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これぞまさしく「未来のクルマ」!? ボルボ初のEV「C40リチャージ」に乗ってみた

くるまのニュース 2022年4月4日 21時10分

2021年11月に発表されたボルボ初の電気自動車(BEV)が「C40リチャージ」です。今回試乗会が開催されました。どんな乗り味だったのでしょうか。

■ボルボ初のBEVはクーペSUV風のデザインで登場

 他ブランドに先駆けて早々に電動化宣言を出し、全車種電動化に向けて48Vマイルドハイブリッド車(MHEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)を揃えたボルボですが、2022年11月に100%バッテリーで動く電気自動車(BEV)を発売しました。

 ボルボ初のBEVは「C40 Recharge TWIN(C40リチャージ・ツイン)」と呼ぶSUVです。リチャージは、外部から充電できるモデルに付けられる名前で、ツインは前後輪で駆動する、つまりAWDの意味になります。

 2022年3月にはエントリーモデルのシングルモーターFFモデル「C40リチャージプラス シングルモーター」も発表されています。

 BEVだから走行中のCO2排出はありませんが、ボルボは生産工場、バッテリー、サプライヤーなども含めて、地球環境に負荷を与えない企業活動を実現することを目標にしています。

 2021年の販売ではPHEVは12%でしたが、2025年には40%をBEVにし、2030年には100%BEVにする計画を持っています。そして2040年までにクライメートニュートラルを実現すると謳います。

 さて、そんなボルボが出してきた初のBEVは一体どんなクルマなのでしょうか?

プラットフォームは、CMA(コンパクトモジュラーアーキテクチャー)で、コンパクトSUVのラインナップの一員になりますが、全高が1595mmでSUVとしてはやや低く、クロスオーバーという位置付けもできます。ルーフからリアウインドウにかけての滑らかなラインは、おしゃれなクルマという印象です。

 外観で目立つのはボディ同色のグリルカバーです。

 BEVだからエンジンはなく、グリルから冷却用の風を送る必要はないので塞いであるのですが、中央にはボルボのエンブレムがあり、その裏にはADAS用のレーダーがレイアウトされています。これから登場するボルボのBEVは、このような顔つきになっていくのでしょう。

 今回の試乗車のボディカラーは、すべてフィヨルドブルーに統一されていました。もちろんシルバー、グレー、赤、黒、緑、白と全7色から選べますが、確かにこの色が一番北欧の雰囲気、CO2を排出しないクルマとしてイメージが合っていると感じます。

 試乗車のタイヤはピレリ「P ZERO」で、フロント235/45R20 100VXL、リア255/40R20 101VXLというサイズを履いています。太い5本スポークのスポーティなエアロデザインの20インチアロイホイールが標準で、冬用タイヤ向けの19インチの5本ダブルスポークホイールも用意しています。

 C40リチャージに標準装備される大開口のパノラマガラスルーフは固定式にしたため、前後席ともに楽しめる広い開口部を持ちます。赤外線反射コーティング、UV透過率は最大0.5%、可視光線透過率は6.5%と低く抑えられているので、サンシェードは備えていませんが、快適さを確保できそうです。

 レザーフリー(本革を使わない)インテリアもボルボとしてのこだわりです。ステアリングリムは贅沢なタッチの合成素材を使って、手縫いで包まれています。ATセレクターも同様になっていて、レザーフリーではあるが手触りがよく快適なドライビングができます。

■スタートボタンはなくキーを持ち乗り込めばクルマが起動

 車両解説だけで与えられたスペースが埋まってしまいそうなので早速走り始めましょう。

ボルボ「C40リチャージ・ツイン」の走り

 外観に似合わず、とても元気よく走るクルマです。BEVなので、低回転域から太いトルクを発揮できるため、交差点を曲がって立ち上がりからアクセルペダルを踏み込むとスルスルっとスピードが上がっていきます。

 もちろん音も静かなままなので、静かで速いというBEVの美味しいところが味わいやすくなります。ツインだからこそ、ロスなく加速できるのでしょう。ポルシェ「タイカン」よりも、インバータの「クーン」という音が聞こえず静かです。

 鋭い加速といっても、アクセルの開度にリニアな反応だし、遅れもないからとても扱いやすく感じます。

 また、ゆっくりスムーズに走ることも得意です。これは後輪も駆動しているため、加速でのタイヤのロスがないからです。C40の試乗の後に日産「リーフ」に乗りましたが、アクセルペダルを深く踏んで加速したらFWDのスリップ率の高さが気になってしまいました。

 中央のモニター画面で、いろいろと操作や設定の変更ができますが、ワンペダルのドライブモードも選択可能です。しかしこれを選ばないほうがうまくコースティングが使えるし、クリープもあるので駐車時も含めてスムーズに走れます。ただしコースティングのときにアダプティブモードを用意して、先行車が出てきたら回生しながらスピードを合わせてもらいたいと思いました。

 市街地走行で元気よく走れることがわかったところで、高速道路を走行します。高速域からの加速は市街地ほど期待していませんでしたが、これが意外にも元気よく加速するので驚きました。車速が70km/hを超えると、モーターのトルクが最大まで使えるようにプログラムを組んであるそうで、高速道路でも気持ちの良い走りが可能です。

 サスペンションはやや硬めですが、路面の凹凸はうまく丸めてくれます。BEVなので、基本的に車重は重めなのも有利に働いて、乗員が揺すられるような振動は伝わってきません。

 C40リチャージは、キーを持ったままクルマに乗り込み、シートを合わせ、シートベルトを締めたら、ATセレクターをDレンジに入れてアクセルペダルを踏むだけで走り出します。

 降りるときにはシートベルトを外し、ドアを開け、ブレーキペダルから足を離せばPレンジに入ってOFFになる。つまりメインスイッチはなく、ON/OFFの操作は必要ない時代になったのです。

ボルボ「C40リチャージ・ツイン」のインパネ

Volvo C40 Recharge Twin
ボルボC40リチャージ ツイン

・車両価格(消費税込):719万円
・全長:4440mm
・全幅:1875mm
・全高:1595mm
・ホイールベース:2700mm
・車両重量:2160kg
・モーター最高出力:300kW(408ps)/4350−13900rpm
・モーター最大トルク:660Nm(67.3kgm)/0−4350rpm
・バッテリー容量:78kWh
・トランスミッション:1速固定式
・駆動方式:4WD
・一充電走行距離:485km

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