クルマの「アクセサリーソケット(電源ソケット)」は、一般的には運転席や助手席から手の届きやすいところに設置されていますが、マツダ「ロードスター」ではちょっと変わった位置にあるようです。
■こんなところにある!?ロードスターのアクセサリーソケット
クルマから電源を取り出すことのできる「アクセサリーソケット(電源ソケット)」は、スマートフォンやタブレットなどへの充電や、カーナビやドライブレコーダーへの給電など、現代のクルマには必要不可欠の装備です。
一般的には運転席や助手席から手の届きやすいところに設置されていますが、マツダ「ロードスター」ではちょっと変わった位置にあるようです。
かつてはアクセサリーソケットは「シガーソケット」と呼ばれ、タバコに火を付けるための装備として知られていましたが、近年ではおもに電源供給用のソケットとしての役割が強くなっています。
そんなアクセサリーソケットですが、インパネ部やセンターコンソール上などに設置されていることがほとんどです。
アクセサリーソケットは、その名の通り、充電器などの車載用品(アクセサリー)を挿入して利用するためのものであるため、その設置場所は必然的に運転席からも助手席からも利用しやすい位置になることが一般的です。
一方、日本を代表するライトウェイトスポーツカーであるマツダ「ロードスター(ND型)」には、一見してアクセサリーソケットが備わっているようには見えません。
実際には、助手席の足元上部(インパネ部の裏側)に隠されるように設置されていますが、潜り込むようにしないと見えないような場所となっているため、オーナーでも気が付かない人もいるようです。
機能としては、一般的なアクセサリーソケットと同様DC12Vでの給電が可能ですが、なぜロードスターではアクセサリーソケットがこのような位置に設置されているのでしょうか。
マツダの広報担当者は、次のように説明します。
「ライトウェイトスポーツカーであるロードスターのレイアウトは非常にシビアで、工夫を凝らさなければいけません。
そのため、インパネ部にはスペースの余裕がほとんどなく、結果としてインパネ部の裏側という、通常ではあまり見られない位置にアクセサリーソケットが設置されることとなりました」
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ロードスターのインパネ部には、エアコンなどの各種スイッチやふたつのUSBソケットなどが備わっています。
ただ、一般的なクルマに比べて、インパネ部とシフトレバーやサイドブレーキまでの距離が短く、アクセサリーソケットを利用すると運転操作に支障が出てしまう可能性もあります。
こうした理由から、ロードスターのアクセサリーソケットはあまり一般的ではない位置に設置されているようですが、前出の担当者は「通常は見えないことやハーネスが短くて済むことなどから、デザイン的にも軽量化にも最適な位置となっている考えています」と話します。
■不便さも感じるけど、ユーザーは気にしない?
一方、実際にロードスターのユーザーは、このアクセサリーソケットの位置についてどのように感じているのでしょうか。
ロードスターを愛車としているある男性は、次のように話します。
「ロードスターに備わっているふたつのUSBソケットは、電圧があまり高くないため、スマートフォンなどの充電に想像以上の時間が掛かります。
アクセサリーソケットを利用するとより早く充電できるため、その点では重宝しています。
ただ、そもそもトランクスペースがほとんどないロードスターですから、助手席に人が乗った際には、足元に荷物を載せることもめずらしくありません。
そうすると、アクセサリーソケットに足や荷物を引っ掛けてしまい、挿していたアクセサリーが抜けてしまうことがあります。
挿し直そうとすると、潜り込むような体制とならなければならないため、そういった意味では不便さも感じることもあります」
このように、ユーザーのなかには、ロードスターのアクセサリーソケットの位置に多少の不便を感じる人もいるようです。ただ、このユーザーは次のように続けます。
「ロードスターの魅力の前では、アクセサリーソケットの位置など大した問題ではありません。
結局はクルマとして何を重視しているかが重要ですし、ロードスターにミニバンと同じ使い勝手を求めいるわけではありませんから」
捉えようによっては不便であるようにも思われるロードスターのアクセサリーソケットの位置ですが、ロードスターというクルマの性格を考えれば、それほど大きな不満が出ていないというのが実際のところのようです。
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前出のマツダの担当者によれば、ロードスターのアクセサリーソケットを利用するユーザーの多くは、スマートフォンを充電したりApple CarPlayに接続したりするのに使用するほか、パンク修理キットのエアポンプを使用する際の電源として活用しているようです。