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運転初心者でも「レンタカー」は借りられる? どんな車種が最適? レンタカーの正しい利用方法とは

くるまのニュース 2022年4月9日 19時10分

免許を取得したばかりの初心者ドライバーが増える春。まずはレンタカーで運転経験を積むのはいかがでしょうか。レンタカーの借り方や運転席中の注意点、返却時に忘れずにしておくべきことなどをレンタカー会社のスタッフに聞いてみました。

■免許取りたての初心者ドライバーこそレンタカーに乗るべき!

 春は新たに運転免許を取得する人が増えるシーズンです。路上に初心者ドライバーが増える時期ともいえますが、せっかく免許を取得したのですから、クルマで出かける絶好のタイミングでもあります。

 そんな初心者ドライバーにとって悩ましいのが、運転するクルマをどのようにして用意するかということでしょう。

 家族や友人がクルマを貸してくれるなら良いのですが、それ以外だとマイカーを購入して運転するか、レンタカーを借りるか、というのが現実的な選択肢となります。

 では、レンタカーを借りる場合、どのようなことに注意したら良いのでしょうか。

 まずは、現在のレンタカー事情を少し調べてみました。

 一般社団法人「全国レンタカー協会」の統計によると、2021年度に登録されている全国のレンタカー数は88万4189台。そのうちの52%にあたる約46万台が、一般ドライバーが乗る「乗用車」となっています。

 この数は20年前と比較して約3倍まで増加しており、それだけレンタカーの存在がポピュラーになっているといえます。

 レンタカーの需要が増えている理由としては、「必要なときに必要な日数だけ利用できる」という経済的なメリットがあります。

 クルマを購入する場合は、車両代金だけでなく登録にかかる諸費用、車検代や任意保険、駐車場代など、さまざまな出費が伴います。

 それに比べてレンタカーは、原則的に借りる日数(や時間)に応じた料金を支払うのみというシンプルなシステム。さらに用途に応じてサイズや車種を選べるのも大きなメリットです。

 一方でレンタカーは基本的に予約が必要で、急に借りようとしても希望のクラスや車種が空いていないことがあります。

 またレンタカーを借りるときは、最寄りの店舗まで出向き、その店舗に返却する必要があります。ただし現在は、事前に申し込んでおけば別の店舗に返却できるケースも増えており、利便性も向上しています。

 クルマに乗れるという意味では、ディーラーに行けばタダで新車に乗ることはできますが、あくまで購入前提です。レンタカーであれば、経済的な負担を最小限に抑えつつ、いろんな車種を運転できるというのもポイントとなります。

 初心者にとって気になるのが、「免許取り立てでもレンタカーは借りられるの?」ということでしょう。レンタカー会社のスタッフB氏に話を聞いてみました。

 まず、初心者(免許取得1年未満)でもレンタカーは借りられるのでしょうか。

「車種に制限があったり、免許取得から3年以上が経過している人の同乗が必要だったりなどの条件が付く場合もありますが、基本的には初心者でもレンタカーを借りることができます」

 ここで条件となっている「免許取得から3年以上」というのは、助手席から運転に関するアドバイスができる状態のセーフティドライバーがサポートしてくれるなら、というもの。運転の上達は経験値も大きく影響するので、こういった条件があるそうです。

「貸出の手続きとしては、予約内容と使用日数(時間)の確認、免許証の確認とコピーを取らせていただき、オプションとして『免責補償』や『NOC(ノンオペレーションチャージ)』への加入の有無などがあります」(レンタカー会社スタッフB氏)

 レンタカーには必ず任意保険がかけられているのですが、免責補償とは、レンタカーを利用しているときに事故を起こしてしまった場合に発生する損害(修理費や対物損害)に対して、通常は10万円程度の自己負担額で賄う「免責」が免除されるというもの。初心者だけでなくベテランドライバーでも、万が一の場合に備えて加入しておくべきオプションです。

 また、NOC(ノンオペレーションチャージ)とは、事故などにより修理や修繕が必要となり、終わるまでそのクルマを貸し出せない(=業務が遂行できない)期間の損害を補償する制度。

 これは事故だけでなく、車内を著しく汚してしまったり、大きな傷を付けてしまったりした場合などにも発生します。

 さらに、禁煙車となっているレンタカーで喫煙した場合でも対象となる可能性もあるというので、愛煙家は注意したいところです。

 こちらの自己負担額は、自走できる状態の場合は2万円、単独事故や故障などの場合は同5万円となっています。

■ドライブ目的の利用ではどんな車種を借りれば良い?

