阪神高速16号大阪港線の、天保山方面の西船場JCT~阿波座JCT間で、1車線をふさぐ規制が2年間実施されます。長期にわたり何がおこなわれるのでしょうか。
■2024年秋まで車線規制
阪神高速16号大阪港線の一部区間で、2年以上にわたり車線規制が実施されます。
場所は、天保山方面の西船場JCTから阿波座JCTまでで、この区間の4車線のうち一番左の1車線が600mにわたりふさがれます。
期間は、2022年6月10日22時から2024年秋までの予定です。
この1車線規制に伴い、車線数が絞られる西船場JCTの1号環状線からの合流部や、分岐形状が変わる期間のある阿波座JCTの3号神戸線への分岐部は、走行に注意が必要になります。
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ここでは、2年以上の長期にわたり1車線規制が実施されることになりますが、その理由は何なのでしょうか。
阪神高速によるとこの区間は、1997年に3車線から4車線に拡幅されました。
このとき、拡幅分の橋桁を支える橋脚の設置場所に制約があったため新旧の橋脚位置はそろえられず、そのため橋桁も新旧の桁を構造的に連結せずに、境目にゴム製の伸縮装置(縦目地)を入れて走行面を連続化しました。
しかしその後、一部区間で大きな損傷や異常音といった不具合が発生。対策を講じているものの、現時点で抜本的な解消には至っていないといいます。
そして今回の車線規制は、この不具合を抜本的に解消する大規模修繕工事によるものです。
解析技術の向上に伴い、橋桁を支える支点位置の統一と拡幅桁の取り換えにより桁・床版の一体化が可能に。
そこで、この西船場JCT~阿波座JCT間では、不具合の抜本的解消、耐震性や走行性の向上、騒音低減を実現するため、縦目地構造をやめるといいます。
この工事は2020年12月に着手されており、既設橋脚の改良が進行中。3車線分を支える梁を4車線分に拡幅し、ケーブルで補強したり、荷重を支える構造を改良したりしています。
6月から始まる車線規制中には、拡幅桁を取り換えて、新しい桁と既設桁を一体化することで縦目地構造をなくします。
阪神高速は「高速道路をご利用されるお客さま、ならびに沿道にお住まいの皆さまには長期にわたりご迷惑、ご不便をお掛けいたしますが、何とぞご理解とご協力をお願いいたします」と呼び掛けています。