ダイハツ新型「ムーヴキャンバス」に、これまで設定がなかったターボ車が追加されました。若い女性がメインのクルマですが、なぜターボの設定が必要だったのでしょうか。
■新型ムーヴキャンバスに待望のターボ車設定!
ダイハツの軽軽自動車「ムーヴキャンバス」がフルモデルチェンジを受け、2代目となる新型が登場しました。
初代モデルは2016年に登場。ライフスタイルを楽しむ女性を中心に幅広い世代から支持され、累計販売台数は38万台を超える、ヒットモデルとなりました。
そんななか登場した新型モデルは、初代モデルのキュートなデザインを継承しつつ進化。個性的な2トーンカラーの「ストライプス」と、上質で落ち着いた印象の「セオリー」というふたつの世界観を設定しています。
また、プラットフォームがDNGA(ダイハツニューグローバルアーキテクチャ)に刷新されたほか、ターボエンジン搭載車も追加されました。
初代モデルはNAエンジンの設定しかありませんでしたが、新型になってターボが設定されたのはなぜなのでしょうか。
初代モデルは、ハイト系とスライドドアの組合せで新しい市場を開拓。「母と娘の親子で共用」という新しい提案で、若年層を中心に好評を得てきたといいます。
初代モデルのユーザーは若年層の割合が高く、さらに約9割が女性と、女性がメインのクルマというイメージが定着しました。
一方で、当初のターゲットである「母・娘」だけでなく、「父・娘」、「母・息子」など、家庭内でクルマを共有するケースもあり、若年女性のみならず、大人世代や男性にもターゲットを拡大する必要があったといいます。
さらに、大人世代や男性ユーザーからは、デザインについて「若々しすぎる」「かわいすぎる」といった声や、「ターボの設定がない」という意見も存在。
とくにターボ車は、男女の親子で共有するユーザーや山間部に住んでいるユーザーからの要望が多く、大人世代を中心に幅広いユーザーをターゲットとする新型ムーヴキャンバスの商品力アップのために、ターボ車を設定したという訳です。
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新型ムーヴキャンバスは、DNGAによる軽量で高剛性のプラットフォームを採用することで基本性能が向上。実際に運転してみると、NAエンジンでも十分軽快な走りを楽しむことができるのですが、ターボエンジンは、NAエンジンで感じた坂道でもたつく感じがなく、よりスムーズに加速する印象でした。
NAエンジン・ターボ車ともに、アクセルを踏み込んだときの初期応答を向上したほか、適切なサスペンションチューニングによって快適な乗り心地を実現。
さらに、ステアリング操舵力の最適化やハンドルを戻すときの制御を、低速でもスムーズにハンドルが戻るようにしたりといった改善を加え、女性でも運転がしやすいクルマに仕上げたといいます。
■軽初の「ホッとカップホルダー」搭載!
新型ムーヴキャンバスの使い勝手は初代モデルより向上。ターゲットユーザーを広げたとはいえ、新型ムーヴキャンバスは女性がうれしい機能を多数搭載しています。
これまでも好評だった、リアシート下に備わる「置きラクボックス」は、ボックス内の衝立をプラスチック製とし、片手で組み立てられるようになりました(従来型はマジックテープで固定)。
また、助手席側のインパネにフラットな部分を設けることで、たとえばテイクアウトしたお弁当などを置くことができます。これは、新型コロナ禍で外食がしづらくなったことにより、車内で飲食する機会が増えたという事情を考慮したもの。
さらに、面白いのが「ホッとカップホルダー」。前席インパネに埋め込まれているカップホルダーに保温機能が備わり、寒い時期でもドリンクを温かいままキープしてくれるという優れモノが軽自動車として初めて装備されました。
加えて、ソファのように座り心地の良いシートは、汚れが目立ちにくい柄を採用。自分の家のようにくつろげる室内空間を実現しています。
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内外装のデザインや機能性、走行性能を進化させた新型ムーヴキャンバスは、早くも好調なセールスを記録しているといいます。
2022年7月5日の発表から約1か月の時点で、累計受注台数が約2万6000台を達成。月販目標台数(6500台)の4倍と、順調な立ち上がりとなっています。
ふたつの世界観を表現したスタイルや新設定のターボがとくに好評とのこと。初代モデルに続き、新型ムーヴキャンバスもヒットモデルになるのではないでしょうか。