7月から8月にかけて暑さのピークが到来し、いよいよ夏本番がやってきました。そんな夏ですが、暑さ以外にも注意が必要なのが、集中的な降水による道路の冠水被害です。今年の夏だけでも九州から北海道まで、ゲリラ豪雨による道路の冠水が多数発生していますが、もし、高速道路走行中に冠水してしまった場合、どのような対策を取るべきなのでしょうか。
■夏は台風の季節…高速道路が冠水しないようにどのような対策が取られている?
夏から秋にかけての台風や近年多発するゲリラ豪雨では、道路の冠水が問題となっています。
そうしたなかで2022年の夏は、日本各地で観測史上1位の記録的な大雨が続き、冠水や崩落被害が多発しています。
もし、高速道路走行中に冠水してしまった場合、どのような対策を取るべきなのでしょうか。
夏は暑さ以外にも注意が必要なのが、集中的な降水による道路の冠水被害です。
2022年の夏だけでも九州から北海道まで、ゲリラ豪雨による道路の冠水が多数発生しています。
最近では、2022年7月12日の埼玉県北部で発生した記録的短時間大雨により、関越自動車道の鶴ヶ島ICと東松山IC間の上下線が通行止めとなる事態も発生しました。
では、このような道路が冠水してしまうという事態に備えて、高速道路ではどのような対策が取られているのでしょうか。
NEXCO東日本の広報担当者は、高速道路の冠水被害における事前対策について、以下のように話します。
「対策といたしましては、冠水を起こさないようにするために、のり面(人工的につくられた斜面)に『排水溝』や『集水ます』などの水対策の設備を整えています。
これらは当然、ゴミや泥で塞がっていると水を流すことができません。
そのため、雨が多く降るシーズンの前に、これらの清掃をきちんとおこない、水が溢れないように対策をしています」
排水溝とは、水を流すための溝のことを指し、その上部を通行できるようにコンクリート製や格子状の鋼製のふたがかけられています。
また、「集水ます」とは、水をためて泥やゴミを取り除いたり、排水溝から水が溢れるのを防ぐためのものです。
形状はU字溝やL型側溝など、さまざまであり、配管や排水、多岐にわたる側溝の合流地点に設けられていることがほとんどです。
さらに前出の担当者は、高速道路が冠水してしまった後の対処方法について、以下のように話します。
「まず冠水で安全に走行することができないと判断した場合、通行どめをおこないます。
その後、冠水の原因を調査し、冠水の原因を対処した後、雨が落ち着いて水が引いて安全な走行ができる状態になったら通行どめを解除します」
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例えば、冠水の原因が前述したような、排水溝や集水ますが泥やゴミなどで塞がってしまい、水を流せない状態になっているのが原因だった場合、そのゴミや泥を取り除いて水がきちんと流せる状態にする必要があります。
■高速道路上で冠水に遭遇したらドライバーはどのような対策を取るべき?
では、もし高速道路走行中にこのような台風による大雨やゲリラ豪雨などによって冠水してしまった場合、ドライバーはどのような対処を取るべきなのでしょうか。
前出の担当者は、高速道路が冠水したときにドライバーが取るべき対処法について、以下のように話します。
「もし高速道路を走行中に冠水の被害にあってしまった場合、まずはゆっくりと減速し、慌てずに左側の路肩に停車してください。
急停車してしまった場合、後続車との追突事故につながる危険があるため、減速してから停車するように心がけていただきたいです。
そのようにして左側の路肩に停車させることができたら、ハザードランプをつけて三角板(停止表示板)を後続車から見えやすい位置に置いてください。
その後、近くの非常電話か、道路緊急ダイヤルで高速道路会社に一報のご協力をお願いします」
冠水路では、見た目だけでは水深がわかりにくいため、いざ進入すると思ったよりも深いことがあります。
また冠水路に進入してもすぐには浸水しないため、車内に水が入るなど危険を察知するころには、エンジンの吸気口が水を吸ってしまったり、排気管が水圧で塞がれてしまい、走れなくなっていることが多いので注意が必要です。
車内が浸水したら安全を最優先に避難方法を考え、避難時はいきなり降車するのではなく、必ず周りの安全の確認をしてから行動に移しましょう。
また浸水状態のクルマはパワーウインドウが操作不能になる可能性もあり、ドアの開閉も通常時より力が必要ということを理解しておくと良いでしょう。
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冠水の要因はいくつかあるため、なかなか発生が予測しづらいという側面があります。
とくに大雨のときや降った後の高架下などは冠水しやすいため、事前に天気予報などをきちんと確認し、通行をしないというのも防止策のひとつといえます。