毎年5月に自動車税の納税通知書が届きほとんどの場合には5月末までに納税しなければなりません。納税は国民の義務ですが、なんらかの理由によって自動車税が払えない場合にはどうすればよいのでしょうか。
■GW明け頃にやってくる…自動車税とは?
毎年、ゴールデンウィークの時期に届く自動車税の納税通知書。
自動車税の税額はクルマによって変わりますが、決して安いものではなく、負担に感じる人もいるかもしれません。
もちろん、納税は国民の義務ですが、なんらかの理由によって自動車税が払えない場合にはどうすれば良いのでしょうか。
自動車税は、毎年4月1日時点でのクルマの持ち主に対して課税され、排気量によって税額が変わります。
例年、自動車税の納税通知書はゴールデンウィーク明けごろに発送され、東京都の例を見てみると発送は5月2日、納税期限は5月31日となっています。
自動車税はクルマを持っている人にとっては毎年必ずかかる出費ですが、その税額は決して安いものではありません。
自動車税は、直近では2019年10月に税制改正がおこなわれています。
それ以降に登録したクルマの自動車税は、「排気量1000cc以下」2万5000円/「排気量1000cc超から1500cc以下」3万0500円/「排気量1500cc超から2000cc以下」3万6000円/「排気量2000cc超から2500cc以下」4万3500円。
「排気量2500cc超から3000cc以下」5万円/「排気量3000cc超から3500cc以下」5万7000円/「排気量3500cc超から4000cc以下」6万5500円/「排気量4000cc超から4500cc以下」7万5500円。
「排気量4500cc超から6000cc以下」8万7000円/「排気量6000cc超」11万円となっており、軽自動車の場合は、軽自動車税として1万0800円が課されます。
この税額を基本として、登録されてから11年を超えたディーゼル車と、13年以上経ったガソリン車とLPガス車に関してはおよそ15%ほどの重課がなされ、軽自動車の場合においてはおよそ20%ほどの重課となります。
反対に、電気自動車やハイブリッド車などについては、グリーン化特例によって軽課や免税される場合もあります。
東京都では、ZEV導入促進税制を独自に設けており、環境負荷がとくに低い電気自動車やプラグインハイブリッド車といったモデルでは、初回新規登録時と翌年から5年分の自動車税が免税されます。
神奈川県でも似たような制度を設けており、電気自動車やプラグインハイブリッド、LPガス車であれば、購入した翌年の自動車税がおおむね最大75%軽課されます。
これらの軽課や免税措置は、各自治体によって規定が異なるため、新車を購入する場合は減税額や減免対象となっているかどうか確認する必要があります。
■自動車税が期日までに支払えない!そんなときはどうしたらいい?
一方、病気や怪我などによって収入が減ったというような、やむを得ない事情によって自動車税の支払いができない状況に陥った場合でも納税はおこなわなければならないのでしょうか。
もちろん、日本国民である以上、納税の義務があることは事実ですが、状況によっては納税の猶予や減免が適用される場合もあります。
例えば、新型コロナウイルスの影響で収入が減っている場合には、各自治体で設けられている猶予措置が利用できる場合があります。
東京都の場合、徴収猶予または換価の猶予という形で、納税の猶予制度を申請することができるようになっており、申請が受理されれば延滞金の一部もしくは全額免除をしたうえで、最長1年の猶予を持たせることができるようになっています。
猛威を振るう新型コロナウイルスの影響を受けた人は数多く、自動車税に限らず納税の猶予が認められるケースは少なくないようです。ただし、猶予を受けるためには、各自治体へ相談をすることが必須です。
また、地方税法の第15条の5によると「当該徴収の猶予をする金額を当該徴収の猶予をする期間内において、当該徴収の猶予を受ける者の財産の状況その他の事情からみて合理的かつ妥当なものに分割して納付し、又は納入させることができる」と説明しています。
このことから、条件を満たせば、原則として1年以内で自動車税の分割納付が認められるということがわかります。
ただし、こちらの場合では自動車税の納税期限翌日、つまり6月1日から納めた日までの日数分が延滞日数としてカウントされ、税額に基づいた延滞金が発生します。
しかし、延滞金が発生する分、分割納付は比較的認められやすいといわれています。こちらも、しっかりと相談することが必須です。
さらに、そもそも一括払いが難しいと前もって分かっている場合には、支払い方法をクレジットカードにし、支払い回数を設定することで分割払いにすることも可能です。
支払回数は各カード会社で異なる場合と、各都道府県で決められている場合がありますが、東京都では3回/5回/6回/10回/12回のなかから選ぶことができます。
しかし、クレジットカードを使っての納税は領収書が発行されず、納税証明書の発行には申請が必要となる点には注意が必要です。
また、自治体によっては自動車税の納付に関する専用の窓口を設けている場合もあります。
生活の困窮を始め、自動車税を支払うことができない何らかの理由がある場合、主税局に相談してみるのもひとつの手段です。
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ちなみに、前述のような対策を取らず、自動車税の支払いを期日までにおこなわなかった場合、延滞料金が発生し、督促状が届きます。
さらに、督促状が来ても支払いを完了させなかった場合、財産の差し押さえなどの滞納処分を受ける可能性があります。
やむを得ない事情で自動車税の支払いが期日までにおこなうことができないとわかった場合には事前に税事務所に連絡をしたり、猶予措置をおこなったりなど、できる対策をしましましょう。