クルマで商業施設などに出かけた歳、「〇〇のおクルマのお客さま、ランプが点灯しております」というようなアナウンスを耳にすることがあります。なぜあえて店内にそのようなアナウンスをおこなうのでしょうか。
■「ハザードランプが点灯しております」はなんのため?
商業施設では、「〇〇のおクルマのお客さま、ハザードランプが点灯しております」「ルームランプが点灯しています」といった店内アナウンスを耳にすることがあります。
なぜあえて店内にそのようなアナウンスをおこなうのでしょうか。
駐車場が併設されている商業施設では、クルマで店を訪れるという人も多く見受けられます。
駐車場内では、ほかのクルマとの意思疎通のためにハザードをランプを点灯させたり、屋内駐車場ではヘッドライトやルームランプを点灯させる人もいます。
しかし、いざ買い物に行く際にそれらのライトを消し忘れてしまうこともあるようで、そうした場合には前述のような店内アナウンスが放送されるようです。
駐車場内の迷惑駐車やトラブルなどであれば店内アナウンスをする必要がありますが、なぜライトの消し忘れまでも知らせているのでしょうか。
首都圏の大型ショッピングモールでは、実際に、次のようなかたちでアナウンスをおこなうといいます。
「当店では、ランプが点灯しているお客さま様や従業員のクルマを見つけたら、警備員に連絡をし、警備員が巡回してランプの点灯を確認します。
実際に点灯が確認できたら『ランプが点灯しております。〇〇のおクルマのお客様は消灯してください』というようなアナウンスをします。
ランプが点灯したままになっていると、クルマのバッテリーが上がってしまう可能性がございます。そのため、少しでも早くハザードランプを消灯していただけるようにアナウンスをおこなっております」
また、客側から「駐車場にランプが点きっぱなしのクルマがいた」などの情報提供を受けた際などでも、警備員が巡回して実際に点灯しているかどうかの確認をおこなっているそうです。
一方で、店内アナウンスをおこなう別の理由について、関西圏の大型ホームセンターの担当者は次のように話しています。
「ライト点灯のアナウンスは、来店頂くお客さまへの配慮のためという点が大きいですが、同時に『駐車場もしっかりと警備をしています』というアピール面もあります。
これは通常のお客さまには安心感を持って来店頂きたい、ということに加えて、車上荒らしなどの行為に対しての抑止効果もあると考えています」
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また、ライトの消し忘れにより「バッテリー上がり」を起こしたケースも見られるといいます。
通常、エンジンをかけている場合では、車内の発電機(オルタネーター)が稼働し、ハザードランプやヘッドライトなど、灯火類を使用しながらの状態でも発電がおこなわれています。そのため、バッテリーが上がるということはまずありません。
一方、エンジンを切っている場合には、オルタネーターが稼働しておらず、発電がおこなわれないため、灯火類はただバッテリーを消費する「過放電」状態となってしまいます。
国産車の純正バッテリーの容量は40Ahが多く、例えばHIDヘッドライト搭載車の場合には、消費電力が8.5Aから9.0Aとなるため、約5時間でバッテリー上がりに陥る計算です。
また、ハザードランプでは消費電力が4.0Aから8.0Aとなり、充電が満タンの状態では5時間から10時間程度の過放電でバッテリー上がりになると試算できます。
■もし…外出先でバッテリーが上がったらどうする?
万が一、出かけた先でバッテリー上がりになった場合にはどのような対処をすれば良いのでしょうか。
基本的にバッテリー上がりの場合は、メーター上に赤い警告灯が点灯し、エンジンを始動しようにもスターターが回りません。
そのため、ほかのクルマから電気を一時的に分けてもらうことでエンジンを始動させることになり、これはブースターケーブル(赤/黒)のコードを2台のクルマに繋げておこないます。
方法は、最初に電気を供給する側のクルマ(救援車)を用意し、エンジンを停止して、ボンネットを開けます。
肝心なブースターケーブルを繋ぐ順番は「バッテリーが上がったクルマのプラス → 救援車のプラス → 救援車のマイナス → 上がったクルマのマイナス(端子ではなくエンジンの金属部分など)」となります。
繋いだあとには、救援車のエンジンを始動し、エンジン回転を少し高く保ち、バッテリー上がりとなったクルマのエンジンを始動。無事にエンジンが始動したら、繋いだ順番とは逆の流れで取り外していきます。
その後、バッテリー上がりのクルマはしばらくアイドリングさせ、バッテリー残量を回復させますが、一度バッテリー上がりをおこしたバッテリーは劣化していることもあり、早めに新品に交換することが望まれます。
また、バッテリー上がりは「エンジン始動がしにくくなった」という予兆があることもありますが、「さっきまでは問題なかったのに…」と突然トラブルに見舞われることもあるのです。
そうした自体を避けるためにも、定期的な点検をしておくのが良いでしょう。
JAFは「バッテリーには寿命があり、一般的に2年から3年といわれています。ただ状況によっては交換時期が早まる可能性もありますので、破損・劣化がないか1か月に1回は点検しましょう」として、バッテリーの状態を定期的に点検することを勧めています。