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高性能なだけでなくシャープなノーズがカッコイイ! 1980年代を彩ったターボ車3選

くるまのニュース 2022年2月7日 6時10分

1980年代はターボエンジンの普及によって、国産車の高性能化が一気に加速。さらにスポーツカーはシャープなノーズのウェッジシェイプが主流となりました。そこで、1980年代を彩ったターボエンジンの国産スポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。

■1980年代を彩ったシャープなノーズのターボ車を振り返る

 日産は1979年に、国産乗用車では初となるターボエンジンを搭載した「430型 セドリック/グロリア」を発売。そして1980年代になるとターボエンジンは各メーカーに波及し、国産車の高性能化が一気に加速しました。

 とくに2リッタークラスのスポーツカーではターボエンジンがマストアイテムとなり、メーカー間でパワー競争が勃発。

 リッターあたり100馬力というのがひとつの目標となり、技術開発が進みました。

 さらに、出力の向上とともに空力性能も重要な課題となり、スポーツカーのフォルムはシャープなのフロントノーズのウェッジシェイプが主流となりました。

 そこで、1980年代を彩ったターボエンジンのスポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「フェアレディZ」

エンジン、シャシ、デザインとすべて大きな変革となった3代目「フェアレディZ」(画像は北米仕様)

 日本を代表するスポーツカーである日産「フェアレディZ」は、1969年に誕生。2代目では早くもターボエンジンを搭載し、スポーツカー市場をけん引する存在となりました。

 そして、1983年に登場した3代目(Z31型)は、新世代のフェアレディZとして大きな進化を果たしました。

 外観は初代と2代目の特徴的なロングノーズのスタイリングを継承しつつ、デザインを一新。フロントフェイスにセミリトラクタブルヘッドライトを採用してシャープかつフラットなデザインとなり、ボディがサイズアップしたことでグランツーリスモ色が強くなりました。

 さらに、大きな改革だったのがエンジンで、それまでの直列6気筒SOHC「L型」から全グレードともV型6気筒SOHCターボエンジン「VG型」に統一されました。

 トップグレードの「300ZX」は3リッターターボエンジンを搭載し、最高出力230馬力(グロス)を誇りました。

 全車V型6気筒エンジンにスイッチしたZ31型でしたが、1985年10月に、最高出力210馬力(グロス)を発揮する2リッター直列6気筒DOHCターボ「RB20DET型」エンジンを搭載した「フェアレディ 200ZR-I(スタンダードルーフ)/ZR-II(Tバールーフ)」が登場。

 V型6気筒エンジンから伝統の直列6気筒に回帰し、初代の高性能モデルだった「フェアレディZ432」以来となるDOHCエンジン搭載車が復活しました。

 その後、1986年のマイナーチェンジでは、全体的に丸みを帯びたデザインへと大きく変わり、より洗練された外観へと変貌を遂げました。

 なお、次世代の「Z32型」では全車3リッターエンジンとなったため、Z31型が2リッターエンジンを搭載した最後のモデルでした。

●マツダ「サバンナ RX-7」

ピュアスポーツカーとしてすべての性能が大きく進化した2代目「サバンナ RX-7」

 マツダは1967年に、世界初の量産ロータリーエンジン車「コスモスポーツ」を発売。軽量コンパクトで高性能なロータリーエンジンの特徴を生かした、シャープなフォルムのピュアスポーツカーでした。

 その後、マツダはロータリーエンジン車を拡大し、1978年にはコスモスポーツの系譜を受け継いだようなスポーツカー、初代「サバンナ RX-7」(SA22C型)が誕生。

 1983年にはターボエンジンを搭載してさらに高性能化を果たしましたが、基本設計の古さは否めず、1985年に新世代のスポーツカー2代目(FC3S型)へとスイッチしました。

 外観はワイドな偏平タイヤを収めるブリスターフェンダーによって、迫力あるスタイルへ変貌。全体のフォルムはロングノーズのウェッジシェイプで、初代からリトラクタブルヘッドライトを継承しました。

 エンジンは、全車排気量654cc×2ローターの「13B型」ロータリーエンジンに、ツインスクロールターボチャージャーを装着し、最高出力は185馬力(ネット)とレシプロエンジンの2リッターターボに匹敵しました。

 このエンジンを先代と同様にフロントミッドシップに搭載し、前後重量配分はFRスポーツカーとしては理想的な50.5:49.5を達成していました。

 また、フロントがストラット、リアは4輪操舵技術を応用した「トー・コントロール・ハブ」を採用するセミトレーリングアームのサスペンションによって、走りのポテンシャルが大幅に向上。

 進化の歩みも止まらず、1989年のマイナーチェンジでは、エンジンの圧縮比を高めてターボチャージャーの改良をおこない、最高出力は205馬力までアップし、特別仕様車の「∞(アンフィニ)」ではさらにチューニングされたことで最高出力215馬力を発揮しました。

 1991年10月に後継車となるアンフィニ「RX-7」が登場しましたが「カブリオレ」のみしばらく併売され、FC3S型は1992年に生産を終了しました。

●三菱「スタリオン」

シャープなフォルムで三菱最後のFRスポーツカーだった「スタリオン」

 三菱は1982年に、欧米のスポーツカー市場でも競争力のある次世代スポーツカーとして「スタリオン」を発売しました。

 外観は直線基調のシャープなフォルムの3ドアハッチバッククーペで、スポーツカーの証だったリトラクタブルヘッドライトを採用し、シャープなノーズによって典型的なウェッジシェイプのシルエットを実現。

 パワーユニットは発売当初からターボエンジンをラインナップし、最高出力145馬力(グロス)を発揮する2リッター直列4気筒SOHCターボと、110馬力(グロス)の2リッター自然吸気エンジンを設定。

 ターボ車のサスペンションは4輪ストラットの独立懸架に、ブレーキは当時としては数少ない4輪ベンチレーテッドディスクが奢られました。

 その後、自然吸気モデルは廃止となり、1983年にはターボ車にインタークーラーが装着され、最高出力175馬力(グロス)まで向上。

 さらに1984年には、先進的な可変バルブシステムを採用した「シリウスDASH 3×2」2リッターターボエンジンを搭載する「GSR-V」グレードが登場。リッターあたり100馬力となる最高出力200馬力(グロス)を発揮し、スタリオンは一躍2リッターエンジン車のトップクラスへ到達しました。

 モデルライフの終盤だった1987年には輸出用の迫力あるブリスターフェンダーを採用したワイドボディの限定車「GSR-VR」が販売され、翌1988年には最高出力175馬力(ネット)の2.6リッターターボエンジンを搭載したGSR-VRがカタログモデルとなるとともに、グレードを整理して一本化されました。

 そして、1990年に実質的な後継車の「GTO」にバトンタッチするかたちで、スタリオンの歴史は幕を下ろしました。

※ ※ ※

 技術的な進歩は目覚ましく、現在、2リッターターボエンジンは300馬力オーバーが当たり前となり、400馬力以上のモデルも存在します。

 それほど高性能となってもドライバビリティが悪化することなく燃費も向上し、普段使いでもまったく問題ありません。

 しかし、各メーカーともEVシフトを表明しているため、これ以上エンジンが進化することは難しくなるでしょう。

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