兵庫県の宝塚市と西宮市を結ぶ国道176号「名塩道路」の工事が進んでいます。中国道沿いに走る国道が抱える問題とは。
■1日2万台以上の2車線道路を4車線に拡幅
兵庫県の宝塚市から西宮市へと抜ける国道176号の改良が進んでいます。
中国道沿いに進むこの10.6kmの区間は「名塩道路」と名付けられ、設計速度60km/h、標準幅員24m、4車線で整備が進んでいます。
この区間は、宝塚市と西宮市、三田市を結ぶ動脈です。交通量は1日2万台を超えており増加傾向といいます。
しかし、国土交通省近畿地方整備局兵庫国道事務所によると、対面通行の幅の狭い2車線道路でカーブが多く、慢性的な渋滞が発生しています。また、歩道が狭かったり、なかったりする区間も多くあります。
さらに大雨の時には通行規制が実施され、阪神北部と大阪を結ぶ往来が遮断されることが毎年のようにあるといいます。
そこで1985年度に事業化され、少しずつ整備が進行。対象区間10.6kmのうち、これまでに3区間計6.3kmが4車線化され、走りやすくなりました。
現在は2区間で工事が進んでいます。
このうち西宮市内の生瀬町~塩瀬町名塩間2.2kmは、2026年春に4車線で開通予定。これを目指して、途中の生瀬トンネル(延長311m)は、2022年2月1日に貫通しています。
現道でヘアピンカーブのある同市内の塩瀬町名塩~山口町下山口間2.1kmも、完成見込みは示されていませんが、事業が進行中です。
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1995年の阪神・淡路大震災では、比較的被害の少なかったこの国道176号が、唯一の代替道路として物資輸送などに重要な役割を果たしました。
名塩道路は幹線道路としての機能強化とともに、緊急輸送としても機能するよう“災害に強い道路”を目指して整備が進められています。