペイントをエングレイビングの上に施工することで立体感と奥行きが際立つ印象となっています。

 そして、このたびハーレーと共に出展されたのは同じ技法でカスタマイズされた豪華絢爛な“IZAWA IMPALA”ことインパラです。

“IZAWA IMPALA”は2019年のオートサロンに出品され国際カスタムカーコンテスト・インポートカー部門で最優秀賞に選出されたのち、総合トップとなるグランプリを獲得し、同年10月の東京モーターショーにも出展されて大きな話題となりました。

 その後、「日本人が作った凄いインパラがある!」というウワサは世界中に広まり、モーターショーのあとはアメリカ・カリフォルニア州にあるサンディエゴ自動車博物館に招待展示という形で展示されることとなりました。

 日本人が日本で製作したアメリカ車のカスタムカーの展示は歴史的に見ても非常に珍しい快挙だったのです。

■カスタムペイント界の鬼才 初めてのカスタムバイク挑戦

今回、ROHANブースにメインで展示されたハーレーは2台で銀色は米国ハーレーダビッドソン「FLHX ストリートグライド ミルウォーキーエイト(2018年モデル)」をベースにしており、井澤氏にとって初めてカスタマイズを手掛けた2輪車となりました。

 インパラやGT-R、アルファードなどこれまで井澤さんが手がけたクルマとハーレーとではどのような違いがあったのでしょうか。東京オートサロン会場で井澤さんに聞いてみました。

――初めての2輪車へのエングレイビングカスタムですが、どのようなきっかけで生まれましたか?

 インパラを作っていた頃にバイクは塗らないって決めてたんですよ。

 でも、「バイクも塗って欲しい」「バイクは塗らないんですか?」みたいな問合せをたくさん頂くようになりました。

 それで、「バイクは塗らない」って決めてたらあかんのやないかなと。要望があれば何でも塗ろうって思うようになったんです。

 今回出展したハーレーはお客さんが所有するもので「ぜひ塗って欲しい」と。時間的なことも全面的に協力するし、完全に任せるからということでスタートしました。

――クルマと違うのはどんなところですか?

 ハーレーはパーツが球体になっていたり湾曲が多かったりで彫刻もメタル塗装も非常に手間がかかりましたね。

 ガソリンタンクやカウル類、トップケースなど細かいパーツに分かれており、それぞれのパーツをバラして塗って乾燥させての繰り返しですから、パーツ脱着の手間なども考えると塗る面積は狭くても合計の時間はクルマとあまり変わりませんでした。シルバーのモデルは完成まで6、7か月かかりましたね。

東京オートサロン2022にて出展されたハーレーとインパラの中央に立つ井澤氏

――苦労した点は?

 一番苦労したのは、「いかにムリなく各パーツのデザインをつないでいくか?」ということでした。

 パーツとパーツの彫刻を自然に美しくつなげるデザインを考えることに時間を費やしました。

 クルマはボディが繋がっているので横は横、後ろ後ろでそれぞれ仕上げていけばいいんですが、ハーレーは後ろから見ても横から見ても全部が視界に入ってくるので全体のバランスと彫刻のつなぎ方がもっとも悩んだところです。

※ ※ ※

 ついにバイクの世界にも井澤氏の超絶技巧を施したカスタムハーレー、今後は国内外のショーにも出展していくそうです。

 最後に気になる値段について聞いてみたところ、「シルバーのハーレーはカスタムの部分だけで約500万円、同じく赤い方は300万円」とのこと。

 唯一無二のカスタムハーレーはアメリカ本国のハーレーファンからもアツい注目を集めそうです。

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