日本ではキャンプや車中泊の人気に伴いキャンピングカーの需要も伸びています。そうしたなかでキャンピングカーの本場といえるアメリカでは火を吹くキャンピングカーがオークションに出品されました。
■もはや意味不明!火炎放射器 “以外”はナイスなキャンピングカー
キャンピングカーの本場アメリカでは、比較的コンパクトなものから、大型バスをベースにした超豪華なものまでさまざまなキャンピングカーが走っています。なかには「火を吹く」キャンピングカーもあるようです。
移動の自由と快適な空間を兼ね備えたキャンピングカーは、アウトドアを趣味としている人でなくても一度はあこがれるものです。
近年の車中泊ブームをうけて、日本でもにわかに注目が集まっているキャンピングカーですが、軽自動車をベースにした「軽キャンパー」などが人気の中心です。
一方、キャンピングカーの本場アメリカでは、大型バスをベースにした超豪華なものや、もはや「家」そのものを運んでいるものなど、バラエティ豊かです。
そしてこのほど、「火を吹く」キャンピングカーがオークションサイトに出品されたことが話題を呼んでいます。
自動車専門オークションサイト「BRING A TRAILER」に出品された1968年式のキャンピングカーは、一見すると、ピックアップトラックをベースにしたオーソドックスなキャンピングカーのように見えます。
しかし、フロントグリルをよく見ると、ビッグホーンのスカルをかたどった装飾が施されており、なんとその鼻先には火炎放射器が備わっています。
この火炎放射器は、プロパンガスによって炎を放ち、その際には眼の部分に埋め込まれた電球が怪しげな光を放ちます。その炎はかなり強力ではありますが、放射範囲は2m-3m程度となっており、実際に草木を焼き払ったりするのに使用できるほどの実用性はありません。
一方、この摩訶不思議な装備以外は至ってふつうの、むしろ上質といっても過言ではないキャンピングカーです。
ベースとなっているのは1968年式のシボレー「C20 ロングホーン」で、ピックアップトラックとしては現在でも人気の高い定番モデルです。
ほぼオリジナルの状態が維持されており、心臓部には396立方インチ(約6500cc)のV8エンジンが搭載され、4速MTが組み合わされます。4輪すべてでドラムブレーキとなっている点もオリジナルのままです。
荷台に載せられたキャンピングシェルは、フランクリン製です。
その内部は非常に上品に仕上げられており、1960年代のアメリカを感じさせるレトロ感があります。テーブルとソファは、就寝時には2段ベッドへと切り替えることができ、実用性も十分です。
そのほか、4口のガスコンロや冷蔵庫、トイレやシャワーまで備わっており、キャンピングカーとしての性能は非常に高いといえそうです。
生産されてから50年以上が経過しているということもあり、劣化が見られる部分もありますが、2011年以降何度か大規模な整備が行われており、全体的にコンディションは良好のようです。
2022年5月11日現在、このキャンピングカーは新規の入札が締め切られていますが、ここまで19件の入札があり、最高額は4万3500ドル(約560万円)となっています。
この入札額の背景に、火炎放射器がどれだけ貢献しているかは定かではありませんが、全体的なコンディションの良さを見ると、火炎放射器がなかったとしてもそれなりの価格が付いたのかもしれません。
ちなみに、この火炎放射器がどんな理由で取り付けられたのかは不明なようです。ただ、取り外しは可能なようです。
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この「火炎放射器付きキャンピングカー」ですが、もし日本で使用した場合、安全運転義務違反をはじめとした道路交通法の各種や、道路運送車両法各種、さらには軽犯罪法違反(火気乱用)などに該当する可能性が濃厚です。
クルマに火炎放射器を搭載するのは、絶対にやめましょう(?)。