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ハイスペックマシンだけどファミリーカーにもなる!? 普段使いもイケる高性能車3選

くるまのニュース 2022年5月16日 6時10分

高性能車の代表といえば生粋のスポーツカーが挙げられますが、普段使いには厳しい面もあり、購入を思いとどまってしまうという人も多いのではないでしょうか。そこで、普段使いにも適したハイスペックモデルを、3車種ピックアップして紹介します。

■ファミリーカーにもなり得る高性能車を振り返る

 クルマ好きならばつい注目してしまうのが、ハイスペックなエンジンを搭載した高性能車ではないでしょうか。その代表的な存在といえば、生粋のスポーツカーやスーパーカーです。

 そんなスポーツカーやスーパーカーの最大の特徴は、走行性能向上に特化した設計で、ボディはロー&ワイドなウエッジシェイプの2ドア/3ドアで、2シーターもしくはリアシートはおまけ的な2+2の内装、さらに荷室容量も十分とはいえません。

 そのため、ファミリー層のユーザーならば普段使い用のクルマとの複数所有を余儀なくされ、もしくは使用環境によっては購入を諦めてしまうケースも多いのではないでしょうか。

 しかし、生粋のスポーツカーに匹敵する高性能モデルのなかには、日常の使用にも十分に対応できるモデルも存在。

 そこで、普段使いにも適したちょっと前のハイスペックカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●レクサス「IS F」

5リッターV型8気筒エンジンを搭載したスーパーセダンの「IS F」

 トヨタは1989年に、アメリカで高級車ブランドのレクサスを立ち上げました。その後2005年に日本でもレクサスブランドの展開が開始され、当初のエントリーモデルは4ドアセダンの「IS」でした。

 そして2007年には、ISをベースにしたハイパフォーマンスモデルである「IS F」が登場。

 レクサス初のFモデルとなったIS F最大の特徴はエンジンにあり、フラッグシップの「LS600h」用5リッターV型8気筒自然吸気をベースにチューニングされ、最高出力は423馬力を発揮しました。

 組み合わされるトランスミッションも特別に仕立てられ、「LS460」用の8速ATをベースに1速以外のギアをほぼ全域でロックアップするプログラムを採用しており、DCTにせまる変速速度とダイレクト感を実現しながらも、スムーズな発進加速を可能としました。

 外観では前後フェンダーを拡大したワイドボディで、巨大なエンジンを収めるためにボンネットを大きく膨らませてスペースを確保し、フロントフェイスもIS F専用デザインで差別化されました。

 リアまわりでは左右4本出しのマフラーが装着され、見た目の迫力だけでなく力強いエキゾーストノートを奏でました。

 内装では専用のスポーツシートとステアリングが装着され、スポーツマインドあふれるラグジュアリーカーテイストのスポーツカーを演出。スタンダードなISと異なり4名乗車でしたが、リアシートの居住性やトランクの容量は変わりません。

 また、この大パワーに対応するため足まわりの強化とブレンボ製ブレーキが奢られ、コンセプトどおりサーキット走行も可能でした。

 なお、2010年に発売された改良型では足まわりを中心にブラッシュアップされ、乗り心地も洗煉され、さらに2013年には最高出力が430馬力にアップした特別仕様車も発売されました。

 その後2014年にIS Fは生産を終了し、以降はラインナップされませんでしたが、アメリカでは現行モデルに「IS 500 Fスポーツパフォーマンス」がラインアップされており、5リッターV型8気筒エンジンを搭載していることからIS Fの再来と評されています。

●ホンダ5代目「シビックタイプR」

シリーズでも唯一、コンフォートな走りを可能にした「FK8型 シビックタイプR」

 ホンダの高性能車を代表する存在といえば「タイプR」シリーズですが、2022年中には最新モデルの新型「シビックタイプR」の発表が控えています。

 そして、ひとつ前のモデルで争奪戦が繰り広げられたのも記憶に新しいのが、2017年に発売された5代目シビック タイプRです。

 ボディは4代目に続いて5ドアハッチバックセダンで、外観は巨大なリアウイングやエアロパーツによる迫力あるスタイリングで、スポーティに演出された内装などタイプRシリーズならではのアイテムが満載。

 エンジンは最高出力320馬力を誇る2リッター直列4気筒VTECターボで、組み合わされるトランスミッションは6速MTのみと、イージードライブには対応していません。

 一方で、開発プロセスがこれまでと大きく異なり、4代目までのシビックタイプRは標準モデルのシビックをベースにチューニングすることで高性能化が図られましたが、5代目ではシビック ハッチバックと同時に開発することで、タイプRながら普段使いにも対応できるほど実用性が向上しました。

 具体的には、走行モードを「COMFORT」に設定すればステアリングやアクセルの反応がマイルドになり、サスペンションもソフトなセッティングに変更されるなど、乗り心地も飛躍的に改善されファミリーカーとしても十分に機能します。

 また、「SPORT」モードではワインディングロード向けのセッティングとなり、「+R」モードではサーキット走行に対応できるなど、まさに新時代のタイプRといえる仕上がりでした。

●スバル初代「レヴォーグ」

優れたユーティリティのステーションワゴンであり、かつ高性能だった初代「レヴォーグ」

 スバルは1989年に初代「レガシィ ツーリングワゴン」を発売し、ステーションワゴンブームを巻き起こしました。続いて1992年には「インプレッサ スポーツワゴン」が加わり、高性能なスポーツワゴンラインナップを盤石なものとしました。

 その後2014年に、2車を統合するかたちで初代「レヴォーグ」が登場。スポーツワゴンのDNAは継承され、外観は前傾姿勢を強調したシャープなウエッジシェイプで、よりスポーティなフォルムを実現。

 搭載されたエンジンは2リッターと1.6リッターの水平対向4気筒ターボで、最高出力は1.6リッター車が170馬力、2リッター車では300馬力を誇りました。

 また、トランスミッションはCVTのみで、2リッター車では高出力に対応した「スポーツリニアトロニック」を搭載し、8速マニュアルモード時はダイレクトかつスピーディな変速スピードによってスポーツ走行にも対応。

 駆動方式は全車AWDで、2リッター車は前45:後55の駆動トルク配分を基本とする連続可変制御を採用し、コーナリング時の回頭性の良さと、高速直進安定性を両立していました。

 さらに発売当初から安全運転支援システム「アイサイトver.3」が装備され、安全性能も高レベルでした。

 また2016年には、よりスポーティなグレードの「STIスポーツ」が加わり、専用デザインのフロントフェイスやアルミホイールの採用と、内装も専用のテーマカラーである「ボルドー」でコーディネートすることで特別感を演出。

 足まわりはビルシュタイン製ダンパーなど専用のチューニングを施し、専用コイルスプリングとの組み合わせにより、操縦安定性と乗り心地の向上とともに優れた旋回性能を高次元でバランスしていました。

 初代レヴォーグは出力的に現行モデルを凌駕し、高い安全性能と優れたユーティリティのステーションワゴンという、今も大いに魅力的な存在です。

※ ※ ※

 もうすぐ正式発表される新型シビックタイプRですが、すでに鈴鹿サーキットでのテスト走行で先代を上まわるタイムを記録し、パフォーマンスの向上は明らかです。

 もうひとつ気なるのはコンフォート性能で、今やスーパーカーでも乗り心地の良さが求められる時代ですから、新型シビックタイプRも先代と同じく普段使いに対応しているかが注目されます。

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