ゴールデンウイークが過ぎた時期から、クルマのオーナーには一通の封書がやってきます。これは各都道府県の自動車税事務所から来る納税通知書で、多くの都道府県では5月31日までに納付しないといけません。少しでもオトクに納税する方法はあるのでしょうか。また納付期限を過ぎてしまったらどうすればいいのでしょうか。
■自動車税の納税直後に車検を受ける場合は要注意
毎年4月1日時点で、クルマを所有する人に課せられる税金が、自動車税です。
ここでは、この自動車税の納付方法や、納付にあたっての注意点、もし納付しないでいるとどうなるのかなどについて、まとめてみたいと思います。
なお自動車税は都道府県税であるため、たとえば多くの都道府県では納期限が5月末であるところ、一部の県では6月末となっているなど、その取り扱いは都道府県ごとに若干の差異があります。
そのため住んでいる地域によっては、記事とは内容が異なる場合があることをご了承ください。
さて、自動車税の納付方法は、大きく「有人の窓口を利用する」「金融機関のATMを利用する」「インターネットなどオンライン決済する」にわかれます。
たとえば東京都の場合、窓口は銀行(東京都指定金融機関および東京都公金収納取扱機関)や郵便局、都税事務所・支所・支庁、コンビニとなっていて、納付用紙を持参し、現金で納付します。また金融機関のATMでは、出納サービス「Pay-easy」を使い、現金もしくは預金口座から納付することができます。
一方オンライン決済は、「PayPay」「auPAY」「d払い」「LINE Pay」などのスマートフォン決済アプリ、クレジットカード、「Pay-easy」を使ったインターネットバンキングが、納付の手段として利用できます。
クルマのオーナーは、こうした支払い方法からどれかひとつを選んで自動車税を納付することになりますが、注意点もあります。
まず、自動車税の納付直後に車検を受ける場合です。
車検を受けるには「自動車税が納税されていること」が必須となっています。かつてはその証明に「納税証明書」を用いていましたが、現在は運輸支局および自動車検査登録事務所がオンラインで納税確認ができるようになり、納税証明書は不要になりました。
しかし、納付してからオンラインで確認可能になるまでにはタイムラグが生じるため、納付から車検を受けるまでの期間が短い場合(東京都の場合、おおむね1週間以内)は、窓口で納付し、納付用紙右端の「自動車税(種別割)納税証明書」に取扱日付印をもらい、利用することが推奨されています。
納付直後に車検を受ける予定のある人は、都道府県のお問い合わせ先で確認しましょう。
■自動車税納付の督促状を無視し続けるとどうなる?
またクレジットカードでの納付では、ふだんのお買い物とは異なり、金額に応じた決済手数料(東京都の場合、1万円ごとに税別73円)が、自動車税の税額に上乗せする形でかかります。
単純に支払う金額だけを考えれば、現金またはスマートフォン決済のほうが有利です。
ただ航空会社系のクレジットカードでマイルを貯めている場合、1マイルの価値は使い方によって10円以上にもなるため、支払い手数料以上のメリットが得られると判断し、カード決済を選ぶ人もいます。
なお昨年度(2020年度)まではスマートフォン決済の「PayPay」で納付すると、0.5%から1.5%のポイント付与がありました。
しかし残念ながら、2022年4月のルール変更で、今年度の自動車税の納付はポイント付与の対象外となっています。
※ ※ ※
ではこの自動車税を払わないままでいるとどうなるのでしょうか。
まず、納付期限までに支払わないと、都道府県税事務所から督促状が送付されます。
さらに期限から遅れての納付となると、法に基づいた延滞税(2022年1月1日から12月31日の期間では、納期限の翌日から1カ月を経過するまでの期間は2.4%、それ以降は8.7%)が課せられます。
そして納付の督促を無視し続けた場合には、私有財産に対して差し押さえがおこなわれる可能性もあります。
実際には1000円未満の延滞税は計算上切り捨てとなるため、納付遅れですぐに延滞税の納付が必要になるわけではありません。
ただ先に述べたように、自動車税の納付は車検ともリンクしていることから、できるだけ期限内に納付するように心がけるべきでしょう。
なお自動車税は、年度初めに1年分を支払う仕組みとなっていますが、年度の途中で名義変更(移転登録)した場合でも、その変更は年度末(3月31日)に行われたものとみなされ、4月1日時点の所有者への自動車税の月割還付はおこなわれません。
一方、廃車(抹消登録)した場合は、廃車にした月の翌月から3月分までの自動車税が月割で還付されます。廃車のあと、還付についての書類が送付されますので、忘れずに手続きしましょう。
また買取業者などに廃車の手続きを委任した場合は、確実におこなわれたかどうかの確認が必要です。もし手続きがおこなわれていない場合、還付が受けられないだけでなく、翌年度以降も自動車税の納付書が送られてくることになります。
そうした事態にならないよう、手続きの委任には、信頼のおける業者選びが重要となります。