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「たばこポイ捨て」でポルシェがリコール再対策なぜ? 「ポルシェは優しすぎる」と言われる理由とは

くるまのニュース 2022年4月21日 8時10分

2022年2月、ポルシェジャパンは2018年10月に国土交通省に届け出た改善対策について、追加の届け出をおこないました。オーナーに届いた案内に対し、SNSなどで話題を呼んでいるようです。

■手厚い再改善の対策ぶりに、ポルシェオーナーも感動!? SNSでも話題に

 ポルシェジャパンは、2018年10月に国土交通省に届け出たポルシェ「718ケイマン」「718ボクスター」などのエアインテーク(空気吸入口)改善対策について、2022年2月に再び追加の届け出をおこないました。

 オーナー宛てにポルシェ販売店から対策整備の案内が届いたといいますが、その対応が「細かすぎて素晴らしい」と、SNSなどで話題となっています。

 ポルシェジャパンが2018年10月12日に国土交通省へ届け出した改善対策は、以下の通り記載があります。

「エアインテークの空気吸入口に保護ネット等の装備がないため、走行中に運転者席等からタバコ等を投げ捨てた場合、リヤホイール前部にあるエアインテークに吸い込まれ、エアインテーク内部に蓄積された枯葉等の異物が発煙するおそれがある」

 対象となるモデルは、718ケイマンと718ボクスターの各シリーズとなる計2601台でした。

 両モデルはエンジンが乗員の後ろに配置されるモデルのため、エアインテークも車体後方の側面に備わります。

 改善の対策としては「全車両、エアインテーク部を清掃し、保護グリルを取り付ける」ということでした。

 そもそもタバコのポイ捨て自体がモラルに反した禁止行為ですが、自車以外から不意にされることもあり、注意と対策が必要な案件となったようです。

 国土交通省によると、クルマのリコール制度とは、自動車メーカー自らの判断により、国土交通省に事前届け出のうえで回収・無償修理をおこない、事故やトラブルを防ぐ制度と定義付けています。

 なかでも、道路運送車両の保安基準に適合しない、もしくは適合しないおそれがある状態で、設計や製作過程に原因が認められた場合、必要な改善措置を「リコール」と定めています。

 今回の「改善措置」は保安基準の規定外ながら、不具合が発生した場合に安全の確保や環境の保全上看過できない状態で、設計や製作過程に原因が認められた場合にとられる処置となります。

※ ※ ※

 消費者庁のリコール情報サイトによると、2022年2月の再対策について備考欄に「本届出は、平成30年10月12日付、届出番号『557』にて届出を行ったものであるが、対策内容が不十分であった事が判明したため、対象車両を追加して届出するものである」とあります。

 これは、どういった点が不十分だったのでしょうか。

 ポルシェオーナーに向けて、正規販売店から届いた案内状には「同内容のご案内を2018年10月に送付させていただいておりますが、8mm以下のタバコだと通過する可能性があるため、再度ご案内をさせていただきました」とあります。

 近年、従来の紙巻タバコに対し、加熱式タバコがシェアを伸ばしています。

 煙や副流煙が出ない利点に加え、火も使わず熱で温めて使用することから火災のリスクも軽減したとされます。

 そんな加熱式タバコは径が細く、長さもグンと短くなりました。

 届け出で“8mm以下のタバコ”とされているのは、こうした事情のことを指しているものと思われます。

※ ※ ※

 タバコのポイ捨ては明確なマナー違反で、もしポイ捨てしたタバコが原因で火事などが発生した場合には何らかの罪に問われる可燃性もあり、おこなうべきではない行為だということは大前提です。

 そうしたなかで、今回ポルシェジャパンがおこなった細やかな改善措置に対し、SNSでは「ポルシェジャパンかわいそう」、「ポルシェは優しすぎる」、「確率相当低い事案に取り組む姿勢に感謝」などと、驚きと感謝の声があがったことから話題となったようです。

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