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近年増加中な昼間のライト! ロウソク1440本分の明るさを放つ! SNSでは「眩しい」の声も!? 交通事故抑制の効果は?

くるまのニュース 2022年3月2日 14時10分

街中を走行するクルマには昼間にライトを点灯させているクルマが見られます。どういった機能なのでしょうか。また効果はあるのでしょうか。

■昼間に点灯する「デイライト」にはどんな効果が?

 クルマには、フロント部分に装備されている前方の視界を確保する「ヘッドライト」や、霧など視界が悪い際に利用する「フォグライト」などさまざまな灯火類が搭載されています。

 そのうちのひとつに、「デイライト」と呼ばれるライトも装着されています。これはどういった機能なのでしょうか。

昼間でもライトオン! 「デイライト」の効果は?

 デイライトは、正式名称「デイタイムランニングライト」と呼ばれる昼間点灯用ライトのひとつです。

 車種によっても取り付け箇所は異なりますが、ヘッドライトと同様の箇所もしくはヘッドライトの下に装着されている場合が一般的です。

 デイライトを昼間から常時点灯することで、対向車や歩行者などに自車の接近・存在をアピールして、早く気づかせるという役割があります。

 最近では、イグニッションをオンにすることで、とくにスイッチ操作をすることなく点灯するようになっているクルマが主流です。

 かつて日本では禁止されていた機能でしたが、欧州各国や北米では日中のヘッドライト点灯が義務化。

 2011年に欧州で義務化されたことで、メルセデス・ベンツやBMWなど、自動車メーカーに装着され世界的に広まりました。

 日本では、2016年10月にデイライトの保安基準が一部改定され、「ライトの光度が1440cd以下であること」「他の交通を妨げないものであること」「ライトの色は白色であること」など、6つの項目の基準が定められています。

 また取り付け位置についても、左右対称に取り付けるなど細かい規定が設けられています。

 ライトの光度はcd=カンデラと呼ばれる数値ですが、1カンデラはロウソクの明かり1本に該当します。

 このため、デイライトの明るさの基準は、ほかの交通を妨げない程度のロウソク1440本分までと定められています。

 その一方でSNSでは、「昼間にライトつけるな眩しいって言われたことある」「眩しい」「デイライトですらハイビーム攻撃される」「目くらんで危ない」など、眩しさを感じている人の声も多数見られています。

 ヘッドライトに比べて10分の1ほどの光度ですが、一部の車種や光軸によっては眩しいと感じている人も少なからずいるようです。では、デイライトを点灯することによる効果はあるのでしょうか。

 北海道では、北海道警察を主導に各警察署や自治体にて「デイライト運動」を実施しています。

 これは、デイタイムランニングライトとは異なり、自動車運転中に昼間からヘッドライトを点灯させることで交通事故防止を図る運動です。

 効果として、自らの意志で「ライトのスイッチを入れる」動作をおこなうことにより、安全運転の実践と交通安全運動への参画意識を高めることや、他の運転者や歩行者などへ自車の存在、位置を知らせることにより、交通事故防止への効果が期待されています。

 北海道警察の交通部交通企画課の担当者は、デイライト運動の効果について以下のように回答しています。

「運動を開始した当初は昼間の交通事故死者数が前年比より減少したという自己統計から効果があるとされていたが、デイライトの実践が事故発生と直接結びついているとは言い切れず因果関係も判然としない。

 しかしライトを点灯させる行為そのものが交通安全活動への参画意識を高めるものであり、その意識付けが交通事故防止への効果があると期待されるものである」

※ ※ ※

 前出の担当者は、デイライト運動やドライバーの運転時に気をつけることについて、以下のように話します。

「ひとりひとりが交通安全に関心を持ち自らも安全運転を実践するという交通安全への参画意識を醸成することが重要です。

 デイライト運動に参加することによって自らの交通安全意識を高めていただき交通事故防止に配意していただきたいと思います」

 デイライトの効果は、上記のほかドアミラーやカーブミラーなどからも確認されやすいことや、雨や曇りの日は歩行者がうっかり見落とすことが少なくなることが挙げられています。

 最近では当たり前に装着されているデイライトですが、昼間の交通事故防止のための装備のひとつといえます。

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