2022年4月13日、トヨタは商用車「ハイエース」を一部改良しました。改良前に設定された個人ユーザー向けの特別仕様車「スーパーGL“DARK PRIME II”(ダークプライムツー)」も好評なため、引き続き販売されています。ベースのスーパーGLと共に、根強い人気の理由について改めてチェックしてみましょう。
■個人ユーザーから絶大な支持を集め続けるハイエースバン「スーパーGL」
トヨタの商用車「ハイエースバン」は、配送業などの法人ユーザーに加え、個人ユーザーからの支持も根強いモデルです。建築業などに携わる個人事業主オーナーに加え、近年はアウトドアレジャーの趣味に活用するケースも増えています。
こうした需要に応え、長年にわたり支持を集め続けてきたハイエースバンの上位グレードが「SUPER GL(スーパージーエル、以下スーパーGL)」です。
ハイエースバン スーパーGLは中古車市場でも根強い人気があり、例え走行距離が多い個体でも、高値で取引きされています。その理由は、他にない使い勝手の良さにあります。
なかでも最大の特徴は、2列目シートにあります。
通常のハイエースバンは荷室への積載を重視し、2列目シートは極めて小ぶりです。折りたたんで使用することを前提としたサイズになっているためです。
これに対しスーパーGLの2列目シートには、ミニバンのように大ぶりな3人掛け席が備わります。
120mmのスライド機構やフルリクライニング機構も備わり、大人5人でゆったりと乗車できてミニバン的に使えるのは、他のグレードにはない大きな利点となります。
つまりハイエースバン スーパーGLなら、平日は仕事で荷物や仕事道具を満載し、週末はミニバン的にと、1台で兼用することも可能な訳です。
貨客両用でフル活用できる実用性の高さこそが、スーパーGLが支持を集める大きな理由となっているのです。
■ハイエースバン特別仕様車「ダークプライムII」は、仕事にも遊びにもフル活用できる究極の1台
そんなハイエースバン スーパーGLをさらに豪華にした特別仕様車が、スーパーGL“DARK PRIME II”(ダークプライムツー、以下ダークプライムII)です。
“II(ツー)”の名称からもわかる通り、過去にハイエースバン スーパーGLに設定された特別仕様車のバージョンアップ版として、2018年8月に初登場しています。
ダークプライムIIは、ベースのスーパーGLに対しさらに装備が充実します。その違いについて、順を追って紹介します。
外観上は、フロントグリルやバックドアガーニッシュ部分のメッキ加飾をダークメッキに変更したり、ヘッドランプ内の加飾をクリアスモーク仕上げにしたりして、質感を向上させています。
内装では、ステアリングホイールやシフトノブ、ドアトリムなどの各部に黒木目マホガニー調加飾を追加。
さらにスイッチパネル類のシルバー加飾部もダークシルバーにアップグレードしています。
このほかシート地表皮の上質化、ルーフやピラートリム、セパレーターバーといった内装トリムのブラック化など、実に細部にわたり手が入っていて、短期的な特別仕様車とは明らかに違う扱いであることもわかります。
ハイエースバン特別仕様車 ダークプライムIIの価格は、2WD・ガソリン・ロングバンの標準ボディで328万600円(価格は消費税込み、以下同)から。
同仕様のスーパーGLは314万5700円で、価格差は13万4900円となっています。
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高層ビルやマンションといった大規模な建築現場に個人事業主の職人さん同士が集合した際、乗りつける自家用車でハイエースバン スーパーGLが占める割合は、相当に高いといいます。
千葉県で建築資材を扱う個人事業主のAさんは「現場で同じハイエースのスーパーGLが多数集まるなか、ダークメッキのグリルが光る“ダークプライムII”はさりげなく目を引く存在。正直うらやましい」と話します。
そんなダークプライムIIは、ハイエースバン スーパーGLの特別仕様車という扱いながらも、今回2022年4月の一部改良後も設定が継続しました。ダークプライムII人気の高さがうかがえます。
今後の売れ行き次第では、特別仕様車からレギュラーグレードへ昇格する可能性もあるかもしれません。