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自動車税が安く済む? よく聞く「1&4ナンバー登録」って何? 車中泊に最適な新型「アトレー」はなぜ4ナンバー化した?

くるまのニュース 2022年5月31日 14時10分

毎年5月末が納期限となる「自動車税」。クルマの用途による分類や総排気量によって税額が確定しますが、「1&4ナンバー登録」にすると安く済むといいます。なぜなのでしょうか。

■毎年高い自動車税…貨物車登録すると安くなる?

 自動車税とは、毎年4月1日になった段階で、車検証に記載されているクルマの持ち主に対してかかる税金のことです。
 
 クルマの用途による分類や総排気量によって税額が確定しますが、「1&4ナンバー登録」にすると安く済むといいます。なぜなのでしょうか。

 自動車税はクルマの用途による分類や総排気量によって税額が決められており、自家用車では軽自動車の1万800円がもっとも安く、6リッター超の11万1000円が最高額となっており、一定年数が経過したクルマにはおおむね15%の重課があります。

 しかし、この自動車税には、安くする方法として、自家用車ではなく貨物車として登録する方法が存在。

 クルマはナンバーによって用途を10種類に分類されており、一般的な自家用車は普通自動車の3ナンバーもしくは小型乗用自動車の5ナンバーです。

 一方、貨物車に分類されるのは、大型トラックや普通貨物自動車である1ナンバー。

 一方の小型貨物自動車は、軽トラックや商用バンなど「長さ4.70m、幅1.70m、高さ2.00m、排気量2000cc」に当てはまるものが4ナンバーです。

 前述したように、自家用乗用車は排気量によって自動車税が決められていますが、貨物車では積載量によって税額が決められます。

 そして、現在の税法では自家用車よりも貨物車のほうが自動車税は安くなっているのです。

 1ナンバーに該当する普通貨物自動車では、自動車税額は最大積載量「1トン以下」で8000円、「1トン超2トン以下」1万1500円、「2トン超3トン以下」1万6000円。

「3トン超4トン以下」2万0500円、「4トン超5トン以下」2万5500円、「5トン超6トン以下」3万円、「6トン超7トン以下」3万5000円、「7トン超8トン以下」4万0500円です。

 自家用車と貨物車では、自動車税額を決定する要素が異なるため単純な比較は難しいですが、それでも数字だけを見ると非常に安く設定されていることが分かるのではないでしょうか。

 また、4ナンバーの最大積載量は「1トン以下」であれば8000円、「1トン超2トン以下」1万1500円、「2トン超3トン以下」1万6000円、「3トン超4トン以下」2万500円、「4トン超5トン以下」2万5500円。

「5トン超6トン以下」3万円、「6トン超7トン以下」3万5000円、「7トン超8トン以下」4万500円となっており、4ナンバー登録された軽自動車の自動車税は5000円です。

 実際に自家用車を貨物車登録している男性は次のように話しています。

「自動車税のみならず重量税も安いので助かります。

 一方で、車検は新車登録から2年で、その後は毎年受けなければならないです。

 それを差し引いても、貨物車登録のほうがコストは抑えられるので、満足しています」

※ ※ ※

 なお、2021年12月にフルモデルチェンジを遂げたダイハツ新型「アトレー」はこれまでの乗用車(5ナンバー車)から商用車(4ナンバー車)へと変更されました。

 その背景について、ダイハツは「アトレーは2人利用が多いことや、荷物を多く積むこと、後席+荷室空間を車中泊で使うといったケースが多かったため」と話しています。

■貨物車登録するための条件とは

 ただし、貨物車として登録するためにはいくつかの条件を満たす必要があります。

 国土交通省によると、ひとつめの条件として「自動車の物品積載設備を最大に利用した場合において物品積載設備の床面積が1平方メートル以上あること」が挙げられています。

 ちなみに、軽自動車にあっては「0.6平方メートル」、二輪の自動車でけん引される被けん引自動車は「0.2平方メートル」以上である必要があります。

 さらに条件はそれだけではありません。ふたつめの条件には「自動車の乗車設備を最大に利用した場合において、残された物品積載設備の床面積が、この場合の乗車設備の床面積より大きいこと」があります。

 つまり、自家用車を貨物車として登録するには、リアシートを取り外して積載スペースを確保するなどの改造を施す必要があり、リアシートがなくなれば、乗車可能な人数は減ることになります。

 また「自動車の乗車設備と物品積載設備との間に適当な隔壁または保護仕切りなどを備えたものであること」という条件も満たす必要があるため、シートをリクライニングさせることも難しくなるでしょう。

床面積が大きいことも条件となる(画像は新型アトレーの後席を倒した状態)

 そのほかにも以下のような条件が存在します。

「自動車の乗車設備を最大に利用した場合において、残された物品積載設備に積載し得る貨物の重量が、この場合の乗車設備に乗車し得る人員の重量より大きいこと」

「物品積載設備が屋根および側壁によって覆われている自動車にあってはその側面または後面に開口部の縦および横の有効長さがそれぞれ800mm以上で、かつ、鉛直面への投影面積が0.64平方メートル以上の大きさの物品積卸口を備えたものであること」

 このように貨物車として登録するためには、さまざまな条件が必要となります。

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