ホンダのSUV「CR-V」が生産終了となる代わりに、新型SUVとして「ZR-V(またはHR-V)」が国内導入されます。ホンダのSUVの名称として「〇R-V」が用いられることが多いのですが、どのようなモデルが存在するのでしょうか。
■ホンダは「〇R-V」のSUVが多すぎない?
ホンダのミドルサイズSUVとして1995年に登場した「CR-V」の国内向けモデルが2022年8月に生産終了することがわかりました。
ライトクロカンというジャンルの先駆けとして初代がヒットしたCR-Vは、4代目の途中で約2年間は販売が中断されたのち、2018年に5代目(現行モデル)が国内復活を遂げました。
しかしSUVブームのなか、各メーカーがこぞってSUVを投入したこともあり、CR-Vはそのなかに埋もれてしまい、残念ながら国内市場から姿を消すことになったのです。
CR-Vの終了によって、ホンダのSUVは「ヴェゼル」のみとなりますが、これは一時的なこと。実は、ヴェゼルの兄貴分にあたる新型SUVが2022年内にデビューすることになっています。
日本仕様のモデル名は明らかになっていないものの、北米で発表された新型「HR-V」が導入される予定です。
また、同じ新型SUVが中国や欧州では新型「ZR-V」として登場。現行「シビック」をベースとし、国や地域によって異なるものの、パワーユニットはターボエンジンまたはハイブリッド「e:HEV」が搭載されるようです。
ホンダのSUVを見ると、CR-VやHR-V、ZR-Vなど、「〇R-V」という車名が多いことに気付きます。
ホンダ広報部によると、「CR-Vから始まって、その後のホンダのSUVブランドとして名称を統一しています。『R』は車種によって意味が異なりますが、『V』はビークルを表しています」とのことです。
CR-Vは、「Comfortable Runabout Vehicle」、HR-Vは「Hi-rider Revolutionary Vehicle」の頭文字であるとされています。
日本で販売された「〇R-V」のモデルはこの2車種しかありませんが、海外に目を向けると、ほかのアルファベットを冠した「〇R-V」モデルがいくつか存在しています。一体どのようなモデルがあるのでしょうか。
●BR-V
2015年のインドネシアモーターショーでプロトタイプが世界初公開されたクロスオーバーSUV。インドネシアやインドでなど、アジア市場に投入されました。名前の由来は「Bold Runabout Vehicle」。
現行モデルは2022年1月に発売された2代目で、SUVらしい力強い外観を特徴とする3列シート7人乗りモデルです。
●UR-V
UR-Vは、中国でホンダ車を製造・販売する東風本田のフラッグシップSUVです。
現行モデルは2020年6月に登場。CR-Vよりもひと回り大きなボディサイズで、クーペ風の流麗なスタイルを持ち、エレガントな内装が特徴です。
●WR-V
WR-Vは3代目「フィット」をベースとしたコンパクトSUVで、ブラジルで2017年に発売されました。
南米のユーザーニーズに基づき、Honda R&D Brazilで開発。タフでありながら都会的なSUVデザインと高いユーティリティ、広い室内空間をコンパクトなボディサイズで実現しています。
●XR-V
XR-Vは、中国の合弁会社である東風ホンダが同市場で展開するコンパクトSUV。初代ヴェゼルと基本設計は共通となりますが、独自のデザインが与えられました。
エンジンは1.5リッター自然吸気と同ターボ2種類で、ハイブリッドの設定はありません。
「ホンダコネクト」や「ホンダセンシング」といった先進装備が搭載されています。
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SUVではありませんが、「FR-V」というモデルもありました。
これは、ユニークなミニバンとして2004年に登場した「エディックス」の欧州名。
エディックス/FR-Vは「3by2」と呼ばれる3席2列シートにより6人乗りを実現し、前席、後席ともすべてのシートが独立してスライドできるなど、さまざまなアレンジを可能としていました。
欧州仕様にはディーゼルエンジンも設定され、さらに国内仕様にはない6速MT車もラインナップされていました。