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便利だけど盲点!? 大根やゴボウが真っ二つ! パワーウインドウで「挟み込み事故」起こる? 子供の事故を防ぐ方法とは

くるまのニュース 2022年5月3日 7時30分

クルマで移動する際、換気のために窓を開閉することがあります。最近のクルマではボタンひとつで開閉可能な「パワーウインドウ」が採用されていますが、挟み込みによる子供の事故も発生しています。そのような事故を防止するためにはどのような方法があるのでしょうか。

■パワーウインドウが挟み込み事故…防止対策には何ができる?

 春から夏にかけての気温が上がり始める時期は、車内に涼しい空気を入れ込むために窓を開け閉めすることが多くなります。
 
 そうしたなかで、窓の開閉時によって子供の「挟み込み事故」も発生しています。そのような事故を防止するためにはどのような方法があるのでしょうか。

 クルマの窓を開ける際、最近のクルマには電動で開閉が可能な「パワーウインドウ」が採用されています。これは、スイッチひとつで窓の開閉をおこなうことができる機能です。

 そんなパワーウインドウですが、気づかぬうちにトラブルや事故の原因となる可能性があり、そのような事例が過去にいくつも報告されてきました。

 政府広報オンラインは、パワーウインドウが引き起こす危険性のある事故について、「子供がパワーウインドウのスイッチをいたずらした手を挟んでしまった」、「子供が助手席のパワーウインドウに人差し指を挟み、切断してしまった」というようなケースを公表しています。

 また、子供自身の操作以外にさらに、大人による注意が行き届かず、知らぬ間に子供がパワーウインドウで指や首を挟んでしまうケースも発生しているようです。

 このような事故を防ぐために、パワーウインドウを操作する際には、子供のみならず乗車している人に目を向けて、声をかけることも大切だと考えられます。

 運転中でも、パワーウインドウを操作する際には大人が、乗客全員に「窓を閉めるよ」と一言声をかけ、子供の様子を確認することを意識するのが良いでしょう。

 加えて、国産メーカーの担当者は「子供がパワーウインドウのスイッチを間違えて操作できないように、ロックスイッチをONにしていただくのも有効的な対策です」と話します。

 パワーウインドウのロックスイッチは、運転席のパワーウインドウ操作スイッチ付近に設置されていることが一般的です。

 これにより、運転席以外での開閉操作が出来なくなるため、子供自身による誤操作を防ぐことが出来ます。

 また、メーカーや車種によって挟み込みを防止する安全機能が搭載されていることがあり、これはウインドウが閉まる途中で挟み込みを感知すると停止または数センチほど開く機能です。

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 そのほか、走行中に「子供が手を出す」、「身を乗り出す」といった行為は危険です。万が一の場合、転落事故の危険性も考えられることから、チャイルドシート/ジュニアシートを使いシートベルトを締めて子供が座席から離れないように配慮することが大切です。

■大根が真っ二つ! 使い方次第では危険なパワーウインドウの威力とは

 誤作動や確認不足で、重大な事故を引き起こしてしまう可能性があるパワーウインドウですが、実際にどのくらいの威力があるのでしょうか。

 2017年にJAFは「パワーウインドウの挟みこみ」のテストを実施しました。

これは、国産車(軽自動車、セダン、ミニバン)の3台をテスト車とし、スイッチを引き続けたときの窓の閉まる力や、閉まりかけた窓を手で止められるかというようなテストをおこなったものです。

 スイッチを引き続けた際の窓が閉まる力は、軽自動車、セダン、ミニバンの順に、運転席で27.7kgf、7.0kgf、34.6kgf。

 子供が乗車することの多い後部座席(右)では、27.5kgf、9.1kgf、26.2kgfとなっており、モデルによって大きく異なることがうかがえます。

 また、軽自動車とミニバンでパワーウインドウの閉まる力を大根やゴボウを使用しテストしたところ、いとも簡単に大根やゴボウが真っ二つに切れることが判明しました。

2017年にJAFがおこなったテストではパワーウインドウの開閉によって大根が真っ二つに切断出来ることがわかった(画像:JAF公式サイト)

 人間の手ではたやすく切断することのできない大根やゴボウが、一瞬で切れてしまう様は、パワーウインドウがどれほどの威力があるのかを顕著に表している結果といえるでしょう。

 さらに、閉まりかけた窓を手で止められるかというテストでは、8歳児は両手でも止めることができず、30代女性は片手で止めることができなかったという結果が示されています。

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 最近のクルマにはさまざまな電動装備が増えています。今回のパワーウインドウ以外にも電動スライドドア、電動サンルーフ、電動テールゲートなどにおいても、同様のトラブルや事故が起きない対策方法などを覚えておきましょう。

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