 たいていのレンタカーは、車種やクラスによって利用料金が違います。

 もちろん好きな車種を予約しても問題はありませんが、初心者ドライバーがドライブ目的で借りる場合はどんな車種が良いのでしょうか。

「乗車する人数や荷物が少ないのであれば、軽自動車かコンパクトカーが安全だと思います。

 初めて運転する車種は、すぐに車両感覚をつかみにくいものです。狭い道や駐車なども考慮すると、できる限り取り回ししやすいクルマが乗りやすいと思います」(レンタカー会社スタッフB氏)

レンタカーは「わ」ナンバーが使われる

 これは利用目的にも関係しますが、単純に街乗りでの利用であれば軽自動車、長距離を走りたい場合はコンパクトカーといった具合に使い分けるのが良さそうです。

 利用料金は、コンパクトカークラスなら12時間利用で3000円から、24時間で5000円からといったところでしょう(ただし週末などは24時間以上の利用制限あり)。

 仲間4人で割り勘すればかなり安くレンタルでき、電車よりも安く済むかもしれません。

 長距離ドライブを楽しむ場合、事前に用意すべきものがあります。それは「ETCカード」です。

 高速道路を利用するときは、ETCカードを使って通行料金を支払うのが一般的になっています。

 国道交通省が発表したETCの利用率は、ネクスコ系の高速道路では91.8%以上、首都高に至っては96.3%となっており、さらに料金所の有人レーンは今後廃止される方向でETC専用化が進んでいる状況です。

 しかしETCカードはクレジットカードと紐づいているケースが多く、すぐに作れないことが多々あります。

「そんな場合を想定して、たいていのレンタカー会社ではまだETCカードを持ちでないお客さま向けにETCカードを1日あたり数百円で貸し出し、返却時に利用された区間の通行料金を支払うサービスも展開しています。

 とはいえ、今後もクルマで高速道路を利用される機会はあるでしょうから、事前にご自身でETCカードを作成し、レンタカー利用時に持参していただくほうが手続きも簡素化できると思います」(レンタカー会社スタッフB氏)

 無事にレンタカーを借りれば、あとは好きなところへ行くだけということになりますが、やはり「レンタカーは借り物」という点は気を付けておきたいところです。

 使用料金を支払うとはいえ、原則として「借りた状態で返却するのが基本」という部分は忘れてはいけません(天候などでボディが汚れるのは別として)。

「貸し出し前にはスタッフと一緒に現車のキズの有無などをご確認いただくのですが、気が付かないうちに傷を付けてしまうことがあります。その場合、NOCの対象となり、修繕費などの追加料金が発生することがあります。

 なかでもご注意いただきたいのはタイヤです。パンクに関してもお客さまの負担になりますし、ホイールやホイールキャップの破損などもNOCの対象となります。

 目的地までの道中によっては狭い道や側溝、または縁石などでタイヤやホイールに傷が付いてしまう場合もありますので、安全運転をお願いしたいです」(レンタカー会社スタッフB氏)

 万が一、事故に巻き込まれてしまったときに、レンタカー会社へ連絡することも忘れてはいけないポイントです。

 自分に過失がなかったとしても、修理が必要な場合はNOCの対象になる可能性もあります。借り物だからこそ、いつも以上に慎重に運転したいものです。

 返却時間が迫ってきました。やはりマナーとしては「借りた状態での返却」が理想ですので、忘れずにしておきたいのが給油です。しかし返却時間までギリギリの場合は、そのまま借りた店舗に返却しても大丈夫です。

「予約が立て込んでいる場合、次のお客さまへの引き渡し時間にも影響しますので、できれば満タン給油でご返却いただけるとスタッフは喜びます。

 返却時間のギリギリになってしまった場合は、安全を考慮しつつ返却を優先し、精算時に燃料費などを追加でお支払いいただければ問題ありません」(レンタカー会社スタッフB氏)

 また、レンタカーの場合は、よほどひどい汚し方をした場合でない限り、洗車は必要ありません。

 ただし車内で飲み物をこぼしてしまった、シートがひどく汚れてしまった場合などはNOCとして別途支払いが発生することもあります。車内での飲食はホドホドにしておくほうが良いでしょう。

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