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レインボーブリッジが真っ暗!? 「電力需給ひっ迫警報」で首都高5大ブリッジ消灯! 一晩「2200kwh」の節電が可能に

くるまのニュース 2022年3月24日 9時10分

2022年3月21日夜に日本政府は、電力不足を防ぐために初めて「需給ひっ迫警報」を発令しました。この需給ひっ迫警報によりさまざまな施設が節電や消灯の対応に追われたなかで、首都高の各ブリッジのライトアップも消灯しましたが、どのほどの効果があったのでしょうか。

 2022年3月21日夜に日本政府は、電力不足を防ぐために初めて「需給ひっ迫警報」を発令しました。
  
 これは、3月16日に発生した最大震度6強の福島県沖地震によって東日本の一部発電所が稼働を停止していること。
 
 さらに、悪天候による太陽光出力の低下や、ここ数日の寒波によって暖房の使用が急増していることから東日本エリアにおいて電力需給が非常に厳しい状況となっていました。
 
 この需給ひっ迫警報によりさまざまな施設が節電や消灯の対応に追われたなかで、首都高の各ブリッジのライトアップも消灯しましたが、どのほどの効果があったのでしょうか。

 東京電力では、想定される電力需要に対して供給力が十分確保できないとのことで、家庭や職場などにおいて不要な照明を消し、暖房温度の設定を20度とするなど、節電への協力を呼び掛けていました。

 なお、3月23日午前11時に出された経済産業省の発表によると、東北電力管内、東京電力管内において、電力需給が緩和される見通しにより「需給ひっ迫警報」が解除されました。

 節電の呼びかけは、公共施設にも及んでおり、3月22日には以下の施設のライトアップが節電モードになったり、消灯されたりの対応となりました。

 ●ライトアップ停止または一部点灯時間の短縮をおこなっている施設

 ・東京都庁、スカイツリーのライティング及び、館内デジタルサイネージの一部消灯
 ・東京タワー営業とライトアップ点灯時間を短縮。点灯も下半分のみ
 ・渋谷スクランブルスクエアビル(高さ230Mの複合施設型超高層ビル)のライン消灯、空調抑制、3/4自家発電に切り替えなど
 ・首都高の5橋(レインボーブリッジ、横浜ベイブリッジ、かつしかハープ橋、五色桜大橋、鶴見つばさ橋)ライトアップを停止

 これらの節電対応施設のなかで、ドライバーにとって気になるのは首都高ブリッジのライトアップです。

 今は春休みシーズンでもあり、また3月21日「まん延防止等重点措置」が解除されたことから、レインボーブリッジや横浜ベイブリッジのライトアップを眺めながらの首都高夜景ドライブを楽しみたいという人も少なくないでしょう。

 前述の通り、23日11時に「需給ひっ迫警報」は解除されましたが、首都高ブリッジのライトアップはいつ復活するのでしょうか。

 首都高速道路株式会社の経営企画部 広報課は次のように話しています。

「警報は解除となりましたが、首都高速の5橋は23日もライトアップをおこないません。

 3月24日以降のライトアップは未定です。現在ライトアップ再開に向けて協議しているところです」

 なお、レインボーブリッジはコロナ感染状況に応じて、2020年を中心にこれまで様々に色を変えてきました。

 ・医療従事者への感謝の気持ちでブルーにライトアップ
 ・2020年6月、東京アラートが出されたことで東京都庁と共に警戒をアピールする目的でレインボーブリッジ全体が真っ赤に。その後、6月11日に東京アラート解除された際には7色のレインボーカラーにライトアップ。

※ ※ ※

 このように新型コロナ絡みでライトアップの色を変えたり、点灯時間を短縮したりはありました。

 しかし今回のように電気の需要がひっ迫していることによる「節電」を目的とした景観照明を5橋一斉に全面消灯したことはあまり例がないとのことです。

■ベイブリッジとつばさ橋は色によって電力消費が違う?

 では、5橋を完全消灯とすることで、どれくらいの節電効果が得られるのでしょうか。

 また、ライトアップの色によって消費電力が違うことがあるのでしょうか。

 気になる部分を前出の広報課に聞いてみました。

――首都高5ブリッジのライトアップをおこなわないことで、どれくらいの節電が可能となりますか?

 5橋併せての数字になりますが、一晩(通常の点灯時間は日没~24時まで)ライトアップをおこわないことによって合計で2200 kWhの節電になります。もちろん、橋本体の道路照明などは消灯されません。

――5ブリッジが一斉に節電のために消灯することは珍しいですか?

 節電要請によって5橋一斉に夜間全時間帯において消灯することはあまり例がありませんが近年は、このようなライトアップ消灯を年に数回、おこなっています。

 2021年は6月21日の夏至の日と、7月7日七夕の日に「クールアースデイ」として消灯をおこないました。

 ライトダウンによる削減電力量は5橋の2日間合計で約4800kWhでした。

――ちなみに、レインボーブリッジや横浜ベイブリッジは時間帯や曜日、季節などによってライトアップの色が変わりますが、色によって電力の消費量に違いがあるのでしょうか?

 レインボーブリッジは景観照明器具をHID投光器からフルカラーLED投光器等に更新したことで、現在はすべてLED電球を使用したライトアップとなっておりますので色による電力消費の違いはありません。

 横浜ベイブリッジと鶴見つばさ橋は一部を除いてHID投光器を使用しているため、色によって使用灯具数が異なり電力消費も異なります。

 かつしかハープ橋と五色桜大橋は白色のみなので、色による違いはありません。

※ ※ ※

平常時の7色に輝くレインボーブリッジ

 なお、節電のための消灯がいつまでおこなわれるかは未定ですが3月26日には「EARTH HOUR(アースアワー)2022」に参加するため20時30分~21時30分の間でライトダウンがおこなわれる予定です。

 このアースアワーとは、1時間ライトアップを消すことで地球温暖化防止と環境保全の意思を示す、世界自然保護基金(WWF)が世界規模で開催している環境保全活動です。

 日付変更線に近く、現地時間20時30分を迎えた地域から順次消灯をおこない消灯リレーが地球を1周する壮大な試みとなっています。

 ライトダウン(ライトアップ照明及びイルミネーション照明の消灯)の実施は、「レインボーブリッジ(高速11号台場線)50kWh」、「横浜ベイブリッジ(高速湾岸線)190kWh」、「鶴見つばさ橋(高速湾岸線)120kWh」となり、高速道路本線の照明は消灯しません。

 また、24日以降の節電による消灯の最新情報については、首都高速のWEBサイトなどで確認出来るようになっています。

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