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なぜ「原付きナンバー」にガンダム採用? 「住民が羨ましい!」 クルマよりデザイン豊富な理由とは

くるまのニュース 2022年4月14日 14時10分

日本のナンバープレートのなかには、可愛らしいキャラクターがデザインされたものがラインナップされています。なかでもクルマのご当地ナンバーより、原付きのほうがポップなデザインが多いようですが、一体なぜなのでしょうか。

■原付きのナンバーデザインが豊富なのはなぜ?

 原付きなどのナンバープレートのなかには、可愛らしいキャラクターがデザインされたものがラインナップされています。
 
 クルマのご当地ナンバーより、種類が豊富でポップなデザインが多いようですが、一体なぜなのでしょうか。

 クルマが公道を走行するには決められたナンバープレートを装着しなければならず「道路運送車両法施行規則」などによって取り付け位置や角度などが細かく定められています。

 クルマのナンバープレートには、通常の無地のナンバーに加え、デザインが可愛らしい「地方版図柄入りプレート」(以下、図柄入りプレート)もラインナップされ、図柄入りプレートは「ご当地ナンバー」のひとつで、各地域を模したデザインが施されているものです。

 国土交通省自動車局の担当者によると、これまで図柄入りプレートの選定は、第1弾、第2弾と2回おこなわれ、2022年4月現在では58種類をラインナップ。 

 第1弾では、もともと地域登録されていた41地域のナンバープレートに図柄入りが加わり、第2弾では新規地域登録された17地域の図柄入りプレートが誕生しました。

 一方で、図柄が入ったナンバープレートを装着しているのはクルマだけではありません。

 SNSを見てみると、「倉敷市の原付きナンバー可愛すぎるので引っ越したい!」「奄美市の原付きナンバー可愛い〜!」など、あらゆる地域の原付きナンバーの可愛さに注目が集まっています。

 原動機付自転車、いわゆる原付きは、普通自動車免許、もしくは原動機付自転車免許にて運転することが可能です。

 普通自動車免許は18歳以上から取得可能ですが、原動機付自転車免許は16歳から取得できるため、免許保有ユーザーの層が幅広いのが特徴です。

 クルマと違って維持費も比較的安価であることから、日常の足として活用されるケースも多く見られ、地域によっては原付きを高校の通学手段としているところもあるほどです。

 そんな原付きのナンバープレートは、国土交通省ではなく、各地方自治体で管理され「地方税法」に基づいた規定に則って装着が定められていることになります。

 そのため、クルマのナンバーとは異なり、デザインはもちろん、表記内容の表示形式まで、各地方の自治体が自由に定めても良いものとされています。

 こうしたことから、原付きのナンバープレートは、クルマの図柄入りプレートに比べて自由度が高く、各地方自治体が細かく管理していることから、その種類も豊富にラインナップされているのです。

■ 可愛すぎる原付きナンバー!どんな種類がある?

 実際に原付きのナンバーを見てみると、そもそも形が長方形ではなかったり、アニメのキャラクターがデザインされていたりと、かなりバラエティが豊かです。

 SNSのコメントで見られた、岡山県倉敷市のナンバーでは、形は長方形ではあるものの、デザインはジーンズ(デニム)がモチーフのものとされており、まるでデニムパンツのポケットのようになっています。

 倉敷市では、「国産ジーンズ発祥の地にちなみ、全面にジーンズの柄を採用。ステッチでアクセントをつけ、ジーンズのパッチ部分に市名を配置し、タブ部分に現在の倉敷市域の地形と50周年となる2017年の数字を配したデザインとなっています。

 オリジナルビスを採用しリベットをイメージさせるものになっており、かなりこだわり抜かれたデザインになっていることがわかります。

 また、鹿児島県奄美市のデザインは、市内の自然をイメージしたものとなっており、在来種であるヘゴやアダンの木をモチーフに、プレートの形も木の葉にそって湾曲したもので、地域住民からの意見によって決められており、地元ユーザーの想いが反映されたものとなっています。

 愛媛県道後市のナンバーでは、同市を舞台とした司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」から、雲のようにモクモクとした形状のプレートを採用したり、地域の特性を生かしたプレートばかりです。

 そのほか、神奈川県小田原市では「小田原ふるさと大使」に就任された富野由悠季さんの代表作「機動戦士ガンダム」と小田原城がデザインされたものが2022年1月20日から交付されており、小田原市のPRと交通安全の啓発を目的に展開されています。

 このように各自治体によってデザインの選定方法は異なりますが、奄美市のように住民から意見を集めたり、デザインを募集したりしているケースも少なくありません。

 なかには、高校や大学の一環として、生徒がデザインしたもののなかから採用した地域もあり、原付きナンバーは、地域住民に寄り添ったデザインとなっているといえます。

絵柄のデザインだけではなく形そのものがユニークなモノも存在(画像提供:鉄瓶-06R @06R99039345)

 なお、クルマの図柄入りナンバーも規定はあるものの、地域住民から意見を集めてデザインされたり、地域のゆるキャラを模したデザインになっていたりすることがあります。

 例えば、熊本県では、ご当地ゆるきゃら「くまモン」がデザインされたナンバープレートを発行しています。2020年12月時点で2万件を超える申し込みがあり、多くの人に普及していることがわかります。

 また、愛媛県でもご当地ゆるキャラ「みきゃん」を採用したデザインのナンバーを発行しており、2020年時点で、図柄入りナンバーのなかで第3位の申込件数を記録しています。

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