セルフ式ガソリンスタンドが増えており、スタッフに任せるのではなくドライバー自らが給油することもあります。慣れていない人にとって、セルフ式GSは敷居が高いものですが、スマートに給油するコツはあるのでしょうか。
■セルフ式GSで起きやすいトラブルとは?
ガソリンスタンドの総数は全国的に減少傾向にあり、さらには、スタッフが誘導・給油までしてくれるフルサービス式から、ドライバーが自ら給油するセルフ式への切り替えが進んでいます。
セルフ式に慣れている人は良いのですが、使ったことがない人にとっては、給油が敷居の高い作業になってしまう可能性があります。
ドライバー自ら給油をおこなうことから、セルフ式特有のトラブルも発生しがちだといいます。
よくあるのは「給油する燃料を入れ間違えてしまう」というもの。
ハイオクとレギュラーの油種入れ間違いは現代のエンジンであれば壊れる心配はほとんどありませんが、一方で、「軽自動車だから軽油」や「ディーゼルエンジンにガソリン」(その逆も)を入れてしまうとエンジンが壊れてしまい、多大な修理費がかかることもあります。
実際に多いのが「燃料の吹きこぼれ」です。
燃料タンクが満タンになると自動で給油が止まる「ストッパー」が作動しますが、そこから“ちょい足し”すると、少しのつもりが入れすぎて逆流し、給油口から燃料が吹き出してしまうというトラブルが多数報告されています
ほかにも、燃料キャップの締め忘れや給油口の閉め忘れも意外に多いケアレスミス。
これは単純にうっかりミスもありますが、後続車がいることで少しでも早く給油を終わらせたいという焦りから忘れてしまうこともあるようです。
そのほか、給油中は火気だけでなく引火する恐れのある静電気も厳禁。そのため給油機には「静電気除去シート」が必ず設置されています。
また、スマホは静電気を起こす可能性があるので、給油中はスマホでの通話や操作はしないほうが良いでしょう。
■給油口が反対側でも実はホースが届く!?
セルフ式ガソリンスタントでスマートに給油できるコツはあるのでしょうか。都内のガソリンスタンドで店長経験のあるY氏に話を聞いてみました。
「給油機が複数台あっても、できるだけ給油口側の機械を使いたいお客さまが多く、時間帯によってはどうしても偏りが出てしまうことがあります。
国産車の場合はスバルと日産の一部車種が右側(運転席側)ですが、それ以外のメーカーは多くが左側(助手席側)についているため、給油機が左側にくるレーンがどうしても混雑しがちです。
でも実際は、給油口と反対側に給油機があってもホースは十分届くように設計されているので、空いているレーンで給油するのがスマートだと思います」
ただし、このように給油機が給油口の反対側にある場合は、多少の工夫が必要です。ポイントは、ホースを車体の上を通るように持ち、支えながら給油します。
「給油枠(給油機に横付けする枠)から半分程度クルマを前方に進めてから停車していただければ、上空から給油ホースを回しやすくなります。
あとはできるだけ給油機側にクルマを寄せるようにすることも、よりスムーズに給油するコツです」(ガソリンスタンド元店長 Y氏)
支払いでもたついているのも、給油待ちしている人をイラつかせる原因。セルフ式の場合、現金よりクレジットカードやプリペイドカードでの支払いが多いので、給油前に準備しておくのがスマートです。
「支払いを事前に準備している人は給油の手際も良く、ほかの利用者の迷惑にならないため、スマートといえます」(ガソリンスタンド元店長 Y氏)
給油が終わってもなかなか発進しないクルマもよく見かけますが、すぐに発進できない場合はどうしたら良いのでしょうか。
「給油レーンは前後にスペース的な余裕がありますので、給油とお支払い後は1台分前に出てから一旦停車すれば、カードなどを財布にしまうのもゆっくりできますし、次の人もすぐに給油できると思います」
確かに1台分前に出れば、待っていた人がすぐに給油作業を始められます。走りながら慌ててカードを財布にしまうなどの行為は危険なので、一旦場所を譲るということは覚えておきたいマナーです。