春から夏にかけてドライブには気持ちの良いシーズンですが、この時期は虫への対策も必要です。クルマにまとわりつく虫の撃退法や対処法にはどのようなものがあるのでしょうか。
■車内に侵入してきた虫は追い出すのがベスト!
春から夏にかけてのシーズンは観光やお出かけにも最適なシーズン。ドライブするのに気持ち良いシーズンですが、また面倒な問題があります。それが「虫」です。
虫は窓やドアから車内に侵入するだけでなく、山岳路や夜の高速道路などは走行中に虫がぶつかってボディにこびりついたり、視界を遮るなど、厄介な存在です。
クルマは閉め切っているのに、車内に小さな羽虫が入ってくることがあり、走行中に車内を飛び回ったり、窓ガラスに止まったりすると小さな虫でも気が散ってしまいます。
また、ハチやアブなど刺される危険性のある虫が車内に侵入することも考えられますが、どう対処するのが良いのでしょうか。
もっとも良いのは、潰さずに車内から外に出すことです。
潰してしまうと虫の体液やりん粉(羽についた粉)などが車内に付着し、放置しておくと硬化して汚れになるだけでなく内装を傷める原因にもなります。
車内専用の防虫剤を使って侵入を防ぐのもある程度の効果はありますが、それでも入ってしまいますし、スプレー式の防虫剤は熱によって破裂する可能性もあり、車内に入れっぱなしにするのは危険です。
安全な場所に停車して、窓を開けてタオルやティッシュなどでそっと追い出すのがベストな対策でしょう。
また、車内にクモが侵入してくることもあり、気づかぬうちに巣を張ってしまうこともありますが、やはりティッシュなどで優しく包んで処理するのが対処法としてはベストのようです。
しかし羽虫などは動きがはやく、開いた窓とは逆方向に逃げてしまうこともよくあります。
そんなときは「窓全開走行」がおすすめです。その名の通り、開けられる窓を全開にして一定の速度で走行するという方法で、一定速度で5分も走れば車内で風が巻き起こり、風の流れに乗って虫が外に出ていってくれます。
また意外に有効なのがビニール袋を使っての捕獲です。とくに大きい虫はそっと袋に閉じ込めて捕獲し、窓の外でリリースするのが良いでしょう。
ビニール袋は軽くて場所もとらないので、クルマに入れておくと何かと便利です。
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砂糖入り飲料などの甘い香りに惹きつけられて虫が侵入してくる場合があるので、食べ物や飲み掛けのジュースやコーヒーなどを車内に放置しないことも大切です。
こまめな清掃を心がけ、虫を寄せ付けない環境づくりが有効といえます。
■走行中にボディにこびりついた虫はどうする?
次に悩ましいのが、走行中にボディにこびりついてしまう虫の死骸です。
とくに夜間の走行ではヘッドライトめがけて虫が集まる傾向があり、フロントにかなり大量の虫の残骸がこびりついてしまうことがありますが、放置していると取りにくくなってしまうといいます。
そこでカーコーティング専門店のスタッフYさんに、有効な対処法を聞いてみました。まずは虫をつきにくくする方法はあるのでしょうか。
「ボディコーティングによって、ある程度は虫がつきにくくすることができます。
一般的な市販のコーティング剤はフッ素系が多く、施工しやすいのですが、コーティング皮膜が柔らかいために寄ってきた虫が皮膜に付着しやすいんです。
その点、皮膜が硬いガラス系コーティングですと、虫のつきかたが違ってきますし、洗車で落としやすくなります」
手間と値段は若干高めでも、硬い皮膜のガラス系コーティングのほうが虫にも強いようです。
また硬い皮膜は高速での飛石にも一定の効果があるので、ガラス系コーティングを試してみるのも良いかもしれません。
また、こびりついた虫の残骸は、市販のクリーナーシートなどでなるべく早めに拭き取るのが応急処置としては効果的です。
タンパク質が硬化してしまうと簡単に落とせなくなってしまうこともあり、できるだけ早く拭き取ることが肝心だそうです。
「エンジンの熱でボンネットなどに虫がこびりついてしまった場合は、60℃から70℃のお湯が使えます。
お湯をしみこませたウエスなどをこびりついた虫の残骸に5分程度当てると、たんぱく質が柔らかくなって楽に拭き取れるようになります」(カーコーティング専門店スタッフ Yさん)
Yさんいわく、ゴシゴシ擦って落とそうとするとボディ表面を傷めてしまいます。
虫の残骸は落ちるかもしれませんが、ボディにひっかき傷を作る原因になってしまうので、こびりついた虫は「優しく洗い流す」のが最善策というわけです。
「クルマに常備しておいて便利なのが『精製水』です。精製水には不純物が含まれていないぶん、汚れを吸収する性質があります。
汚れたボディはもちろん、洗剤をあまり使いたくない内装の清掃などにも使える便利アイテムです」(カーコーティング専門店スタッフ Yさん)
通常のクリーナーなどに入っている洗浄成分などは表面に残ってしまうと逆に汚れになってしまうこともありますが、その点、精製水は拭き取らなくてもあとが残りにくい特徴があり、精製水を車内に常備しておくと良いかもしれません。