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日本再上陸の韓国「ヒョンデ」出だしは好調!? どんな人が買ってる? オンライン販売の秘策とは

くるまのニュース 2022年8月4日 20時10分

日本で再び韓国「ヒョンデ」のクルマが販売されることになりましたが、その方法はオンラインのみ。実店舗がないなか、どのようにクルマを売っていくのでしょうか。

■ヒュンダイ改め、「ヒョンデ」が再び日本で販売開始!

 EVと燃料電池車をオンライン販売のみで販売するという思い切った事業戦略で、韓国ヒョンデが日本再上陸しました。

 果たして、ヒョンデは日本でどのようにクルマを売っていくのでしょうか。

 ヒョンデは2022年2月に開いた日本再上陸に関する会見で、ユーザーが実際にヒョンデのクルマを見て、乗って、さらに納車もできる“実店舗”のような施設を横浜市内に2022年夏を目処に開設することも予告していました。

 それが、2022年7月30日にオープンした「ヒョンデ・カスタマー・エクスペリエンス・センター横浜」で、報道陣向けに内覧会がおこなわれました。

 場所は、横浜市営地下鉄ブルーラインの北新横浜駅から徒歩5分、またクルマだと第三京浜の港北ICからほど近くにあります。

 敷地面積は2432平米で、2階建ての内外装に木毛セメント板などの再生可能素材を使用した特徴的な建物です。

 正面入り口の右手はショールームで、EV「アイオニックQ5」や燃料電池車「ネッソ」、オプションパーツなどを展示。

 さらに、1階には特別なおもてなしとして、納車式がおこなえるターンテーブル装備のスペシャルなスペースも完備しました。

 2階に上がるとラウンジスペースがあり、ライフスタイル系のヒョンデオリジナルグッズの展示や、カフェが併設されています。

 その奥には商談スペースもあり、セールス部門の関係者は「お客さまが来店前に、新車オーダーの基本的な手続きをオンラインでおこない、最終的な購入判断をこの場ですることもあると思います。または、お客さまがこの場でオンライン入力をゼロから段階的におこなうことも想定されます」と、オンライン販売のサポート体制をスムーズに進めるという考えも示しました。

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 ショールームの隣はZEV(EVと燃料電池車)専用整備工場となっており、こちらは2022年9月に稼働開始の予定です。

 また、全国の協力整備工場に対するハブとしての役割として、ZEVに関するトレーニングやユーザー向けのイベントを開催するためのスペースを設置しています。

■どんな人がヒョンデを買っているのか?

 ヒョンデは、ブランドとしての浸透を図る目的で、期間限定のポップアップストアの「ヒョンデ・ハウス・原宿」を、JR原宿駅近くで2022年2月19日から5月28日まで実施しました。

ヒョンデ・カスタマー・エクスペリエンス・センター横浜

 その際に「ここで購入したい」という声もあったとのことで、ブランド訴求や試乗体験、納車、整備をおこなうエクスペリエンス・センターの必要性を、ヒョンデとして再認識したといいます。

 そうなると、エクスペリエンス・センターを全国各地に拡充していく方法で、事業を進めるのでしょうか。

 この点について、ヒョンデモビリティジャパンの加藤成昭マネージングダイレクターは「今後、全国主要都市に展開していきたいのですが、(現時点で)具体的な(開設の)日程(計画)は持ち合わせていません。まずは、1年ほど横浜でしっかりと基盤を固めたい」としたうえで、「(日本市場での事業方針は)あくまでもオンラインでの完結販売を目指してチャレンジすることです」と強調しました。

 ポイントは「お客さまの利便性」を最優先することであり、オンライン販売を軸足としてエクスペリエンス・センターでの対面サポート体制を敷いていくことになります。

 また、全国での整備におけるサービス体制について、加藤マネージングダイレクターは「現時点で、北は北海道の札幌から南は鹿児島まで、全国17か所の協力整備工場を設定しました」と説明。

 これらのほとんどは、2001年から2009年にヒョンデ(当時はヒュンダイ)のガソリン車を整備していた工場ではなく「ZEVの整備を確実におこなえる工場を弊社が積極的に探した」といい、当面のところ、全国20数か所程度までの拡大を視野に入れているようです。

 そのほか、急速充電については、ヒョンデ・カスタマー・エクスペリエンス・センター横浜に「ヒョンデ・ファスト・チャージャー」を設置。

 最大出力150kWに対応可能ですが、「最大出力の設定や、他ブランドのお客さまにもお使いいただくようにするか、現在社内で検討中です」とのことです。

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 ところで、アイオニック5はこれまで何台売れたのでしょうか。

 加藤マネージングダイレクターは「5月2日からオンラインで受注を始めて3か月経過し、全体の動きとしては、(販売の)初速が良い」という表現に留め、具体的な受注台数について今回は明らかにしませんでした。

 ただし、かなり良い感触を得ていることは確かなようで、デリバリーがしっかりと始まった段階で明確になる販売実績の公表を待ちたいと思います。

 第1弾の納車は6月後半から8月にかけて進むものと想定していて「新車の供給についてはとくに問題はありません」と、半導体不足やウクライナ・ロシア情勢などの影響は大きくないとの認識を示しています。

 受注顧客のデモグラ(属性)については、グレードは最上級が9割以上で、居住地は関東圏が全体の約半分、残りがそれ以外。

 男女比は、男性が98%。年齢層は、30代、40代、50代が均等に多く、また20代や60代もいるという分布です。

 オンライン完結販売路線を貫くですが、韓国ヒョンデの出だしは好調で、これからどこまで日本でブランドが浸透するのか、また、販売方法が他メーカーへどのような影響を及ぼすのか、動向を注視していきたいと思います。

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