高速道路を運転している際「トイレに行きたくて我慢できない…」「極度の眠気に襲われて運転できそうにない…」といった状況に陥った場合、「非常停止帯」使うことは問題ないのでしょうか。
■高速道路に設置されている非常停止帯…どのような状況で利用できる?
高速道路を利用した長時間のドライブにおいて「トイレに行きたくて我慢できない…」
、「極度の眠気に襲われて運転できそうにない…」といった状況に陥ったことがある人も多いでしょう。
そのような状況で高速道路には「非常停止帯」が設けられていることがありますが、非常停止帯はどのような状況なら利用することができるのでしょうか。
非常停止帯とは、主に高速道路の左側に一定間隔で設置されている路肩の部分が広く、停車できるスペースです。
緑色の標識が目印となっており、道路構造令の解説と運用では設置間隔について、高速道路では500m、トンネル内では750mと定められています。
NEXCO中日本の担当者は、非常停止帯の使用目的について「非常停止帯を利用できるのは、事故におけるクルマの損傷・破損等でクルマをまともに走行することができないような、緊急事態時です」と話します。
道路交通法においても、高速道路走行時におけるクルマの停車は厳しく法律が定められています。
道路交通法第75条の8には、停車および駐車の禁止として以下のように記載されています。
「自動車は、高速自動車国道等においては法令の規定もしくは警察官の命令により、または、危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、または駐車してはならない」
しかしその一方で、例外をのぞいて停車できる場合も同じく説明されており、その例外としては「故障その他の理由により停車し、または駐車することがやむを得ない場合において、停車または駐車のため十分な幅員がある路肩または路側帯に停車し、または駐車するとき」という項目があります。
つまり、クルマのタイヤがパンクしてどうしても走行が難しい場合や、運転手が急病を患い、運転に危険が及ぶ場合には、非常停止帯を使用しても良いということになります。
■トイレに行きたくて我慢できない!非常停止帯を使ってもいいの?
では、高速道路の長距離移動中にどうしてもトイレに行きたくなって我慢できないというような非常時の場合には、非常停止帯に停車して携帯トイレなどを利用しても良いのでしょうか。
前出の担当者は、このような状況における非常停止帯の利用について、以下のように話します。
「あまり今までにそういった事例はありませんが、非常停止帯の目的はあくまでも事故や病気で確実に運転ができない状況に陥ってしまったときです。
そのため、トイレに行きたくて我慢できないというような私的な事情で、むやみに非常停止帯を利用して停車することは推奨しません」
トイレに行きたくて我慢できないときや、運転中の睡魔が限界というとには、非常停止帯を利用するのではなく、近くのサービスエリアやパーキングエリアを利用することが望ましいといえます。
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ちなみに、前出の道路交通法第75条に違反したと見なされた場合「駐停車違反」として取り締まりを受ける可能性があります。
高速道路には、非常事態に備えたさまざまな対策が取られていますが、あくまでも事故や病気など緊急時のためで、トイレや仮眠は事前に余裕を持って済ましておくことがいいでしょう。