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なぜいま人気モデルのVW「パサート」米国仕様車が現地生産終了?その理由とは

くるまのニュース 2022年2月5日 16時10分

VWの現地法人、フォルクワーゲン・オブ・アメリカは2022年1月25日、テネシー州チャタヌーガ工場でおこなわれていたミドルセダン「パサート」米国仕様の現地生産を、2021年12月で終了したことを発表しました。

■2022年からピュアEV「ID.4」の生産をおこなう

 VWの現地法人、フォルクワーゲン・オブ・アメリカ(米国VW)は2022年1月25日、テネシー州チャタヌーガ工場でおこなわれていたミドルセダン「パサート」米国仕様の現地生産を、2021年12月で終了したことを発表しました。

 米国でパサートは人気のモデルで、1974年以来180万台以上が販売されています。1974年に登場したパサートのセダンおよびワゴンモデルは、「Dasher(ダッシャー)」という車名で登場、22万台以上が販売されるというヒットモデルになりました。

 1982年に登場した第2世代モデルは「Quantum(クォンタム)」という車名となりました。現代のパサート名になったのは1990年に登場した3代目(B3)からとなります。初代から2006年に登場した6代目(B6)パサートまでは欧州から米国に輸出されました。

 2011年に米国VWは、チャタヌーガ工場で北米市場向けパサートの組み立てを開始。北米向けに特別に設計された2012年式パサートは前モデルよりも大きくなり、ドイツのエンジニアリングとスタイリングを競争力のある価格で提供しました。以来、米国で組み立てられたパサートはカナダや韓国、中東に輸出されました。

 2021年12月に最後にラインを離れたクルマはプラチナグレーのボディカラーを持つパサートの限定モデルだったといいます。

※ ※ ※

 なぜいま、チャタヌーガVW米国工場でパサートの生産が終了したのでしょうか。今後、工場はどうなるのでしょうか。

 米国VWは、過去4年間で「アトラス」「アトラスクロススポーツ」「ティグアン」「タオス」と4車種のSUVを登場させました。これらのSUVはそれぞれ人気で、すべてチャタヌーガ工場で生産されており、今後も生産は続きます。

 それに加え、今後チャタヌーガ工場では電気自動車(EV)「ID.4」の生産が始まります。VWはこれまでの26億ドル以上の投資に加えさらに8億ドルを追加投資、電気自動車の生産に対応します。

 ID.4本体とそのバッテリーパックをチャタヌーガ工場で組み立てるほか、地元のエンジニアリング&プランニングセンターは北米におけるフォルクスワーゲンのEV開発拠点となります。さらにフォルクスワーゲンアカデミーはeモビリティに対応したカリキュラムに変更される予定です。

 つまり、欧州だけではなく米国も急速にEVシフトが起きていることがわかります。それに対応するために今回、米国パサートの現地生産が終了したということです。

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