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最初の4ドアで最後のNAエンジン! 新型登場秒読み前に超硬派セダン3代目「シビックタイプR」を振り返る

くるまのニュース 2022年5月30日 20時50分

もうすぐ新型が発表されるホンダ新型「シビックタイプR」ですが、すでに鈴鹿サーキットでFF車最速タイムをマークするなど、その性能には大いに期待が高まります。そこで、歴代のシビックタイプRのなかから、初の4ドアで最後の自然吸気エンジンモデルだった3代目を振り返ります。

■超辛口セダンとしてデビューした3代目「FD2型 シビックタイプR」を振り返る

 すでにプロトタイプが公開され、2022年中には正式発表が待たれるクルマといえば、ホンダ新型「シビックタイプR」です。2022年4月には三重県・鈴鹿サーキットにおいて、2分23秒120のラップタイムを記録し、FF車最速タイムを更新するなど、さらにパフォーマンスに磨きがかかっています。

 シビックは1972年に、次世代のベーシックカーとして誕生。1983年に登場した3代目から本格的に高性能化が図られ「スポーツコンパクト」というイメージが確立されました。

 その後、代を重ねるごとに高性能化していき、1997年には「NSX」「インテグラ」に続く「タイプR」シリーズ第3弾として初代シビックタイプRがリリースされました。

 2022年中に正式発表される新型は6代目にあたりますが、歴代を通じて大きなターニングポイントだったのが2007年に発売された3代目のFD2型 シビックタイプRです。

 そこで、新型登場を前に、この3代目シビックタイプRはどんなモデルだったのか、振り返ります。

※ ※ ※

 3代目シビックタイプRは、2007年3月30日に発売。ボディは初代インテグラタイプR以来の4ドアセダンを採用し、2代目がイギリス工場で生産されたのに対して日本製に回帰しました。

 4ドアセダン専用モデルとなった8代目シビックをベースとし、外観はスパルタンな印象を醸し出す専用エアロパーツを採用。大開口のフロントバンパー&フロントグリル、リアバンパー&リアディフューザー、大型リアスポイラー、サイドシルガーニッシュなどによって、戦闘的なスタイルに変貌を遂げました。

 もちろんイメージカラーは「チャンピオンシップホワイト」で、ほかに「カイザーシルバー・メタリック」「ビビッドブルー・パール」の3色を用意し、赤地に「H」マークというタイプRの証であるエンブレムが装着されました。

 内装も歴代タイプRの作法に則り、ホールド性が高い専用のスポーツシート「Honda R specシート」や、「i-VTEC/REVインジケーター」付き専用メーターパネル、専用の3本スポーク小径本革巻ステアリングホイール、アルミ製の球形シフトノブ、メタル製スポーツペダル&フットレスト、エンジンスターターボタンなどのアイテムを採用。

 乗車定員はベース車の5人から4人乗りとするなど、セダンとはいえ、あくまでもスポーツカーであることを強調していました。

 シャシまわりのチューニングもタイプRシリーズの特徴で、ベース車に対し軽量化と剛性アップを図り、初代インテグラタイプR比でボディ剛性を約50%向上していました。

 足まわりはサーキット走行にも耐えるように前後ダンパーの減衰力とスタビライザー径、スプリングレートをそれぞれアップし、優れたスタビリティを獲得。しかしその反面、公道での乗り心地や騒音は二の次とされ、ファミリーカーとして使うことなど想定せず、ストイックに走行性能を重視。

 ホイールも専用で18インチ径とされ、ハイパフォーマンスタイヤのブリヂストン「ポテンザRE070(225/40R18)」を採用し、17インチのブレンボ製のアルミ製対向4ポットキャリパーがフロントに装着されました。

 そして、ハイライトのひとつであるエンジンは、最高出力225馬力を8000rpmで発揮する2リッター直列4気筒DOHC i-VTECを搭載。ポート表面の平滑化や専用のインテークマニホールドおよびエキゾーストマニホールド、圧縮比アップ、専用のカムプロフィールなど、いわゆるメカチューンが施されていました。なお、この3代目が最後の自然吸気エンジンでした。

 トランスミッションはショートストロークかつクロスレシオの6速MTのみ。高剛性のアルミ製トランスミッションケースや、高速旋回時のオイル潤滑性の向上のために樹脂製バッフルプレートを採用し、ヘリカルLSDを標準装備するなど細部にわたってスポーツ走行を想定していました。

 その後、3代目シビックタイプRは2010年に生産を終了。4代目からは2リッターターボエンジンへとスイッチし、さらに5代目ではコンフォートな面も考慮するなど、正常進化を果たしました。

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